結論: ChatGPT(チャットジーピーティー)には「メモリ機能」という、あなたが話したことを覚えておいてくれる仕組みがあります。これをうまく使うと、「私は70代です」「ゆっくり説明してください」「夫婦2人暮らしです」といった説明を毎回繰り返さなくても、最初からあなたに合わせた答えが返ってくるようになるんです。設定の確認から、覚えてもらう頼み方、覚えた内容の確認と消し方まで、5つのステップで順番にご紹介します。
この記事の要点:
- 要点1: メモリ機能は「設定」の中の「パーソナライズ」から確認できます。オンになっていれば、特別な操作をしなくてもChatGPTが会話から大事なことを覚えてくれます
- 要点2: 「〜と覚えてください」と話しかけるだけで、好みや事情を直接覚えてもらえます。覚えた内容は、いつでも確認・修正・削除できます
- 要点3: なんでも覚えさせるのは禁物。本名・住所などの個人情報は書かない、覚えてほしくない相談は「一時チャット」を使う——この2つが安心のコツです
対象読者: ChatGPTを使い始めたものの、「毎回同じ説明をするのが面倒」と感じているシニアの方(60〜80代)。親のChatGPT設定を手伝いたいお子さん世代(30〜50代)にも役立ちます。
読了後にできること: 今日中に、ご自身のChatGPTに「話し方の好み」と「暮らしの前提」を覚えてもらい、明日からの相談を一段ラクにできます。
「便利なのは分かったけど、毎回『私は70代で、スマホはあまり得意でなくて……』と最初から説明するのがくたびれるのよ」。
シニアの方と一緒にスマホを触っていると、ChatGPTに少し慣れてきたころに、こういう声を本当によく伺います。人間の相手なら、一度話せば覚えていてくれますよね。ところがChatGPTは、何も設定しないと毎回「初対面」のような顔で答えてくることがある。せっかく丁寧に事情を説明したのに、次の日にはまた最初から——これでは疲れてしまいます。
実は、この悩みはほとんど解決できます。ChatGPTには「メモリ機能」という、あなたとの会話から大事なことを覚えておく仕組みがあるからです。OpenAI(オープンエーアイ、ChatGPTを作っている会社)の公式ヘルプにも、「同じことを何度も繰り返さなくて済むようにするための機能」だと説明されています。
この記事では、メモリ機能の確認から使いこなし、そして「覚えてほしくないことを覚えさせない」安心の使い方まで、5つのステップで解説します。ChatGPTをまだ使ったことがない方は、先に高齢者のためのChatGPT入門ガイドで始め方だけ押さえておくと、この記事の内容がすぐ試せます。
メモリ機能とは|「前に話したこと」を覚えてくれる仕組み
メモリ機能とは、その名のとおりChatGPTの「記憶」です。あなたが会話の中で話した内容のうち、今後の相談に役立ちそうなこと——たとえば「2人暮らし」「料理の相談が多い」「ゆっくりした説明が好み」——を、ChatGPTが覚えておいてくれます。
覚えてもらえると、何が変わるのでしょうか。たとえば夕食の相談をしたときの違いを見てみましょう。
| 覚えてもらう前 | 覚えてもらった後 | |
|---|---|---|
| 献立の相談 | 4人分の量で、流行の料理が出てくる | 最初から2人分・和食中心で提案してくれる |
| 説明の調子 | カタカナの専門用語が多い | やさしい言葉で、短い文で答えてくれる |
| 毎回の手間 | 「私は70代で……」と前置きが必要 | 前置きなしで本題から相談できる |
大事なことをひとつ。覚える内容は、あなたが確認したり、直したり、消したりできます。「勝手に何でも記録される怖い機能」ではなく、「手帳の中身を自分で見て書き直せる」イメージに近いんです。この「あとから消せる」ことを先に知っておくと、安心して試せます。
なお、ChatGPTの画面や機能は更新で少しずつ変わります。この記事は2026年7月時点のOpenAI公式ヘルプの内容をもとにしています。お使いの機種やアプリの版によって、ボタンの名前や場所が多少違うことがある点は、ご了承ください。最近の大きな更新についてはChatGPTが新しくなりました|シニアの使い方は変わる?でも紹介しています。
ステップ1: メモリがオンになっているか確認する
