この記事の要点
納めた介護保険料は、確定申告や年末調整の「社会保険料控除」に使えます。 国税庁は、社会保険料控除の対象に「介護保険法の規定による介護保険料」を挙げていて、控除できる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。
- 年金から天引きされた介護保険料は、年金を受け取る本人だけの控除です。 妻の年金から天引きされた介護保険料は、夫の社会保険料控除の対象になりません(国税庁「No.1130 社会保険料控除 Q&A」)(手順4)。
- 年金から天引きされた金額は、公的年金等の源泉徴収票の「社会保険料の額」で見ます。 この欄は、年金から天引きされた介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の合計です(日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」、日本年金機構「年金から特別徴収されていない社会保険料は、源泉徴収の際に控除されないのでしょうか。」)(手順2)。
- 納付書や口座振替で払った分は、領収証書や通帳で見て、天引きの分と足します(手順3)。
- 遺族年金・障害年金から天引きされている人には、源泉徴収票が届きません。 金額は住んでいる市区町村に問い合わせます(手順2)。
この記事は、2026年10月29日に確認した、国税庁・日本年金機構と市の公式ページの内容です。令和8年分(2026年1月から12月に納めた分)の控除の話として書いています。
今すぐやること3つ
- 介護保険料が年金から天引きされているか、納付書や口座振替で払っているかを確かめます(手順1)。
- 働いていて年末調整を受ける人は、勤め先から渡される「保険料控除申告書」の書き方を確かめます(手順5)。
- 来年1月に届く公的年金等の源泉徴収票を、確定申告まで捨てずにとっておきます(手順2)。
まず知っておくこと|介護保険料は社会保険料控除に使える
控除できるのは、その年に払った全額
社会保険料控除は、自分や、生計を一にする配偶者・親族が負担すべき社会保険料を支払った時に、その支払った金額を所得から差し引けるしくみです(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。
社会保険料控除の対象には、国民健康保険の保険料、後期高齢者医療制度の保険料(高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料)、介護保険料などが入っています。控除できる金額は、その年に払った金額の全額です(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。
1月から12月で数える
税金の計算は1月から12月の暦年で数えます。一方で、市区町村から届く介護保険料の決定通知書は、4月から翌年3月の年度で金額が書かれています。盛岡市は、社会保険料控除を計算する時は、決定通知書ではなく、公的年金等の源泉徴収票に書かれた介護保険料の額で計算するよう案内しています(盛岡市「年金の源泉徴収票に記載された天引き分の介護保険料額が、市からの通知に記載された介護保険料額と違っているのはなぜですか?」)。
介護保険料がいくらになるか、なぜ10月に金額が変わるかは、65歳以上の介護保険料はいくら|10月に変わるで説明しています。
手順1|自分の介護保険料の納め方を確かめる
年金からの天引き(特別徴収)と、納付書・口座振替(普通徴収)
65歳以上の人の介護保険料の納め方は、年金から天引きされる「特別徴収」と、納付書や口座振替で納める「普通徴収」に分かれます。船橋市の場合は、老齢(退職)年金・遺族年金・障害年金が年額18万円以上の人は特別徴収、年額18万円未満の人や基礎年金の繰り下げ支給の人は普通徴収です(船橋市「65歳以上の介護保険料の納め方」)。

船橋市は、納め方は受給している年金の額で分かれ、納め方を選ぶことはできないと案内しています。年度の途中で65歳になった人や船橋市に転入した人などは一時的に普通徴収で納め、年度の途中で保険料が増えた人は増えた分を普通徴収で納めるとも書いています(船橋市「65歳以上の介護保険料の納め方」)。
両方で納めている人もいる
文京区は、その年のうちに「普通徴収から特別徴収に切り替わった方」「他の市区町村から転入した方」「65歳になった方」などは、それぞれの納付額の合計が社会保険料控除の対象になると案内しています(文京区「社会保険料控除」)。
自分がどちらで納めているか分からない時は、住んでいる市区町村の介護保険の窓口に聞きます。
手順2|年金から引かれた分は源泉徴収票の「社会保険料の額」で見る
「社会保険料の額」の欄を見る
