この記事の要点
エアコンの暖房で暖かい風が出なくても、故障とは限りません。冬は室外機についた霜を溶かす「霜取り運転」のあいだ、暖かい風が止まります。ダイキンは、霜取り運転中の約3~10分は室内機から暖かい風が出なくなり、しばらく待って暖かい風が出れば正常だと案内しています(ダイキン工業「暖まらない、暖かい風がでない(ルームエアコン)」)。
- つけてすぐ風が出ないのも、ふつうの動きです。 ダイキンによると、冷たい風が出ないように暖めてから風を出すため、すぐに風が出ないことがあります。
- 自分で確かめるのは、リモコン・フィルター・室外機のまわり・電源の入れ直しまでです。 分解や取り外しはしません。確かめても直らないときは、販売店かメーカーに点検・修理を頼みます。
- 霜は寒い地域だけの話ではありません。 パナソニックは、霜がいちばんつきやすいのは気温が5.5からマイナス7℃の間で、湿度が高いときだと説明しています(パナソニック「冬の暖房時、エアコンが勝手に止まる原因は?」)。
この記事は、2026年10月4日時点で確認した、エアコンメーカー(ダイキン工業・パナソニック)と製品評価技術基盤機構(NITE)の公式の案内をもとにまとめています。ランプの意味や細かい操作は機種で違うので、お使いの機種の取扱説明書がいちばんの手がかりです。
今日やること3つ
今日やることは、次の3つです。
- リモコンの運転モードが「暖房」になっているかを見る
- 室内機のエアフィルターのほこりを見る
- 室外機のまわりに、物や草がないかを見る
まず見分ける3つの症状|風が出ない・止まる・ランプが点滅
「暖房が効かない」と言っても、いくつかの形があります。どれに近いかで、見る場所が変わります。

つけてしばらく、暖かい風が出ない
運転を始めてすぐに風が出ないのは、多くの場合ふつうの動きです。ダイキンの案内では、冷たい風が出ないように暖めてから風を出すため、すぐに風が出ないことがあります。しばらく待って暖かい風が出れば、そのまま使ってかまいません(ダイキン工業)。
途中で止まって、また動き出す
使っている途中で暖かい風が止まるときは、次のような理由が考えられます。
- 霜取り運転:室外機についた霜を溶かしているあいだは、暖かい風が止まります。くわしくは次の章で説明します。
- 設定温度に届いた:ダイキンによると、部屋の温度が設定温度に届くと、暖めすぎを防ぐために暖かい風が出なくなります。設定温度を上げて暖かい風が出れば正常です。
- 少し休んでいる:パナソニックは、部屋の温度が設定に近づいたときなどに約5分間運転を止めることがあり、風が出たり止まったりをくり返しても故障ではないと案内しています。
- フィルターの自動おそうじ:パナソニックによると、お掃除機能のある機種は、一定の時間を超えて続けて運転すると、運転を中断してフィルターおそうじ運転をします。
運転ランプが点滅して動かない
ランプの意味は、メーカーで違います。パナソニックは、霜取り運転のあいだは運転ランプが点滅して暖房が止まり、終わると点灯に変わって暖房を再開すると説明しています(パナソニック)。
一方でダイキンは、「運転ランプが点滅して運転しない」ときや、時間がたつとまた暖まらなくなるときは、不具合の可能性があるとしています。点滅していたら、まずその様子をメモし、取扱説明書でお使いの機種の意味を確かめてください。
霜取り運転とは|止まっても故障ではないことが多い
冬にエアコンが止まる理由として、ダイキンとパナソニックがそろって案内しているのが霜取り運転です。

しくみ
暖房のときは、冷房のときと反対の運転になります。ダイキンによると、室外機からは冷たい風が出ていて、外の温度が低いときは室外機に霜がつきます。霜がつくと暖房する力が弱くなるので、それを防ぐために霜を溶かす運転をします。
パナソニックの説明では、霜がつくほど室外機の空気の吸い込み口がふさがれ、暖房の効率が悪くなります。そこで霜取り運転のあいだは、一時的に暖房を止めて、室内機の熱を室外機に送っています。
止まる時間の目安
止まる時間の目安は、メーカーの案内で少し違います。
- ダイキン:霜取り運転中は約3~10分、暖かい風が出なくなる
- パナソニック:最長で12分程度かかることがあるが、故障ではない
どちらも「しばらく待って暖房が戻れば正常」という考え方です。待っても戻らないときは、後の「手順6〜7」に進みます。
霜がつきやすい天気
パナソニックによると、霜がいちばんつきやすいのは、気温が5.5からマイナス7℃の間で、湿度が高いときです。北海道や東北などの寒い地域に限らず、日本全国どこでも起こり得ます。気温がマイナス15℃以下では、空気が乾いているので霜はつきにくくなります(パナソニック)。