まずは、ご自身のChatGPTでメモリ機能が使える状態になっているかを見てみましょう。スマホのChatGPTアプリでの手順です。
- ChatGPTアプリを開き、画面の隅にある自分のマーク(人の形や丸いアイコン)を押します
- 「設定」を押します
- 「パーソナライズ」(自分好みの調整、という意味です)という項目を押します
- その中の「メモリ」を開き、スイッチがオン(色つき)になっているか確認します
OpenAIの公式ヘルプでも、メモリの操作は「設定 > パーソナライズ > メモリ」にあると案内されています。スイッチがオンになっていれば、準備は完了。すでに普段の会話から、少しずつ覚え始めてくれています。
ここでのコツ: 設定画面の言葉は「パーソナライズ」「カスタマイズ」など、版によって表記が揺れることがあります。見つからないときは、ChatGPT本人に「メモリの設定はどこにありますか?」と聞いてしまうのが早道です。道具の使い方をその道具に聞けるのが、AIの面白いところなんです。
ステップ2: 「覚えてください」と頼んでみる
メモリは放っておいても会話から少しずつ覚えてくれますが、覚えてほしいことを自分から伝えるのが一番の近道です。頼み方はかんたん。「〜と覚えてください」と話しかけるだけです。
まずおすすめしたいのが、「話し方の好み」を覚えてもらうことです。コピーしてそのまま使えます。
私は70代です。これからの会話では、むずかしいカタカナ語を使わず、 ゆっくり、短い文で説明してほしいです。 この好みをずっと覚えておいてください。
次に、「暮らしの前提」を覚えてもらいましょう。ここでのポイントは、名前や住所は書かず、相談に役立つことだけを伝えることです。
私について、次のことを覚えておいてください。 ・夫婦2人暮らしです ・料理と園芸の相談をよくします ・字を打つのが苦手なので、答えは短めが助かります 分からない点があれば、覚える前に私に質問してください。
文字を打つのが大変な方は、アプリのマイクボタンで話しかけても同じことができます。音声での入力方法はシニアのChatGPT音声入力|文字を打たずにAIと話す方法で詳しく解説しています。
覚えてもらったら、ためしに普段どおりの相談をしてみてください。
今夜の夕食の献立を3つ提案してください。
これだけの短い頼みごとでも、「2人分」「手早く作れる和食中心」のように、覚えた内容をふまえた提案が返ってくるはずです。「4人家族向けの映えるレシピ」が出てきていた以前との違いに、きっと驚きますよ。
ステップ3: 覚えている内容を確認する・直す
「ちゃんと覚えてくれたかしら?」と不安になったら、これも本人に聞くのが一番です。
今までに私について覚えていることを、箇条書きで教えてください。
覚えている内容が一覧で返ってきます。設定画面の「メモリ」からも、覚えた内容のまとめ(メモリサマリー)を見ることができます。
間違って覚えていたり、古くなった情報があったりしたら、会話で直せます。
私の住まいについて覚えていることは、忘れてください。 今は娘の家の近くに引っ越しました。相談のときはそちらを前提にしてください。
70代のご夫婦をサポートしたときには、「去年まで飼っていた犬の散歩の話が、たびたび提案に出てくる」ということがありました。こうした「昔の情報のまま」も、「犬はもう飼っていないので、散歩の提案は不要です。覚え直してください」と一言伝えるだけで直ります。メモリは一度作って終わりではなく、暮らしの変化に合わせて時々見直す——年賀状の住所録と同じ感覚で付き合うのがおすすめです。
すべての記憶を消してメモリ自体を止めたいときは、設定の「メモリ」画面からオフにできます。公式ヘルプによると、メモリを消しても過去の会話そのものは残るので、消したい会話がある場合は会話の履歴も別途削除します。
ステップ4: 覚えてほしくない話は「一時チャット」で
ここまで読んで、「便利そうだけど、何でも覚えられるのは少し不安」と感じた方もいらっしゃると思います。その感覚は正しいです。そして、ちゃんと逃げ道が用意されています。それが「一時チャット」(いちじチャット)です。
一時チャットは、いわば「覚え書きなしの立ち話」。OpenAIの公式ヘルプにも、一時チャットでは今あるメモリを使わず、新しいメモリも作られないと明記されています。たとえばこんな相談のときに向いています。
