シニア向け解説

【2026年8月】終戦の日81年|家族の戦争体験をAIで記録する7ステップ

約9分で読めます
【2026年8月】終戦の日81年|家族の戦争体験をAIで記録する7ステップ

まず結論:2026年8月15日で、終戦から81年になります。実際に戦争を体験した世代のお話を直接聞ける機会は、年々少なくなっています。ChatGPTなどのAI(人工知能)を使えば、話を引き出す質問づくり、録音した内容の文字起こし、読みやすい文章への整理を、無理なく進めることができます。専門知識がなくても、スマホひとつで今日から始められます。

  • 要点1:終戦81年を迎える2026年、戦前生まれの世代は年々減っています。「今のうちに聞いておく」ことが何より大切な時期です
  • 要点2:スマホの録音・文字起こしアプリとChatGPTを組み合わせれば、話を聞く・記録する・文章にまとめる、という一連の作業がぐっと楽になります
  • 要点3:神奈川県は戦争体験を伝える「AI語り部」システムを開発し、実際に運用しています。家庭でも同じ発想を無理のない範囲で取り入れられます

この記事の対象:ご自身の戦争体験・戦後の記憶を残しておきたい方、離れて暮らす親や祖父母の話を今のうちに聞いておきたい子・孫世代の方。今日やることは「話を聞いてみたい相手を1人思い浮かべ、この記事の質問リストをそのまま使ってみる」。これだけです。

「そういえば、おじいちゃんの若い頃の話、ちゃんと聞いたことがなかったな」——終戦記念日が近づくと、そんなふうに感じる方は少なくないのではないでしょうか。戦争を直接体験した世代のお話は、教科書やニュースでは伝わらないリアリティを持っています。しかし、その世代の方々は年々高齢になり、直接お話を伺える時間には限りがあります。

実は、こうした「話を記録に残す」作業は、AIが得意とする場面のひとつです。何を聞けばいいかわからないときは質問リストを一緒に作ってもらい、録音した話は文字起こしアプリで文章にし、読みやすい形にChatGPTと一緒に整えることができます。つらい記憶を無理に聞き出す必要はありません。ご本人のペースを大切にしながら、話せる範囲で少しずつ記録していく——それだけで、家族にとって大切な財産になります。

この記事では、終戦81年を迎える2026年の8月に、ご本人やご家族の戦争体験・平和への想いを、AIの力を借りながら記録し、次の世代に残していく方法を7つのステップで紹介します。

まず全体像|7ステップと時間の目安

すべてを一度にやり遂げる必要はありません。負担にならない範囲で、少しずつ進めましょう。

ステップ やること 時間の目安
1 なぜ今、記録しておくとよいのかを知る 5分
2 何を記録するかを整理する 5分
3 話を引き出す質問リストをAIに作ってもらう 10分
4 スマホの録音・文字起こしアプリで記録する 15分〜
5 写真や資料と一緒に整理する 15分
6 ChatGPTと一緒に読みやすい文章にまとめる 15分
7 家族と共有し、残し方を選ぶ 10分

ステップ1:なぜ今、記録しておくとよいのか

終戦から81年の8月15日

2026年8月15日は、終戦から81年目にあたります。この日、国は日本武道館で「全国戦没者追悼式」を開き、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、午前11時51分から式典が始まり、正午から1分間の黙とうが行われます。厚生労働省は、全国の都道府県庁・市区役所・町村役場・寺院などでも、鐘やサイレン、チャイムを鳴らして黙とうを呼びかけると案内しています(厚生労働省「全国戦没者追悼式の開催」)。

戦前生まれの世代は減っている

一方で、戦前生まれにあたる世代の人口は、年々減少しています。地域紙の報道によれば、横浜市では2026年1月1日時点で81歳以上(戦前生まれ)の人口が約31万5,602人で、全体の約8.4%にあたり、前年から約2万7千人減少したと伝えられています(タウンニュース都筑区版 2026年8月13日)。これは一自治体の集計ですが、全国的にも同じ傾向にあることは容易に想像できます。

まずAIに理由を整理してもらう

「まだ元気だから、いつでも聞ける」と思っていても、話をゆっくり伺える機会は限られています。まずはAIに、なぜ今のうちに記録しておくとよいのか、自分の言葉で整理してもらいましょう。

