結論:「何を見ようかな」と迷ったとき、ChatGPT(チャットジーピーティー=AI〔人工知能〕の相談相手)に気分や好みを伝えると、映画やドラマの候補をいくつも挙げてくれます。選ぶ楽しみはご自身に残したまま、見つけるお手伝いだけをしてもらう、そんな付き合い方ができます。
- 要点1:「しんみりした邦画が見たい」のように、気分や条件を話すだけで候補を提案してくれます。
- 要点2:あらすじを短く聞いたり、「これに似た作品」をさがしたりするのも得意です。
- 要点3:見つけた作品を家族やお友だちと話す、共通の話題づくりにもつながります。
対象読者:テレビや動画配信で「次に何を見よう」と迷うことが多いシニアの方と、そのご家族。
今日やること:スマホのChatGPTに「最近見てよかった映画を1本おしえて。私は時代劇が好きです」と、ひとこと話しかけてみましょう。
「録画はたくさんたまっているのに、いざ見ようとすると何を見たらいいか分からない」。こんな声を、よく耳にします。先日、72歳のお母様にスマホの使い方を教えていたとき、まさに同じことをおっしゃっていました。「動画配信に入ったけど、作品が多すぎて、かえって選べないのよ」と。
そこで一緒にChatGPTを開いて、「のんびり見られる、心が温かくなる日本映画を3本おしえて」と話しかけてみました。すると、それぞれの作品の短い紹介つきで候補が返ってきて、「あら、この映画は名前だけ知ってたわ」と、ご本人の表情がぱっと明るくなったんです。
大事なのは、AIはあくまで「見つけるお手伝い役」だということ。最後に「これを見たい」と決めるのは、いつもご自身です。正直に言うと、AIは作品名や配信状況をまちがえることもあります。だからこそ、決めつけずに「相談相手」として使うのがちょうどいいんです。
この記事では、映画やドラマ選びをChatGPTにやさしく手伝ってもらう方法を、実際の会話例(こう打つ→こう返る)をまじえながらご紹介します。スマホひとつで始められますので、どうぞ気楽に読んでみてください。
ChatGPTに映画・ドラマ選びの「どんなこと」を相談できるの?
まずは、ChatGPTにどんな相談ができるのかを知っておきましょう。むずかしく考える必要はありません。お友だちに「何かおすすめない?」と聞くのと、ほとんど同じ感覚で大丈夫です。
主に、次のような相談ができます。
- 気分や好みから作品を提案してもらう:「笑える映画」「泣ける話」「家族で見られる作品」など、その日の気分を伝えるだけで候補が出てきます。
- あらすじをやさしく聞く:気になる作品の内容を、短い言葉で説明してもらえます。「むずかしい話かどうか」を見極めるのに便利です。
- 似た作品をさがす:「昔好きだったあの映画に似たもの」という探し方ができます。
- 俳優や時代から探す:「あの俳優さんが出ている作品」「昭和の名作」といった切り口でも候補をもらえます。
- 家族・お孫さんと見る作品を相談する:年齢のちがう人が一緒に楽しめる作品を提案してもらえます。
ここで一点だけ、正直にお伝えしておきます。ChatGPTは「どこの動画配信で見られるか」「今、放送中かどうか」といった最新の情報は、まちがえることがあります。配信状況や放送予定は、必ずご利用の配信サービスやテレビ欄など、公式の情報で確認してください。AIは「作品との出会い」のきっかけづくりに使う、と考えておくと安心です。
AIへの相談の基本を先に知っておきたい方は、わからないことをChatGPTに聞く|物知り相談相手の使い方もあわせてご覧ください。基本がつかめると、映画選びもぐっと楽になります。

スマホでの始め方|3ステップで相談できます
「アプリを入れたり、設定したりがむずかしそう」と感じる方も多いかもしれません。でも、始め方はとてもシンプルです。ここでは、スマホでChatGPTに話しかけるまでの流れを、順を追ってご説明します。
- ChatGPTのアプリ、または検索を開く:スマホに「ChatGPT」のアプリを入れておくと便利です。お子さんやお孫さんに頼んで、最初だけ入れてもらってもOKです。アプリがなくても、インターネットで「ChatGPT」と検索して使うこともできます。
- 下の入力らんをタップする:画面の下のほうに、文字を打つ場所(入力らん)があります。そこを指でそっと触れると、文字が打てるようになります。
- ふつうの言葉で話しかける:かしこまった言い方は必要ありません。「楽しい映画を1本おしえて」のように、お友だちに話すつもりで打ってみましょう。マイクのマークを押せば、声で話しかけることもできます。
文字を打つのが大変なときは、声で話しかける「音声入力」がおすすめです。やり方は高齢者のためのChatGPT入門|家族と始める安心5ステップでくわしくご紹介しています。指がうまく動かない日でも、声なら気楽に相談できますよ。