- 家族へのプレゼントの相談(本人に見られても、覚えられても困る内容)
- お金や相続など、記録に残したくない相談ごと
- 一度きりで終わる調べもの
使い方は、新しいチャットを始めるときに「一時チャット」を選ぶだけ。画面の右上あたりにあるボタンや切り替えで選べることが多いです(版によって場所が異なります。見つからなければ、これもChatGPTに聞いてみてください)。
そしてもうひとつ、メモリ以前の大原則をおさらいしておきましょう。本名・住所・電話番号・口座や暗証番号は、そもそもChatGPTに入力しない。相談は「70代の夫婦」「小学生の孫」のような書き方で十分に伝わります。AIと安心して付き合うための約束ごとは、シニアの話し相手にChatGPTを使う時の安全ルールにまとめています。
ステップ5: 答え方の注文は「カスタム指示」でもっと確実に
最後に、もう一歩進んだ設定をご紹介します。「カスタム指示」(カスタムしじ)といって、ChatGPTへの注文書をあらかじめ書いておける機能です。メモリが「会話から自然に覚えていく手帳」だとすると、カスタム指示は「最初に手渡しておく注文書」。毎回必ず反映してほしい、大事な注文に向いています。
OpenAIの公式ヘルプによると、カスタム指示はWeb・パソコン・iPhone・Androidのすべてで、どの料金プランでも使えます。設定の「パーソナライズ」の中にあり、書いた内容はすぐに会話へ反映されます。
注文書には、たとえばこんなふうに書きます。
・私はスマホの操作に慣れていない70代です ・専門用語には、必ずやさしい言い換えを添えてください ・答えは長くしすぎず、まず結論から話してください ・私が書いた内容に不明な点があれば、答える前に質問してください
最後の一行がミソです。「分からなければ先に質問して」と書いておくと、ChatGPTが勝手な思い込みで話を進めることが減り、答えの間違いにも気づきやすくなります。
「メモリとカスタム指示、どちらを使えばいいの?」と迷ったら——まずはメモリだけで十分です。使い込んできて「この注文だけは毎回必ず守ってほしい」というものが見えてきたら、それをカスタム指示に書く。この順番が、無理のない進め方です。
やりがちな失敗と回避策
失敗1: 個人情報まで細かく覚えさせてしまう
❌ やりがち: 「便利だから」と、本名・住所・かかりつけの病院名・口座の話まで覚えさせてしまう。
⭕ 回避策: 覚えてもらうのは「暮らしの前提」と「話し方の好み」まで。相談に本当に必要なのは「2人暮らし」「関東在住」程度のぼかした情報です。個人を特定できる情報は、メモリ以前に入力しないのが鉄則です。
失敗2: 覚えたか不安で、何度も同じことを頼んでしまう
❌ やりがち: 伝わったか確信が持てず、毎回「私は70代で……」と結局前置きを続けてしまう。
⭕ 回避策: ステップ3の「覚えていることを教えて」で確認すれば一発です。一覧に載っていれば、もう前置きは不要。載っていなければ「〜と覚えてください」ともう一度はっきり頼めば大丈夫です。
失敗3: 家族と同じアカウントで使って、好みが混ざる
❌ やりがち: ご夫婦やお子さんと同じアカウントを使い回し、「私は魚が苦手」と「私は肉を控えている」が混ざって、提案がちぐはぐになる。
⭕ 回避策: メモリはアカウントごとの記憶です。できれば1人1アカウントに分けましょう。分けられない事情があるときは、覚えさせる内容を「わが家の共通事項」だけにしぼるか、個人的な相談は一時チャットを使うと混乱を防げます。
失敗4: 「覚えているから正しい」と思い込む
❌ やりがち: メモリを設定した安心感から、出てきた答えをそのまま信じてしまう。
⭕ 回避策: メモリは「前提を伝える手間」を減らす機能で、答えの正しさを保証する機能ではありません。日付・金額・手続きなどの大事な情報は、これまでどおり公式の窓口や家族への確認とあわせて使ってください。覚えた内容が古くなっていることもあるので、季節の変わり目などに時々見直すと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. メモリ機能は無料でも使えますか?