霜取り運転が多いときの工夫
ダイキンは、霜取り運転の回数がいつもより多いときや時間が長いときは、暖房の設定温度を1~2℃下げて運転してみるよう案内しています。エアコンの力を抑えると、霜のつく量が減り、霜取り運転の回数や時間を減らせる可能性があるためです。パナソニックも、頻繁に霜取り運転が起きるなら設定温度を1~2℃ほど低くし、目安は18~22℃としています。
手順1〜3|リモコンの設定を確かめる
まずは、いちばん手軽なリモコンから見ます。

手順1|運転モードが「暖房」になっているか
ダイキンの案内では、運転モードが「冷房」「ドライ」「自動」「送風」になっていないかを確かめ、「暖房」に変えて暖かい風が出るかを試すよう書かれています(ダイキン工業)。夏に冷房で使ったまま、モードを変えていないことがあります。
手順2|設定温度・風量・風向を見直す
次の3つを見ます。
- 設定温度:部屋の温度が設定温度に届いていると、暖かい風は出ません。設定温度を上げて、暖かい風が出るかを試します。
- 風量:「微」や「弱」だと、部屋全体が暖まりにくくなります。ダイキンは「自動」か「強」で試すよう案内しています。
- 風向:暖かい空気は上にたまりやすく、天井のあたりだけが暖まって、床の方は温度が上がりにくくなります。風向は「自動」か「下向き」で試します。
手順3|リモコンの電池を替えてみる
リモコンで電源を入れたり切ったりできないときは、電池切れを疑います。パナソニックの記事では、専門家が「まずは電池切れを疑い、新しい電池に替えて試してみましょう」と話しています(パナソニック「エアコンの効きが悪い? そう思ったときはココをチェック」)。
手順4〜5|フィルターと室外機のまわりを確かめる
リモコンで直らないときは、空気の通り道を見ます。

手順4|エアフィルターのほこりを取る
ダイキンによると、エアフィルターにほこりがつくと室内機に空気を取り込みにくくなり、風が弱くなって部屋全体が暖まりにくくなります。
パナソニックは、フィルターが目詰まりすると暖房の効率が悪くなり、霜取り運転も起こりやすくなると説明しています。お手入れは、掃除機でほこりを吸い、それでも落ちないときは薄めた中性洗剤で洗い、陰干しでしっかり乾かします。毎日使うなら、2週間に1回が目安です(パナソニック)。
フィルターを外すときは、まず運転を止めます。高い所の作業になるので、ふらつく台には乗らないでください。手が届きにくいときは、家族に頼むのも一つの方法です。
手順5|室外機のまわりの物・草・雪を取り除く
室外機の空気の通り道をふさぐと、暖房の効果が弱くなります。ダイキンは、室外機のまわりに物があるときは取り除くよう案内しています。
パナソニックの記事では、植木鉢やバケツを近くに置いているなら別の場所に移すこと、戸建てでは生い茂った草にも注意することが挙げられています。室外機を隠すカバーは、製品によっては熱のやりとりを妨げるので、メーカーの純正部材を使うと安心だとしています(パナソニック)。
雪が多い地域では、室外機が雪に埋もれないようにします。パナソニックは、置台で雪に埋もれない高さまで上げたり、防雪部材を付けたりする方法を紹介しています。
NITE(製品評価技術基盤機構)も、室外機の上や前後に物を置いていないかを確かめるよう呼びかけています。例として、水の入ったペットボトル、段ボール・新聞・雑誌・ごみ、灰皿置き場としての使い方が挙がっています。NITEに通知があった2021年度から2025年度の5年間のエアコンに関係する事故は345件で、調査が終わった252件のうち約6割(152件)は外からの延焼など「製品に起因しない」事故でした(NITE「ひと手間で!事故も熱中症も未然防止!」(令和8年5月28日))。
手順6〜7|リセットしても直らなければ修理を頼む
ここまでで直らないときは、電源を入れ直してから、修理の相談に進みます。

手順6|電源を入れ直す(リセット)
ダイキンが案内しているリセットの方法は、次の4つです(ダイキン工業)。
- エアコンの運転を止める
- 電源プラグを抜くか、エアコン専用のブレーカーを切って、1分ほど待つ
- 電源プラグを差し直すか、ブレーカーを入れる
- もう一度、エアコンを運転する
エアコン専用のブレーカーは、分電盤の中にあります。分電盤は台所や洗面所にあることが多いそうです。場所がわからないときは、工務店・電気店・管理会社などの設置業者に確かめます。
