この記事の要点
令和8年分(2026年1月から12月まで)に、控除の対象となる生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を払った人は、生命保険料控除を受けられます。証明書の使い方は人で分かれます。給料をもらって勤務先で年末調整を受ける人は、勤務先に出します。確定申告をする人は、確定申告書に添付するか、提出する時に見せます(国税庁「No.1140 生命保険料控除」)。
- 年金だけで確定申告がいらない人でも、年金から所得税が引かれている人は、各種の所得控除(生命保険料控除も所得控除の1つです)で所得税の還付を受けるための確定申告ができます(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。還付の申告は、2027年1月1日から5年間出せます。源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額がない人は、申告しても還付される所得税額はありません(国税庁「No.2030 還付申告」)。確定申告がいらない人でも、住民税の申告が必要な場合があります(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。
- 平成23年12月31日以前に結んだ契約(旧契約)と、平成24年1月1日以後の契約(新契約)では、控除額の計算が違います。 新契約と旧契約の各控除額を合わせた生命保険料控除額は、120,000円までです(国税庁「No.1140」)。
- 証明書が届かない・なくした時は、契約している保険会社に再発行を頼みます。 たとえば、かんぽ生命は2026年の証明書を2026年10月8日(木)~13日(火)までに発送するとし、マイページ・電話・郵便局での再発行を案内しています(かんぽ生命「保険料払込証明書の再発行受付」)。
この記事は、2026年10月21日に確認した、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)と国税庁の電子控除証明書の案内、かんぽ生命の案内の内容です。自分の場合の控除額は、税務署か勤務先に確かめてください。
今すぐやること3つ
- 届いた証明書を、年金の書類と同じ袋にしまいます(手順1)。
- 2026年に給料があったか、確定申告をするかを確かめます(手順2)。
- 毎年届くはずの証明書が届いていなければ、保険会社に聞きます(手順7)。
まず知っておくこと|生命保険料控除と証明書
生命保険料控除とは
国税庁は、納税者が生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を払った場合には、一定の金額の所得控除を受けられ、これを生命保険料控除というと説明しています(国税庁「No.1140 生命保険料控除」)。
証明書は「払ったこと」を示す書類
控除を受ける時は、支払金額や控除を受けられることを証明する書類を、確定申告書に添付するか、提出する時に見せます(同じページ)。この書類が、保険会社から届く証明書です。かんぽ生命では「保険料払込証明書(生命保険料控除の証明書)」という名前で送っています(かんぽ生命「2026年 保険料払込証明書(生命保険料控除の証明書)について」)。
控除の対象にならない保険もある
国税庁は、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもあると注意しています(国税庁「No.1140」)。証明書が届かない契約は、手順7で発行の対象かを確かめます。
手順1|届いた証明書をしまっておく
届く時期は会社ごと
証明書を送る時期は、保険会社ごとに決まっています。かんぽ生命は、2026年の保険料払込証明書を2026年10月8日(木)~13日(火)までに発送すると案内しています。郵便事情などで、届くまで時間がかかる場合があるとも書いています(かんぽ生命「保険料払込証明書の再発行受付」)。
使うのは年明けのこともある
確定申告で使う人は、使うのが2027年になります。年金の源泉徴収票など、ほかの税の書類と同じ所にしまっておくと、申告の時に探さずにすみます。
手順2|自分が「どこで使う人か」を確かめる
3つの場合
| 当てはまる人 | 証明書の使い方 | 見る手順 |
|---|---|---|
| 給料をもらい、勤務先で年末調整を受ける人 | 勤務先に出す | 手順5 |
| 確定申告をする人 | 確定申告書に添付するか、提出の時に見せる | 手順6 |
| 年金だけで、確定申告がいらない人 | 年金から所得税が引かれていれば、還付の申告で使える。住民税の申告が必要な場合もある | 手順2・手順6 |
国税庁は、生命保険料控除の申告先を「所轄税務署または勤務先」としています(国税庁「No.1140」)。

年金だけの人は、確定申告がいらない場合がある
年金だけの人は、公的年金等の収入金額が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象、公的年金等以外の所得金額が20万円以下なら、確定申告の必要はありません(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。この場合でも、所得控除で所得税の還付を受けるための確定申告はできます。ただし、確定申告の必要がない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります(同じページ)。住民税の申告は、お住まいの市区町村の窓口に確かめます(国税庁「暮らしの税情報(令和8年度版)高齢者と税(年金と税)」)。
手順3|旧契約か新契約かを見る
契約を結んだ日で分かれる
国税庁は、平成24年1月1日以後に結んだ保険契約等に係る保険料と、平成23年12月31日以前に結んだ保険契約等に係る保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なるとしています(国税庁「No.1140」)。長く同じ保険を続けている人は、旧契約のことがあります。