日本年金機構の公的年金等の源泉徴収票の「社会保険料の額」の欄には、年金から特別徴収された社会保険料(個人住民税および森林環境税は含みません)の合計額が書かれています。社会保険料の内訳は、摘要欄に書かれています。ただし、再発行と準確定申告用の源泉徴収票には内訳は書かれていません(日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」)。

千葉市は、源泉徴収票には社会保険料額(介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民健康保険料の合算額)とその内訳が書かれていると案内しています(千葉市「介護保険料は社会保険料控除の対象です」)。文京区は、確定申告書を書く時はこの金額を書き写すよう案内しています(文京区「社会保険料控除」)。
届く時期
令和8年分の源泉徴収票は、令和9年(2027年)の1月に届きます。吹田市は「翌年1月中旬頃」、文京区は「翌年1月下旬」に日本年金機構等から届くと案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」、文京区「社会保険料控除」)。
源泉徴収票の「支払金額」は、社会保険料などを差し引く前の金額です(日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」)。ほかの欄の読み方は、日本年金機構の同じページで確かめられます。
遺族年金・障害年金から天引きされている人
障害年金や遺族年金は所得税の対象ではないため、これらを受けている人には公的年金等の源泉徴収票は届きません。日本年金機構は、障害年金や遺族年金から社会保険料が特別徴収されている人の納付の証明は、住んでいる市区町村の担当の部署に問い合わせるよう案内しています(日本年金機構「障害年金や遺族年金を受けている人にも公的年金等の源泉徴収票は送付されるのでしょうか。」)。
手順3|納付書・口座振替で払った分は領収証書や通帳で見る
市によって届く書類が違う
普通徴収で払った分の確かめ方は、市区町村によって違います。
| 市 | 納付書で払った分 | 口座振替で払った分 |
|---|---|---|
| 千葉市 | 1月末に届く「介護保険料納入済通知書」(はがき) | 同じ |
| 吹田市 | 領収証書 | 預貯金通帳の振替額記載欄 |
| 盛岡市 | 領収書 | 口座振替済のお知らせ |

千葉市は「介護保険料納入済通知書」に、前の年の1月から12月までに口座振替や納付書で納めた介護保険料の額を書いています(千葉市「介護保険料は社会保険料控除の対象です」)。吹田市は、スマートフォン決済で払った分は各アプリの利用履歴で確かめるよう案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」)。盛岡市の口座振替済のお知らせは、毎年1月に前の年の1月から12月の分が届きます(盛岡市「税申告の際、介護保険料納付分は社会保険料控除になりますか?」)。
天引きの分と足す・返ってきた分は引く
納め方が2つ以上ある人は、それぞれの金額を足します。千葉市は、一度納めた介護保険料が還付された人は、源泉徴収票の額から還付を受けた額を差し引いて申告するよう案内しています(千葉市「介護保険料は社会保険料控除の対象です」)。
どの書類でも確かめられない時は、市区町村に納付額の確認書を頼めます。吹田市は「介護保険料納付額確認書」、文京区は「納付額連絡票」という名前で出しています。吹田市は、電話や電子申請で頼むと郵便で届くまで10日程度かかると案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」、文京区「社会保険料控除」)。
手順4|誰の控除になるかを決める
年金から天引きされた分は本人だけ
国税庁は、扶養している妻の公的年金から介護保険料が特別徴収されている場合について、その社会保険料を支払ったのは妻であり、夫が支払った社会保険料ではないので、夫の社会保険料控除の対象にはならないと説明しています(国税庁「No.1130 社会保険料控除 Q&A」)。

国税庁の確定申告の手引き(令和7年分)も、生計を一にする配偶者や親族が受け取る年金から天引きされている国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・介護保険料は、あなたの控除の対象にはならないと書いています(国税庁「令和7年分 確定申告の手引き 社会保険料控除」)。
家族が納付書や口座振替で払った分は、払った人の控除
生計を一にする親族の負担すべき社会保険料を自分が支払った場合は、支払った人の控除になります(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。吹田市も、控除の対象は保険料を納付した人(特別徴収の場合は徴収された本人)が1月から12月までに納付した額だと案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」)。