うまくいかなくても、あせらなくて大丈夫。最初はお子さん・お孫さん世代に隣についてもらいながら、一緒に試してみるのが、いちばんの近道です。
会話例で見る|気分から作品を提案してもらう
ここからは、実際にどんなふうに相談すればいいのか、会話例(こう打つ→こう返る)でご紹介します。返ってくる言葉は毎回まったく同じではありませんが、だいたいこんな雰囲気だと思ってください。
会話例1:その日の気分から選んでもらう
こう打つ:
今日はのんびりした気分です。心が温かくなる日本の映画を3本、それぞれ一言の紹介つきでおしえてください。作品名がまちがっているといけないので、自信のないものは「うろ覚えです」と書いてください。
こう返る(例):
のんびりした気分にぴったりの、心が温かくなる日本映画を3本ご紹介します。
1. 家族の何気ない日常をていねいに描いた作品。ゆっくりした時間が流れます。
2. 田舎を舞台にした、人と人とのふれあいの物語。
3. 年配の主人公が新しいことに挑戦する、前向きなお話。
※具体的な作品名は記憶があいまいなものもあります。気になったジャンルを教えていただければ、さらにしぼってご提案します。
このように、「気分」を伝えるだけで方向性が決まります。返事の中に気になる言葉があれば、「2番目のような物語をもっと教えて」と続けて聞くと、どんどん好みに近づいていきます。文の最後に「自信のないものは正直に書いて」と添えておくと、AIのまちがいに気づきやすくなり、安心です。
会話例2:あらすじをやさしく聞く
気になる作品があるけれど、「むずかしい内容だったら最後まで見られるかしら」と心配なときは、あらすじを先に聞いておくと安心です。
こう打つ:
気になっている映画があります。話の流れを、結末(けつまつ)はふせたまま、3行くらいでやさしく教えてください。ネタバレはしないでください。
こう返る(例):
結末にはふれずに、おおまかな流れだけお伝えします。
ある町に暮らす主人公が、思いがけない出来事をきっかけに、これまで気づかなかった大切なものに目を向けていく物語です。穏やかな前半から、少しずつ心が動かされる展開になります。安心してご覧いただける作品です。
「ネタバレ(結末を先に明かすこと)はしないで」とひとこと添えるのがコツです。これで、見る前の楽しみを残したまま、内容の雰囲気だけをつかめます。
会話例3:昔好きだった作品から、似たものをさがす
「若いころに好きだった、あの映画みたいな作品が見たい」。そんなときも、ChatGPTが手伝ってくれます。作品名を正確に覚えていなくても大丈夫です。
こう打つ:
昔、人情味のある下町を舞台にした映画が好きでした。タイトルは思い出せませんが、似た雰囲気の作品を、新しいものと古いものを混ぜて何本かおしえてください。
こう返る(例):
人情味のある下町を舞台にした作品がお好きなのですね。似た雰囲気のものを、年代を混ぜていくつかご紹介します。家族や近所の人とのつながりを温かく描いた作品、商店街を舞台にした人間ドラマなどが近いかもしれません。気になる時代(昭和・平成など)があれば、さらにしぼってお探しします。
こうして候補を眺めているうちに、「そういえばこんな作品もあったわね」と、思い出がよみがえることもあります。最後に「どれを見るか」を決めるのは、もちろんご自身です。AIは、その入り口をたくさん用意してくれる役まわりなんです。
家族・お孫さんと「見るもの」を一緒に楽しむ
映画やドラマ選びをChatGPTに手伝ってもらう、いちばんの楽しみ方は、実は「ひとりで完結させない」ことだと思っています。見つけた作品を、家族やお友だちとの話題にしてみてください。
たとえば、お孫さんと電話やビデオ通話をするとき、共通の話題があると会話がはずみます。こんな相談ができます。
こう打つ:
70代の私と、小学生の孫が、一緒に楽しめるアニメ映画を3本おしえてください。怖い場面が少ないものがいいです。
世代のちがう人が一緒に見られる作品を提案してもらえば、「今度これを一緒に見ようね」という約束が、次に会う楽しみになります。孫世代との会話のきっかけづくりについては、シニアのテレビ・ラジオ・動画をChatGPTで楽しむ7つの工夫でも、いろいろなアイデアをご紹介しています。
また、見終わったあとに「感想を短くまとめたい」というときも、ChatGPTが手伝ってくれます。「この映画を見て温かい気持ちになった、と一言で伝えるには」と聞けば、お友だちに送るメッセージの下書きも作れます。話題が広がり、人とのつながりが増えていく。これも、AIを楽しむ大きな魅力のひとつです。
音楽や歌が好きな方は、カラオケの曲をChatGPTに選んでもらう|場面別7パターンもおすすめです。映画と同じように、「気分」から楽しみを見つける感覚がつかめます。
【要注意】楽しく使うための3つの注意点
