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【2026年10月】在職定時改定とは|働く人の年金が12月に増える7手順

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【2026年10月】在職定時改定とは|働く人の年金が12月に増える7手順

この記事の要点

在職定時改定は、厚生年金に入りながら老齢厚生年金を受けている65歳以上70歳未満の人の年金額を、毎年見直すしくみです。基準日の9月1日に厚生年金に加入していると、前年9月から当年8月までの加入期間を反映して、年金額が10月分(12月受取分)から改定されます(日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」)。

この記事は、2026年10月14日に日本年金機構、厚生労働省、e-Gov法令検索のページで確かめた内容です。

今すぐやること3つ

  1. 9月1日に、勤め先で厚生年金に加入していたかを確かめます(手順1・手順2)。
  2. 12月15日の振込の額を、10月15日の振込の額と見くらべます(手順4)。
  3. 「年金決定通知書・支給額変更通知書」が届いたら、決定・変更理由の欄を見ます(手順5)。

在職定時改定とは|基準日は毎年9月1日、10月分から見直す

在職定時改定は、働きながら年金を受けている人の年金額に、働いた分を毎年反映させるしくみです。

左から右へ「前年9月から当年8月まで」「基準日(9月1日)」「10月分から改定」「12月受取分」の4つの箱が矢印でつながり、1つ目の箱の下に「厚生年金の加入期間を追加」、2つ目の箱の下に「年金額を計算し直します」の札がある図
図解1|前年9月から当年8月までの厚生年金の加入期間を追加し、基準日(9月1日)に年金額を計算し直す。新しい額は10月分から改定され、12月受取分から受け取る

令和4年4月に始まった

日本年金機構は、令和4年3月までは、65歳以降に厚生年金に加入した期間は、退職した時か70歳になった時にだけ年金額に反映されていたとしています。令和4年4月から、在職中でも年金額を毎年10月分から改定する制度が導入されました(日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」)。厚生労働省も、年金を受給しながら働く65歳以上の人は、在職中も毎年1回、10月に年金額が改定されるとしています(厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第10 在職老齢年金・在職定時改定」)。

前年9月から当年8月までの分を足す

基準日(9月1日)に厚生年金に加入している人は、前年9月から当年8月までの厚生年金の加入期間を追加して、年金額を計算し直します。新しい額は10月分から改定され、10月分は12月に受け取ります。日本年金機構は、これを「10月分(12月受取分)」と書いています(日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」)。

法律で決まっている

厚生年金保険法の第43条第2項は、受給権者が毎年9月1日(基準日)に被保険者である場合は、基準日の属する月の前までの被保険者期間を計算の基礎として、基準日の属する月の翌月から年金の額を改定すると定めています(e-Gov法令検索「厚生年金保険法」)。基準日は毎年9月1日です。

手順1|対象かを確かめる(65歳以上70歳未満・厚生年金に加入)

在職定時改定の対象は、65歳以上70歳未満の人に限られます(日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」)。老齢厚生年金を受けている人で、9月1日に厚生年金に加入していることが条件です(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

左に「65歳以上70歳未満」「老齢厚生年金を受けている」「9月1日に厚生年金に加入」の3つの札が縦に並び、矢印で右の「在職定時改定の対象」の箱へ進み、図の下に「65歳未満は対象外」「70歳以上は対象外」の2つの灰色の札がある図
図解2|65歳以上70歳未満で、老齢厚生年金を受けていて、9月1日に厚生年金に加入している人が在職定時改定の対象。65歳未満と70歳以上は対象外

当てはまるかを表で見る

人 在職定時改定
65歳以上70歳未満で、老齢厚生年金を受けている。9月1日に厚生年金に加入している 在職定時改定の対象
65歳未満(年金を繰上げて受け取っている人も) 65歳未満は対象外
70歳以上 70歳以上は対象外(厚生年金に加入していないため)

65歳未満の人

日本年金機構は、65歳未満の人は、繰上げ受給をしていても在職定時改定の対象にならないとしています(日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」)。

70歳以上の人

70歳以上の期間は、厚生年金に加入していないため、年金額の計算し直しには反映されません(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

手順2|9月1日に厚生年金に加入していたかを確かめる

在職定時改定は、基準日の9月1日に厚生年金の被保険者であるかで決まります(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

9月1日に入社した時

厚生年金保険法は、基準日に被保険者の資格を取得した場合を、在職定時改定から除いています(e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第43条第2項)。9月1日に入社して厚生年金に加入した人は、その年の在職定時改定の対象になりません。

9月1日をはさんで、勤め先が変わった時

9月1日の前に厚生年金の資格を失い、9月1日をはさんで1月がたつ前に、また資格を取った時は、9月1日に被保険者でなくても、在職定時改定として年金額が計算し直されます。日本年金機構は、8月25日に資格を失い、9月3日に資格を取った例をあげています(日本年金機構・同上)。

勤め先に聞く

9月1日に厚生年金に加入していたかがわからない時は、勤め先の担当者に聞きます。8月や9月に入社・退職した人は、その日付もあわせて確かめます。

手順3|増える額の目安を知る(1年ごとに約1.3万円の例)