親の扶養や年末調整のほかの条件は、親を扶養に入れる|年末調整の条件と書き方7手順で説明しています。
後期高齢者医療の保険料は口座振替に変えられる
後期高齢者医療制度の保険料は、原則として年金から天引きされますが、市区町村等へ手続きをすると、年金からの天引きに代えて口座振替で払うことを選べます。口座振替で払った保険料は、その口座の名義人(被保険者か、被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族に限ります)の控除になります(国税庁「No.1130 社会保険料控除 Q&A」)。
介護保険料の年金天引きは、船橋市の場合は手順1のとおり、納め方を選ぶことはできません。
手順5|働いている人は年末調整の「保険料控除申告書」を確かめる
用紙の欄
給料をもらって年末調整を受ける人は、勤め先に「給与所得者の保険料控除申告書」を出します。令和8年分の用紙の社会保険料控除の欄は、「社会保険の種類」「保険料支払先の名称」「保険料を負担することになっている人」(氏名・続柄)「あなたが本年中に支払った保険料の金額」に分かれています(国税庁「令和8年分保険料控除申告書」)。
書くのは「直接支払った」分
国税庁の令和8年分の記載例は、この欄について「国民年金保険料など、あなたが直接支払った社会保険料を記載します。」「給与から差し引かれた社会保険料は記載しません。」と書いています(国税庁「《記載例》令和8年分保険料控除申告書」)。納付書や口座振替で自分が払った介護保険料は、この欄に書く分です。
年金から天引きされた介護保険料をこの用紙に書くかどうかは、記載例には書かれていません。用紙の出し方と期限、年金から天引きされた分の扱いは、勤め先の担当者に確かめます。
手順6|確定申告書の「社会保険料控除」の欄に書く
源泉徴収票の金額は「源泉徴収分」と書く
国税庁の確定申告の手引き(令和7年分)では、確定申告書の第二表の「社会保険料控除」欄の「保険料等の種類」欄に社会保険の種類を、「支払保険料等の計」欄に種類ごとの金額を書きます。源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄(公的年金等の源泉徴収票では「社会保険料の額」の欄)の金額を書く時は、「保険料等の種類」欄に「源泉徴収分」と書きます(国税庁「令和7年分 確定申告の手引き 社会保険料控除」)。

「うち年末調整等以外」欄には、「支払保険料等の計」欄に書いた金額のうち、給与所得や公的年金等の源泉徴収票に書かれていない金額を書きます。納付書や口座振替で払った介護保険料のうち、勤め先の年末調整で申告していない分は、こちらに入ります(国税庁「令和7年分 確定申告の手引き 社会保険料控除」)。
第二表に書いた金額の合計は、第一表の「社会保険料控除」の欄に書きます。ここに書いた欄の名前は、令和7年分の手引きのものです。
証明書を付けるのは国民年金の保険料など
国税庁 No.1130 で、証明する書類の添付や提示が必要と書かれているのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金です(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。吹田市は、介護保険料の社会保険料控除を受ける時は、原則、納付額確認書等の添付は要らないと案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」)。
国民年金の保険料の控除証明書については、国民年金の控除証明書はいつ届く|届かない時の7手順で説明しています。
手順7|確定申告が要らない人も、還付と住民税の申告を考える
年金400万円以下の人は確定申告が要らない場合がある
公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の人は、確定申告の必要はありません。ただし、外国の制度から受け取る年金など、源泉徴収の対象にならない公的年金等を受け取っている人は、この扱いを受けられません(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。
還付を受けるための申告はできる
国税庁は、この場合でも、医療費控除や社会保険料控除など各種の所得控除で所得税の還付を受けるための確定申告はできると書いています。公的年金等以外の所得金額が20万円以下で確定申告の必要がない場合でも、住民税の申告が必要な場合があるとも書いています(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。