気をつけたいのは、メインブレーカーです。ダイキンは、メインブレーカーを切ると、家のすべての電源が切れると注意しています。冷蔵庫など、ほかの家電まで止めないようにしましょう。
手順7|症状をメモして、販売店かメーカーに頼む
ダイキンは、ここまで試しても直らないときは、買った販売店かメーカーに点検・修理を頼むよう案内しています。電話の前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。
- 室内機の型番(取扱説明書や本体のラベルで確かめる)
- 買った年のおおよそ
- いつから、どんなふうに暖まらないか
- 運転ランプが点滅しているか、点滅しているならどのランプか
- ここまでに試したこと(モード、フィルター、室外機、リセット)
取り付けや取り外し、修理は自分でしません。NITEは、エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事や作業は、販売店やメーカーに相談し、専門の知識や資格を持つ業者に頼むよう呼びかけています(NITE)。
修理するか買い替えるかで迷うときは、パナソニックの記事にあるように、使っているエアコンのメーカーのお客様相談室に相談する方法もあります。
部屋が暖まりにくいときの工夫|風の向き・窓・湿度
エアコンが正常に動いていても、部屋の条件で暖まりにくいことがあります。
暖かい空気を下に回す
ダイキンは、暖房中は暖かい空気が部屋の上にたまるので、風向を下向きにしたり、サーキュレーターや扇風機で空気を回したりすると、効率よく暖められると案内しています。パナソニックは、冬はサーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、上向きに風を送ると、天井付近にたまった暖かい空気が回りやすくなるとしています。人に風が当たると寒く感じるので、向きも調整します。
風の通り道と、すきま風を見直す
ダイキンは、次の点も確かめるよう案内しています。
- 吹出口や上の吸込口が、カーテンや家具でふさがっていないか
- 部屋の真ん中を、カーテンや家具でさえぎっていないか
- ドアや窓が開いていないか、換気扇が回っていないか
パナソニックによると、部屋の熱は窓から逃げていきます。断熱シートや断熱カーテンを使い、カーテンを床まで届く長さにすると、すきまから入る冷たい空気を抑えられます。
湿度を上げて、暖かく感じやすくする
パナソニックは、体感温度は湿度が高いほど上がり、低いほど下がると説明しています。冬は加湿を心がけると、乾燥を防ぐだけでなく暖かく感じられるとしています。
電気ストーブなどを一緒に使うときの注意
足元が寒くて電気ストーブを一緒に使うときは、置き方に注意します。NITEによると、2020年から2024年までの5年間に通知があった主な暖房器具の事故は596件で、電気と石油のストーブ・ファンヒーターの事故が約8割を占めました。事故は11月頃から大きく増え、12月がピークです(NITE「ストーブとの程よい距離感が大切です」(令和7年10月30日))。
NITEは、電源コードや電源プラグが変形・破損していないか、たこ足配線になっていないかを確かめること、壁や燃えやすい物との距離を取り、洗濯物を乾かさないことを呼びかけています。
寒くなる前に試運転を|使い始めに気づく不調
パナソニックの記事では、エアコンの不調は使い始める時期になってようやく気づくことも多いので、本格的なシーズンになる前に試運転をしておくとよいと話しています(パナソニック)。
試運転では、次のことを見ておくと安心です。
- 運転モードを「暖房」にして、しばらく待つと暖かい風が出るか
- 運転ランプが点滅していないか
- フィルターにほこりがたまっていないか
- 室外機のまわりに物や草がないか
暖房の効き具合は、部屋の広さとも関係します。パナソニックの記事によると、カタログの「〇畳用」という目安は冷房時と暖房時で差があり、暖房時の方が畳数の目安が小さくなります。引っ越しや部屋の模様替えのあとで効きが悪くなったときは、暖房時の目安で合っているかも確かめましょう。
AIに手伝ってもらう|メモと問い合わせ文
AI(人工知能)のChatGPTなどは、確かめる順番を整理したり、問い合わせのメモを作ったりするのが得意です。
AIに任せてよいこと
- 取扱説明書の言葉を、やさしい言い方に直してもらう
- 確かめることを、短い一覧にしてもらう
- 修理の電話で伝えることを、メモの形にしてもらう
そのまま使える相談文
相談文1は、自分で確かめる順番を聞くときに使います。