最後に、安心して長く楽しむために、気をつけたいことをお伝えします。むずかしい話ではありませんので、頭のすみに置いておいてください。
注意1:作品名や配信状況は、必ず公式で確かめる
❌ ChatGPTが言った作品名や「○○で見られます」を、そのまま信じてしまう。
⭕ 気になった作品は、テレビ欄や動画配信サービスの画面など、公式の情報で「本当にあるか」「どこで見られるか」を確かめる。
なぜ大切か:AIは、ときどき作品名をまちがえたり、古い情報を答えたりします。「見られると思って探したのに無かった」とがっかりしないためにも、最後のひと手間として、必ずご自身の目で確かめましょう。
注意2:有料サービスの契約は、内容をよく確認してから
❌ おすすめされた作品を見たくて、よく確かめずに動画配信サービスに申し込む。
⭕ 月々の料金や解約の方法を確認してから、必要なら家族にも相談して申し込む。
なぜ大切か:動画配信サービスには、月ごとに料金がかかるものがあります。ChatGPTは「契約してください」とは言いませんが、見たい作品が見つかると、つい急いで申し込みたくなるものです。料金や解約のしかたは、サービスの公式サイトで確認し、不安なときはお子さん・お孫さん世代に一緒に見てもらいましょう。
注意3:個人情報は入力しない
❌ 名前・住所・電話番号・クレジットカードの番号などを、ChatGPTに打ち込む。
⭕ 相談するのは「好み」や「気分」だけにしておく。
なぜ大切か:映画やドラマの相談に、ご自身の個人情報は必要ありません。氏名や住所、お金にかかわる情報は、AIには話さないようにしてください。「好きなジャンル」を伝えるだけで、じゅうぶん楽しめます。
こうした「AIとの上手な付き合い方」の全体像は、シニアの読書・新聞をChatGPTで楽しむ|要約と感想のコツでも、別の角度からご紹介しています。文章を楽しむ方法も、映画選びと通じるところがあります。
まとめ:今日から始める3つのこと
映画やドラマ選びは、本来とても楽しいもの。でも、選択肢が多すぎると、かえって迷ってしまいますよね。そんなとき、ChatGPTは「いっしょに探してくれる相談相手」になってくれます。選ぶ楽しみはご自身に、見つけるお手伝いはAIに。この役わけが、ちょうどいいんです。
- 今日:スマホのChatGPTに「楽しい気分になれる映画を1本おしえて」と話しかけてみる。
- 今週中:気になった作品の「あらすじ」を、ネタバレなしで聞いてみる。
- 今月中:家族やお孫さんと一緒に見られる作品を相談して、「今度これを見ようね」と約束する。
2026年6月時点では、こうした相談はスマホひとつで、無料の範囲でも始められます。まずは気楽に、ひとことだけ話しかけてみてください。きっと、忘れていた名作との再会や、新しいお気に入りとの出会いが待っています。
次回は、ご自宅で楽しめる「読書」の相談を、ChatGPTでもっと豊かにする方法をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。
よくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPTは、映画の配信先(どこで見られるか)まで正しく教えてくれますか?
配信先や放送予定は、まちがえることがあります。あくまで「作品を見つけるお手伝い」と考え、見られる場所は必ずご利用の動画配信サービスやテレビ欄など、公式の情報で確認してください。
Q2. 作品名を正確に覚えていなくても相談できますか?
はい、できます。「昔見た、下町が舞台の人情ものの映画」のように、雰囲気やあらすじの一部を伝えるだけで、似た作品の候補を挙げてもらえます。思い出すきっかけにもなります。
Q3. ネタバレ(結末を先に知ること)が心配です。大丈夫ですか?
「結末はふせて、3行くらいで教えて」「ネタバレはしないで」と一言添えれば、雰囲気だけを教えてもらえます。見る前の楽しみを残したまま、内容を確かめられます。
Q4. お金はかかりますか?
2026年6月時点では、ChatGPTは無料で使える範囲があります。ただし、見たい作品を実際に見るための動画配信サービスは、月々の料金がかかる場合があります。契約内容は公式サイトで確認してください。
Q5. ひとりで使うのが不安です。どうすればいいですか?
最初はお子さん・お孫さん世代に隣についてもらい、一緒に試すのがおすすめです。声で話しかける「音声入力」を使えば、文字を打たなくても相談できます。あせらず、少しずつ慣れていきましょう。
出典・参考
著者プロフィール
佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を手がけ、シニアの方向けのやさしいAI活用サポートにも力を入れています。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。