増える額は、働いた期間と給与によって人ごとに違います。日本年金機構は、目安として次の例をあげています(日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」)。

左下から右上へ上がる道に「65歳」「毎年10月に再計算」「1年ごとに約1.3万円(年額)増額」「70歳到達時」の4つの点が並び、道の左下に「給与月額20万円の例」、3つ目の点の下に「経過的加算」の札がある図
図解3|給与月額20万円の例(日本年金機構)。65歳から厚生年金に加入し続けると毎年10月に再計算され、1年ごとに約1.3万円(年額)増額し、70歳到達時に再計算。加入期間が480月に満たない人は経過的加算も加算

給与月額20万円の例

  • 65歳まで給与月額20万円で厚生年金に加入していた人が、65歳から70歳まで、続けて給与月額20万円で加入した例です。
  • 厚生年金に加入し続けると、毎年10月に再計算されます。
  • 1年間の在職で、1年ごとに約1.3万円(年額)増額します。
  • 70歳到達時に、それまでの加入期間を反映して、年金額が再計算されます。

この例は、65歳までの平均標準報酬月額と平均標準報酬額が20万円の人を想定しています。厚生年金の加入期間が480月(40年)に満たない人は、さらに経過的加算が加算されます(日本年金機構・同上)。

自分の額を知るには

日本年金機構は、将来受け取る老齢年金の見込額を試算するには、ねんきんネットを使うよう案内しています(日本年金機構・同上)。年金事務所や街角の年金相談センターでも相談できます(同上)。

手順4|12月15日の振込で確かめる

年金は2カ月分ずつ受け取る

年金は、原則として偶数月の15日に、前月までの2カ月分が支払われます。15日が土日か祝日の時は、その前の平日に支払われます(日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」)。

左に「10月15日の振込」「8月・9月分」「改定前の額」が縦に並ぶ灰色の列、右に「12月15日の振込」「10月・11月分」「改定後の額」が縦に並ぶ列があり、左の列から右の列へ太い矢印が向く図
図解4|10月15日の振込は8月・9月分で、まだ改定前の額。12月15日の振込は10月・11月分で、改定後の額
支払月 支払われる分
10月 8月、9月分
12月 10月、11月分

(日本年金機構・同上から、10月と12月だけを抜き出しました)

10月15日と12月15日をくらべる

10月15日の振込は、8月・9月分なので、まだ改定前の額です。12月15日の振込は、10月・11月分なので、改定後の額になります(日本年金機構・同上)。2026年の年金の支払日は、10月15日(木)と12月15日(火)です(日本年金機構「主な行事・通知書発送の年間予定表」)。

天引きの額でも、振込額は変わる

振り込まれる額は、年金の額から、介護保険料や後期高齢者医療保険料、所得税、住民税などを差し引いた額です。日本年金機構は、振込額に変更があった時は、その都度「年金振込通知書」で知らせるとしています(日本年金機構「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」)。介護保険料の天引きの額が変わる理由は、65歳以上の介護保険料はいくら|10月に変わるで説明しています。

手順5|「年金決定通知書・支給額変更通知書」の理由を読む

「年金決定通知書・支給額変更通知書」は、年金の受け取り額(年額)が変わった時に、変わった後の年金の情報を知らせる通知書です(日本年金機構「年金決定通知書・支給額変更通知書」)。

3か所を見る

  1. 「年金額」の欄:変わった後の年金額です。
  2. 「基本となる年金額等」の欄:「基礎となる年金額(年額)(円)」の欄が2段以上書かれている時は、一番下の段の金額が最新の年金額です。
  3. 「決定・変更理由」の欄:年金額が変わった理由です。

(日本年金機構・同上)

在職定時改定の時の理由

日本年金機構は、決定・変更理由の文言の1つとして、次の文をあげています(日本年金機構・同上)。

基準日(9月1日)において厚生年金保険の被保険者であること等により、基準日の前月までの被保険者期間を追加して年金額の再計算を行い、年金額を変更しました。(在職定時改定)

ほかの理由が書かれている時

日本年金機構は、ほかにも次のような理由をあげています(日本年金機構・同上)。

  • 勤務先からの届出で、標準報酬月額(標準的な給与の額)が変わったため、年金の支給停止額を変えた
  • 勤務先から賞与(ボーナスなど)が支払われ、最近1年間の賞与の平均額が変わったため、支給停止額を変えた
  • 厚生年金保険の加入者でなくなったため、これまでの加入期間を追加して年金額を計算し直した

給与や賞与が変わった時は、手順6の在職老齢年金で止まる額が変わります。

手順6|在職老齢年金で止まる額を確かめる(65万円)

厚生年金に加入して働きながら年金を受けている人は、給与と年金の額によって、年金の一部が止まることがあります。これを在職老齢年金といいます(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

上に「基本月額」と「総報酬月額相当額」の2つの箱が並び、下へ矢印が向いて左右に分かれ、左の「合計が65万円以下」から「全額支給」へ、右の「合計が65万円を超える」から「超えた額の2分の1が支給停止」へつながり、図の一番下に「老齢基礎年金は全額支給」の帯がある図
図解5|基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら全額支給、65万円を超えると超えた額の2分の1が支給停止。老齢基礎年金は全額支給(令和8年度の基準額)