終戦から81年が経ち、戦争を体験した世代の方から直接お話を伺える機会が
減っていると聞きました。
・なぜ今のうちに家族の記憶を記録しておくとよいのか、理由を3つ教えてください
・無理に聞き出すのではなく、本人の気持ちを大切にした聞き方のコツも
 教えてください

ステップ2:何を記録するかを整理する

「戦争体験」と一口に言っても、内容は人によってさまざまです。以下のように、記録したい内容をあらかじめ整理しておくと、話を聞くときも文章にまとめるときも進めやすくなります。

記録の種類 具体例
本人が体験したこと 疎開・空襲・食べ物や暮らしの様子・家族との別れと再会など
親や祖父母から聞いた話 本人は戦後生まれでも、親世代から聞いた戦争中・戦後の暮らしの話
戦後の暮らしの記憶 復興していく町の様子、当時の学校生活、家族で助け合った思い出
平和への想い 体験を踏まえて、孫やひ孫の世代に伝えたいメッセージ

すべてを網羅する必要はありません。「今日はこのテーマだけ」と決めて、無理のない範囲で一つずつ記録していくのがおすすめです。

ステップ3:話を引き出す質問リストをAIに作ってもらう

いざ話を聞こうとすると、「何から聞けばいいのか」で手が止まってしまうことがよくあります。こんなときこそ、ChatGPTに質問リストを作ってもらいましょう。

戦争を体験した家族に、当時の話をやさしく聞きたいと思っています。
・答えやすい質問から始めて、少しずつ深い話に進む質問リストを10個作ってください
・「戦争そのもの」ではなく「当時の暮らし」から聞き始める質問も
 いくつか混ぜてください
・答えたくなさそうな様子が見えたら、無理に聞かずに話題を変えられるような
 言葉かけの例も添えてください

質問例としては「子どもの頃、好きだった食べ物は何でしたか」「学校ではどんな勉強をしていましたか」といった、答えやすい暮らしの質問から始め、少しずつ本人が話したい範囲に合わせて深めていくのがコツです。つらい記憶に触れそうなときは、「無理に話さなくて大丈夫ですよ」と伝え、本人のペースを最優先にしましょう。

ステップ4:スマホの録音・文字起こしアプリで記録する

話を聞きながらメモを取るのは大変です。スマホの録音機能を使えば、話に集中しながら記録できます。iPhoneなら標準の「ボイスメモ」アプリ、Androidなら無料の「音声文字変換」アプリで、録音と同時に文字起こしまで行えます。具体的な操作手順は、スマホの録音をAIで文字起こしする方法で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

録音を始める前には、必ず「今日のお話を録音してもいいですか」とひと声かけましょう。本人が録音を望まない場合は、無理に記録せず、聞いたことをあとでメモにまとめる方法に切り替えるとよいでしょう。

家族に戦争体験を聞きながら録音したいのですが、
・録音を始める前に確認しておいたほうがよいことを教えてください
・長時間の録音になりそうなときの、休憩の入れ方のコツも教えてください

ステップ5:写真や資料と一緒に整理する

当時の写真や配給通帳、手紙などの資料が残っている場合は、話と一緒に整理しておくと、後から見返したときの理解がぐっと深まります。写真の整理方法は、シニアの写真整理|ChatGPT7工夫で思い出アルバムの手順も参考になります。

資料そのものが古く傷みやすい場合は、原本を無理に触らず、スマホのカメラで撮影してデータとして残しておくと安心です。

古い写真や手紙をスマホで撮影してデータに残そうと思います。
・光の当て方や撮り方で、文字や写真が読み取りやすくなる撮影のコツを
 教えてください
・撮影したデータをテーマごと(人物・出来事・年代など)に整理する
 フォルダ分けの案も提案してください

ステップ6:ChatGPTと一緒に読みやすい文章にまとめる

録音を文字にしただけでは、話し言葉がそのまま並んでいて読みにくいことがあります。文字起こしした内容をChatGPTに渡し、読みやすい文章に整えてもらいましょう。ここで大切なのは、内容を勝手に変えたり、話していないことを付け加えたりしないよう、必ず本人や家族が最後に読み直して確認することです。

以下は、家族の戦争体験の話を録音して文字にしたものです。
話し言葉のまま読みにくいので、内容を変えずに読みやすい文章に
整えてください。
・事実や言い回しを勝手に変えたり、話していないことを
 付け加えたりしないでください
・見出しをつけて、時系列がわかるように整理してください

(ここに文字起こしした文章を貼り付けます)