新契約は3つの区分
新契約では、新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の3つに分けて控除額を計算します(同じページ)。
旧契約の医療保険・介護保険
旧契約に基づく「いわゆる第三分野とされる保険(医療保険や介護保険)の保険料」も、旧生命保険料となります(同じページ)。旧契約の控除額は、旧生命保険料と旧個人年金保険料の2つで計算します。
手順4|控除額の計算のしかたを知る
新契約(平成24年1月1日以後)の控除額
新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の計算式で出します(国税庁「No.1140」)。
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 80,000円超 | 一律40,000円 |

令和8年分以降の申告で、23歳未満の扶養親族を有する人は、新生命保険料の控除額を別の計算式で出し、年間の新生命保険料が120,000円超なら一律60,000円になります(同じページ)。23歳未満の扶養親族がいない人は、上の表で計算します。
旧契約(平成23年12月31日以前)の控除額
旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の計算式で出します(同じページ)。
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 25,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 25,000円超 50,000円以下 | 支払保険料等×1/2+12,500円 |
| 50,000円超 100,000円以下 | 支払保険料等×1/4+25,000円 |
| 100,000円超 | 一律50,000円 |
「支払保険料等」は、その年に払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額です(同じページ)。
合計は120,000円まで
各控除額の合計が生命保険料控除額で、合計額が120,000円を超える場合は120,000円になります。新契約と旧契約の両方に入っている人の計算は、旧生命保険料(個人年金保険料は旧個人年金保険料)の年間の支払保険料等が60,000円を超えるかどうかで変わります(同じページ)。国税庁の確定申告書等作成コーナーは、画面の案内に沿って金額を入力すると確定申告書を作れます(国税庁「No.2030 還付申告」)。
手順5|働いて年末調整を受ける人は、勤務先に出す
年末調整で受けた控除は、確定申告に添付しなくてよい
60代・70代で給料をもらって働き、勤務先で年末調整を受ける人は、勤務先の案内に従って証明書を出します。国税庁は、年末調整の際に控除を受けたものは、確定申告書への添付などの必要がないとしています(国税庁「No.1140」)。
電子の証明書も使える
保険会社が発行する電子控除証明書を使う方法もあります。国税庁は、令和7年10月時点で生命保険会社は36社(全41社)が電子控除証明書の発行に対応済みとしています(国税庁「保険料に係る電子控除証明書の発行主体一覧」)。勤務先が電子のデータを受け付けるかは、勤務先に確かめます。
手順6|確定申告をする人は、添付するか見せる
添付しなくてよいもの
確定申告で生命保険料控除を受ける人は、確定申告書の生命保険料控除の欄に書き、証明書を添付するか、提出の時に見せます。ただし、旧契約等で年間保険料が9,000円以下のものと、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません(国税庁「No.1140」)。

申告の期間
確定申告の期間は、原則として、その年の翌年2月16日から3月15日までです(国税庁「No.2020 確定申告」)。令和8年分なら、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。
還付の申告だけなら、1月から出せる
年金だけで確定申告がいらない人が、還付を受けるために申告する時は、確定申告期間とは関係なく、2027年1月1日から5年間出せます(国税庁「No.2030 還付申告」)。年金から所得税が引かれていない人は、申告しても還付される所得税額はありません(同じページ)。年金の確定申告の進め方は、シニアの年金・確定申告をChatGPTで乗り切る記事にまとめています。
手順7|届かない・なくした時は、保険会社に頼む
まず、発行の対象かを確かめる
かんぽ生命は、次の契約は発行対象外としています(かんぽ生命「保険料払込証明書の再発行受付」)。
- 2026年1月~12月の保険料の払込がない契約
- 加入2年目以降の特約が付加されていない一時払終身保険
- 2026年9月末までに失効または死亡により消滅した契約(電話または郵便局での再発行のお手続きは可能)
- 契約者が法人の契約
- 財形保険契約