年金から天引きされた介護保険料は、日本年金機構が年金から差し引く所得税を計算する時に、すでに差し引かれています。源泉徴収票の「社会保険料の額」は、源泉徴収税額の計算対象から控除されていると書かれています(日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」)。この計算に入るのは、年金から特別徴収された分です。日本年金機構は、年金から特別徴収されていない社会保険料の控除を受けるためには、確定申告が必要だと案内しています(日本年金機構「年金から特別徴収されていない社会保険料は、源泉徴収の際に控除されないのでしょうか。」)。
住民税の申告が要るかどうかは、住んでいる市区町村の住民税の窓口で確かめます。盛岡市は、市県民税の申告は市民税課に、確定申告は盛岡税務署に問い合わせるよう案内しています(盛岡市「税申告の際、介護保険料納付分は社会保険料控除になりますか?」)。
よくある質問
Q. 年金から天引きされた介護保険料は、確定申告で控除できますか。
A. できます。社会保険料控除の対象です。年金から天引きされた分を控除に使えるのは、その年金を受け取っている本人だけです(国税庁「No.1130 社会保険料控除 Q&A」)。
Q. 同居している親の年金から天引きされた介護保険料を、子の控除に入れられますか。
A. 入れられません。年金から天引きされた分は、年金を受け取る親が支払ったものとして扱われます。子が納付書や口座振替で親の保険料を払った分は、生計を一にしていれば子の控除になります(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。
Q. 市から届いた介護保険料の通知書と、源泉徴収票の金額が違います。
A. 通知書は4月から翌年3月の年度の金額、源泉徴収票は1月から12月の金額だからです。控除の計算は源泉徴収票の金額で行います(盛岡市「年金の源泉徴収票に記載された天引き分の介護保険料額が、市からの通知に記載された介護保険料額と違っているのはなぜですか?」)。
Q. 源泉徴収票の「社会保険料の額」は、介護保険料だけの金額ですか。
A. 年金から天引きされた介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の合計です。内訳は摘要欄に書かれています。再発行と準確定申告用の源泉徴収票には、内訳は書かれていません(日本年金機構「年金から特別徴収されていない社会保険料は、源泉徴収の際に控除されないのでしょうか。」、日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」)。
Q. 確定申告に、介護保険料の証明書を付ける必要はありますか。
A. 国税庁 No.1130 で証明書類の添付や提示が必要と書かれているのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金です(国税庁「No.1130 社会保険料控除」)。吹田市は、介護保険料は原則、納付額確認書等の添付は要らないと案内しています(吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」)。
Q. 遺族年金から介護保険料が天引きされています。金額はどこで分かりますか。
A. 遺族年金や障害年金を受けている人には、公的年金等の源泉徴収票は届きません。納付の証明は、住んでいる市区町村の担当の部署に問い合わせます(日本年金機構「障害年金や遺族年金を受けている人にも公的年金等の源泉徴収票は送付されるのでしょうか。」)。
あわせて読みたい
参考・出典
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除 Q&A」(Q5・Q6・Q7)
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き 社会保険料控除」
- 国税庁「令和8年分保険料控除申告書」
- 国税庁「《記載例》令和8年分保険料控除申告書」
- 日本年金機構「令和7年分 公的年金等の源泉徴収票」(2025年12月23日更新)
- 日本年金機構「障害年金や遺族年金を受けている人にも公的年金等の源泉徴収票は送付されるのでしょうか。」(2024年12月27日更新)
- 日本年金機構「年金から特別徴収されていない社会保険料は、源泉徴収の際に控除されないのでしょうか。」(2024年10月1日更新)
- 千葉市「介護保険料は社会保険料控除の対象です」(2025年1月17日更新)
- 文京区「社会保険料控除」(2026年4月1日更新)
- 吹田市「介護保険料納付額の確認(社会保険料控除)」(2025年10月2日更新)
- 盛岡市「税申告の際、介護保険料納付分は社会保険料控除になりますか?」(令和7年5月9日更新)
- 盛岡市「年金の源泉徴収票に記載された天引き分の介護保険料額が、市からの通知に記載された介護保険料額と違っているのはなぜですか?」(令和7年5月9日更新)
- 船橋市「65歳以上の介護保険料の納め方」(令和8年4月1日更新)