個人情報や住所など、公開したくない内容が含まれる場合は、ChatGPTに貼り付ける前に該当箇所を伏せておくと安心です。

ステップ7:家族と共有し、残し方を選ぶ

文章がまとまったら、どのように残すかを決めましょう。代表的な方法には、次のようなものがあります。

残し方 特徴
家族のLINEグループで共有 手軽。すぐに家族全員が読める
印刷して冊子にする 手元に残せる。仏壇や本棚に置いておける
写真と一緒に共有アルバムにまとめる 話と写真をセットで見返せる
音声データそのものを残す 声の記憶そのものが残る。家族写真と同じように大切な記録になる

神奈川県では、戦争体験を語れる方が減っていくことに対応するため、証言映像に音声で質問すると、あらかじめ録画された回答映像が対話のように再生される「戦争体験語り部システム(AI語り部)」を開発し、かながわ平和祈念館などで活用しています(神奈川県公式サイト「戦争体験語り部システム」)。家庭でここまでの仕組みを作る必要はありませんが、「話を記録し、後から何度でも聞き返せる形にする」という考え方は、家庭での記録づくりにもそのまま活かせます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 家族に戦争を体験した人がいない場合、この記事は役に立ちますか?
はい。戦後生まれの方でも、親や祖父母から聞いた戦後の暮らしの記憶、平和への想いを記録することができます。ステップ2の「記録の種類」を参考に、記録したい内容を選んでみてください。

Q2. 本人が話したがらない場合、無理に聞くべきですか?
いいえ。つらい記憶を思い出させてしまう場合もあります。「話したくなければ大丈夫」と伝え、本人が話したいと思ったときに、いつでも記録できる準備をしておくだけでも十分です。

Q3. ChatGPTに音声データをそのまま聞かせることはできますか?
ChatGPTアプリの音声入力機能はリアルタイムの会話向けです。録音済みの音声ファイルを扱う場合は、まずステップ4の文字起こしアプリで文章にしてから、その文章をChatGPTに貼り付けて整理してもらう流れが確実です(2026年8月時点、OpenAI公式ヘルプ)。

Q4. 録音した内容や整理した文章が、AIの学習に使われてしまう心配はありませんか?
サービスやアカウントの設定によって扱いが異なります。個人情報や公開したくない内容を含む場合は、貼り付ける前に該当箇所を伏せる、各サービスの設定画面でデータの利用有無を確認するなど、事前の確認をおすすめします。

Q5. 8月15日正午の黙とうは、自宅にいても参加できますか?
はい。厚生労働省は、全国戦没者追悼式に合わせて、家庭や職場でも正午に黙とうを行うよう呼びかけています(厚生労働省公式サイト)。ご自宅で静かに1分間、黙とうを捧げることができます。

Q6. 神奈川県のAI語り部システムは、誰でも見学できますか?
かながわ平和祈念館での公開状況や利用方法は変更される場合があるため、訪問前に神奈川県公式サイトで最新の案内をご確認ください。

Q7. 記録した内容を、思ったよりも重い作業に感じてしまいます。どうすればいいですか?
一度に全部を終わらせようとせず、1回15分程度、1つのテーマだけを記録する、というペースで十分です。負担に感じたら、いったん中断して、また落ち着いたときに再開しましょう。

まとめ|今日からできる小さな一歩

終戦81年という節目は、家族の記憶を記録に残す、ひとつのきっかけになります。大がかりな準備は必要ありません。まずは話を聞いてみたい相手を1人思い浮かべ、この記事の質問リストをAIに作ってもらうところから始めてみてください。

戦争体験に限らず、ご自身の人生をふり返って記録したい方は、シニアの自分史をChatGPTで|思い出を孫に贈る7ステップもあわせてご覧ください。ChatGPTを初めて使う方は、高齢者のためのChatGPT入門|家族と始める安心5ステップから始めると安心です。

今日からできる3つのこと

  1. 話を聞いてみたい家族を1人思い浮かべる
  2. ChatGPTに質問リストを作ってもらう(ステップ3のプロンプトをそのまま使えます)
  3. 録音・文字起こしアプリを1つ、スマホに入れてみる

参照・確認ソース

最終更新日:2026年8月14日


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を行う。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。

家族・法人向けのAI活用も確認できます

シニア向けAI活用を家族や地域で広げる場合は、Uravationの生成AI研修・導入支援や、法人向けAI活用記事もあわせて確認してください。