65万円の計算のしかた

日本年金機構は、次のように計算するとしています(日本年金機構・同上)。

  • 基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら、全額支給です。
  • 合計が65万円を超える時は、超えた額の2分の1が支給停止になります。式は「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-65万円)÷2」です。
  • 基本月額は、加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額です。
  • 総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額と、その月以前1年間の標準賞与額の合計を12で割った額を足したものです。
  • 老齢基礎年金は全額支給です。経過的加算額も全額支給です。

65万円は令和8年度の基準額で、毎年度、賃金の変動に応じて改定されます(日本年金機構・同上)。

日本年金機構の例

  • 給与24万円(月額)、賞与42万円(年間)、老齢厚生年金10万円(月額)の人は、合計が1月あたり37.5万円で65万円以下のため、年金を全額受け取れます。
  • 給与41万円(月額)、賞与144万円(年間)、老齢厚生年金15万円(月額)の人は、合計が1月あたり68万円で、65万円を3万円超えます。3万円の2分の1の1.5万円が支給停止になります。

(日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」)

在職定時改定で、止まる額が変わることも

日本年金機構は、年金額が計算し直された結果、支給停止額が変わる場合があるとしています(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。12月の振込が思ったより増えていない時は、通知書の理由の欄と一緒に見ます。

手順7|辞めた時・70歳になった時と、加給年金の手続き

会社を辞めた時(退職改定)

厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている70歳未満の人が、退職して厚生年金に加入しないまま1カ月がたった時は、退職した翌月分から年金額が見直されます。これを「退職改定」といいます。年金の一部または全部の支給停止がなくなり、全額支給されます(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金に加入した時(転職など)は、年金額の計算し直しは行われません(日本年金機構・同上)。

70歳になった時

厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている70歳未満の人が70歳になった時は、70歳になった翌月分から年金額が見直されます(日本年金機構・同上)。

加入期間が20年以上になった時は、手続きが要る

在職定時改定や退職改定で、厚生年金の加入期間が20年以上になると、加給年金額や振替加算が支給(または停止)される場合があります(日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」)。日本年金機構は、加給年金や振替加算が支給される時は、別途、手続きが必要としています(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。配偶者がいる人は、年金事務所に確かめます。

AIに聞くときは、番号と名前を伏せる

年金の通知書は、言葉がかたくて読みにくいことがあります。ChatGPTなどのAI(人工知能)に、日本年金機構の説明の文をはり付けて、やさしい言葉にしてもらう使い方ができます。

聞き方の例

これは日本年金機構の「在職定時改定」の説明です。
(ここに説明の文をはり付ける)
67歳で働いている父と、離れて暮らす子どもが読むことを考えて、
いつから、どの振込で年金が変わるのかを、短い箇条書きにしてください。
「年金決定通知書・支給額変更通知書」の決定・変更理由の欄について、
年金事務所に電話で聞きたいことを3つ、ていねいな言葉でまとめてください。

AIの答えは、日本年金機構のページと見くらべてから使います。年金がいくら増えるか、止まる額がいくらかは、AIに決めてもらわず、年金事務所で確かめます。日本年金機構は、年金の相談を電話(コールセンター)、全国の年金事務所、街角の年金相談センターの窓口などで受けています(日本年金機構「60歳以降も引き続き勤めます。勤めていても年金は受けられますか。」)。

AIに送らないもの

氏名、住所、生年月日、基礎年金番号、マイナンバー、通知書や通帳の写真は、AIに送りません。

離れて暮らす家族ができること

よくある質問

Q. 在職定時改定を受けるのに、自分で何か出す必要がありますか?

在職定時改定は、9月1日に厚生年金の被保険者であることで、翌月から年金の額が改定されるしくみです(e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第43条第2項、日本年金機構)。ただし、加入期間が20年以上になって加給年金や振替加算が支給される時は、別途、手続きが必要です(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

Q. 10月15日の振込が、増えていません。

10月15日の振込は8月・9月分なので、まだ改定前の額です。改定は10月分からなので、12月15日の振込から変わります(日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」、日本年金機構)。

Q. 70歳を過ぎても働いています。年金は増えますか?

70歳以上の期間は、厚生年金に加入していないため、年金額の計算し直しには反映されません。平成19年4月以降に70歳になった人が、70歳以降も厚生年金の適用事業所で働いている時は、厚生年金の被保険者ではありませんが、在職による支給停止は行われます(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。

Q. 64歳です。年金を繰上げて受け取りながら働いています。

65歳未満の人は、繰上げ受給をしていても在職定時改定の対象になりません(日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」)。

Q. 12月の振込が、思ったより増えていません。

在職定時改定で年金額が計算し直された結果、在職老齢年金で止まる額が変わる場合があります(日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」)。介護保険料や住民税などの天引きの額でも、振込額は変わります(日本年金機構「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」)。通知書を見ても分からない時は、年金事務所に確かめます。

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参考・出典

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