A. カスタム指示は、OpenAIの公式ヘルプで「すべてのプランで利用できる」と明記されています。メモリ機能も多くの方の画面で使えるようになっていますが、プランや地域、アプリの版によって画面や細かい機能に違いが出ることがあります。まずはご自身の設定画面に「メモリ」の項目があるか確認してみてください。無料プランと有料プランの違いはChatGPT無料と有料の違い7選で詳しく解説しています。
Q. 覚えてほしくないことを話してしまいました。どうすれば消せますか?
A. 会話で「〜について覚えていることは忘れてください」と頼むか、設定の「メモリ」画面から覚えた内容を確認して削除できます。公式ヘルプによると、メモリを消しても過去の会話の文章自体は残るので、会話ごと消したい場合はチャット履歴からその会話も削除してください。今後が心配な相談は、最初から一時チャットを使うのが確実です。
Q. メモリとカスタム指示は何が違うのですか?
A. メモリは「会話の中から自然に覚えていく手帳」、カスタム指示は「毎回必ず読んでもらう注文書」です。公式ヘルプでも、はっきり指定したい情報や答え方はカスタム指示に、会話で伝えた事情はメモリに、という使い分けが案内されています。迷ったら、まずメモリだけで始めれば十分です。
Q. スマホが苦手でも設定できますか?
A. できます。この記事のステップ1の4手順は、押すボタンの数でいえば4回ほどです。もし途中で迷ったら、ChatGPTの画面に戻って「メモリの設定画面への行き方を教えて」と聞けば案内してくれます。お子さんやお孫さんと一緒に、帰省のときにまとめて設定するのもおすすめです。
Q. 覚えた内容は家族や他の人に見られませんか?
A. メモリはあなたのアカウントの中だけの記憶で、他の人のChatGPTに伝わることはありません。ただし、同じアカウントを家族で共用していれば、当然お互いの覚えた内容が使われます。見られたくない相談があるなら、アカウントを分けるか、一時チャットを使いましょう。
まとめ: 今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 設定の「パーソナライズ」からメモリがオンか確認し、ステップ2の文例で「話し方の好み」を覚えてもらう
- 3日以内に: 「私について覚えていることを教えて」で中身を確認し、余計なもの・間違いを消して整える
- 今週中に: 覚えてほしくない相談用に、一時チャットの開き方を一度練習しておく
次回予告: 次の記事でも、ChatGPTやスマホを暮らしの相棒にする使いこなし術を、やさしくお届けする予定です。
参考・出典
- Memory FAQ — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-31)
- ChatGPT Custom Instructions — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-31)
- ChatGPT Android App FAQ — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-31)
ご注意: ChatGPTの画面・機能は更新によって変わることがあります。この記事は2026年7月時点の公式ヘルプの内容をもとにしています。本名・住所・口座番号などの個人情報は、メモリの有無にかかわらず入力しないでください。
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