郵送停止に同意している人には、紙の証明書は郵送されません。1年以内に引っ越したなど、登録した住所が古いと届かないことがあるので、住所を変更してから再発行を頼みます(同じページ)。ほかの保険会社の決まりは、その会社の案内で確かめます。
再発行の頼み方(かんぽ生命の例)
かんぽ生命の再発行は、インターネット(マイページ)、電話、郵便局(簡易郵便局を除く)で受け付けています。マイページで頼むと、受付の後に送付先住所へ郵送され、届くまでに1週間程度かかります。電話の受付時間は、1月1日~1月3日を除き、平日9:00~21:00、土日休日9:00~17:00です。ご高齢のお客さま専用コールセンターもあります(同じページ)。
マイページと自動音声受付サービスを除き、契約に関する事項を確かめた上で、契約者本人以外の人からも請求できます。その場合、証明書は登録されている契約者の住所に送られます。契約に関する事項を確かめられない時は、請求を断られることがあります(同じページ)。家族が代わりに電話する時は、保険証券記号番号が分かるものを手元に用意します。
マイナポータルでまとめて受け取る
かんぽ生命は、マイナンバーカードを使ってマイナポータルで証明書をまとめて管理する方法も案内しています。この方法(e-私書箱との連携)を使うには、マイナポータルの登録と、かんぽ生命のマイページへの登録が必要です。申請すると、翌年以降の保険料払込証明書は郵送されなくなります。郵送に戻すには、マイページの「払込証明書の郵送停止・再開」から手続きします。e-私書箱の新規申請の受付は、2026年10月6日(火)10:00~2027年3月31日(水)15:00です(かんぽ生命「保険料払込証明書の電子発行」)。マイナポータルとの連携に対応しているかは、保険会社ごとに違います(国税庁「保険料に係る電子控除証明書の発行主体一覧」)。
AIに聞くときは、金額を伏せて計算のしかたを確かめる
聞き方の例
ChatGPTなどのAIには、証明書の写真や契約番号を送らず、区分と金額の目安だけで聞きます。
「平成20年に入った生命保険の保険料を、2026年に年6万円払いました。旧契約の生命保険料控除の計算式に当てはめると、控除額はいくらになりますか。国税庁の計算式で、計算の途中も見せてください。」
気をつけること
AIの答えは、手順4の国税庁の表で計算し直してください。新契約と旧契約の両方がある人の計算や、23歳未満の扶養親族がいる人の計算は間違えやすいので、確定申告書等作成コーナーに金額を入れて確かめるか、税務署に聞きます。証明書の記号番号やマイページのパスワードは、AIにも家族以外の人にも伝えません。
離れて暮らす家族ができること
誰が払ったかで、控除を受ける人が決まる
国税庁は、妻が契約者の保険の保険料を夫が払っている例で、保険金等の受取人のすべてが保険料を払う人またはその配偶者その他の親族なら、契約者が誰であるかは要件とされておらず、保険料を払った夫の控除の対象になると答えています(国税庁「生命保険料控除 QA」)。親の保険料を子が払っている家族は、証明書の宛名だけで決めずに、実際に払っている人と受取人を確かめます。
年末に、書類をまとめて見る
扶養親族等申告書や年金の源泉徴収票など、秋から年明けにかけては税の書類が続けて届きます。会った時に、保険の証明書がそろっているかを一緒に見ておくと、届かない分の再発行を早めに頼めます。扶養親族等申告書の書き方は、扶養親族等申告書の書き方の記事で説明しています。
よくある質問
Q. 年金だけで暮らしています。証明書は使わなくてもよいですか?
A. 公的年金等の収入金額が400万円以下で全部が源泉徴収の対象、公的年金等以外の所得金額が20万円以下なら、確定申告の必要はありません。年金から所得税が引かれている人は、還付を受けるための確定申告で生命保険料控除を使えます。確定申告の必要がない場合でも、住民税の申告が必要な場合があるので、お住まいの市区町村の窓口に確かめます(国税庁「No.1600」)。
Q. 還付の申告はいつまでに出せばよいですか?
A. 令和8年分の還付申告は、2027年1月1日から5年間出せます(国税庁「No.2030 還付申告」)。
Q. 古い保険(平成23年以前の契約)の控除はいくらまでですか?
A. 旧契約の旧生命保険料の控除額は、年間の支払保険料等が100,000円超なら一律50,000円です。旧個人年金保険料も同じ計算式で、一律50,000円までです。生命保険料控除額の合計は120,000円までです(国税庁「No.1140」)。
Q. 年の途中で解約した保険も、控除を受けられますか?
A. その年に保険料を払った場合は、年の途中で解約しても、解約までに払った保険料について生命保険料控除を受けられます(国税庁「生命保険料控除 QA」)。
Q. 証明書をなくしました。
A. 契約している保険会社に再発行を頼みます。かんぽ生命は、マイページ・電話・郵便局で受け付けています(かんぽ生命「保険料払込証明書の再発行受付」)。