エアコンの暖房で、暖かい風が出ません。リモコンの表示は「暖房」「22℃」です。自分で確かめてよいことを、70代にもわかる言葉で5つ以内にまとめてください。分解や修理の方法は書かないでください。
相談文2は、取扱説明書の言葉をやさしく直してもらうときに使います。
次の文章は、エアコンの取扱説明書の「霜取り運転」の説明です。むずかしい言葉を使わずに、3行で言い直してください。(ここに説明書の文章を写して貼る)
相談文3は、修理を頼む電話のメモを作るときに使います。
エアコンの修理を頼む電話で伝えることを、メモの形にしてください。型番は〇〇、買ったのは〇〇年ごろ、症状は「暖房をつけても暖かい風が出ない」、運転ランプは「点滅している」、試したことは「モードの確認、フィルターの掃除、リセット」です。
相談文4は、離れて暮らすご家族が電話で伝えるときに使います。
離れて暮らす母に、電話でエアコンのリモコンの設定を確かめてもらいたいです。運転モード、設定温度、風量、風向の見方を、一つずつ順番に伝える言い方を考えてください。
AIに任せてはいけないこと
- 分解や部品の交換の方法を聞いて、そのとおりに作業すること
- 「故障かどうか」の最終判断。ランプの意味は機種で違うので、取扱説明書かメーカーで確かめます
- 型番や住所、電話番号など、必要以上の個人情報を入れること
離れて暮らす家族ができること
暖房の不調は、寒くなってから気づくと困ります。離れて暮らすご家族ができることをまとめます。
電話で確かめること
- リモコンの運転モードが「暖房」になっているか
- 暖かい風がしばらく待っても出ないのか、途中で止まってまた動くのか
- 運転ランプが点滅しているか
- 室外機のまわりに物を置いていないか
途中で止まってまた動くなら、霜取り運転の可能性があります。「しばらく待ってみて」と伝えるだけで安心できることもあります。
帰省したときにやること
- エアフィルターのほこりを取る(高い所の作業は家族が代わる)
- 室外機のまわりの物や草を片づける
- 室内機の型番と、エアコン専用のブレーカーの場所を、紙に書いて分電盤の近くに貼る
- 寒くなる前に、いっしょに試運転をする
よくある質問
Q. 暖房をつけて数分たっても風が出ません。故障ですか?
A. 故障とは限りません。ダイキンによると、冷たい風が出ないように暖めてから風を出すため、すぐに風が出ないことがあります。しばらく待って暖かい風が出れば、そのまま使えます。
Q. 霜取り運転は、どのくらいで終わりますか?
A. ダイキンは約3~10分、パナソニックは最長で12分程度かかることがあると案内しています。機種によって違うので、取扱説明書でも確かめてください。
Q. 霜取り運転を少なくする方法はありますか?
A. ダイキンとパナソニックは、設定温度を1~2℃下げることを挙げています。パナソニックは、フィルターの掃除や、雪の多い地域で室外機が雪に埋もれないようにすることも紹介しています。
Q. 運転ランプが点滅しています。どうすればよいですか?
A. ランプの意味はメーカーで違います。パナソニックは霜取り運転中に運転ランプが点滅すると説明し、ダイキンは点滅して運転しないときは不具合の可能性があるとしています。様子をメモして取扱説明書で確かめ、直らなければ販売店かメーカーに相談してください。
Q. 室外機にカバーをかけてもよいですか?
A. パナソニックの記事では、室外機を隠すカバーは製品によっては熱のやりとりを妨げる要因になるので、メーカーの純正部材を使うと安心だとしています。
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参考・出典
- ダイキン工業「暖まらない、暖かい風がでない(ルームエアコン)|よくあるご質問」(2026年10月4日確認)
- パナソニック「冬の暖房時、エアコンが勝手に止まる原因は? 霜取り運転について解説」(2026年10月4日確認)
- パナソニック「エアコンの効きが悪い? そう思ったときはココをチェック」(2026年10月4日確認)
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「ひと手間で!事故も熱中症も未然防止!~本格的な暑さの前に、エアコンの使用環境の確認と試運転を~」(令和8年5月28日)
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「ストーブとの程よい距離感が大切です~『電気』『石油』暖房器具の事故を防ぐ4+1のポイント~」(令和7年10月30日)