結論:シニアが使いやすいAI(人工知能)ツールは、音声で話しかけられるか・画面が見やすいか・無料で始められるかの3つで決まります。
この記事の要点:
- 要点1:ChatGPT・Gemini・Copilot・Claude・Perplexityの5つを「シニアの使いやすさ」で徹底比較しました
- 要点2:音声入力に対応しているツールなら、文字を打てなくても大丈夫です
- 要点3:すべて無料で始められます。まずは1つだけ試してみましょう
対象読者:AIを使ってみたい60代〜70代の方、離れて暮らす親にAIを教えたい30代〜50代の方
読了後にできること:自分(またはご家族)に合ったAIツールを1つ選んで、今日中にスマホで最初の質問ができます
「ChatGPTがいいって聞くけど、他にもあるの? どれが一番わかりやすいの?」
先日、72歳のお母さまにChatGPTを教えたという読者の方から、こんなメッセージをいただきました。「母はChatGPTを気に入ってくれたんですが、父のスマホにはGemini(ジェミニ)が入っていて、どっちがいいの?と聞かれて答えられなかった」と。
正直、これはとてもよくある疑問なんです。2026年5月の時点で、無料で使えるAIツールは少なくとも5つあります。でも「シニアにとってどれが使いやすいか」を比べた情報は、ほとんどありません。比較記事はたくさんありますが、どれも「ビジネスマン向け」や「エンジニア向け」ばかり。
そこでこの記事では、私たちがシニアの方への個別サポートで実際に試してきた経験をもとに、5つのAIツールを「60代・70代の方が使いやすいかどうか」という視点だけで比較します。音声で話しかけられるか、画面の文字は大きいか、日本語は自然か——。そういう「地味だけど大事なポイント」を中心にお伝えします。
コピペして使えるプロンプト(AIへの指示文)もたくさん載せていますので、気になったツールがあれば今日すぐに試してみてください。
まず結論:シニアにおすすめのAIツール早見表
細かい比較の前に、結論からお伝えします。以下の表は、私たちがシニアの方への個別サポートで実際に試した感触をまとめたものです。
| ツール名 | おすすめ度 | 音声入力 | 無料 | こんな方に向いています |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | ★★★★★ | ◎ | ◎ | 初めてAIを使うシニアの方(迷ったらコレ) |
| Google Gemini | ★★★★☆ | ◎ | ◎ | Androidスマホをお使いの方・Googleをよく使う方 |
| Microsoft Copilot | ★★★★☆ | ○ | ◎ | パソコン(Windows)をよく使う方 |
| Claude | ★★★☆☆ | △ | ◎ | 長い文章を丁寧に書いてほしい方 |
| Perplexity | ★★★☆☆ | △ | ◎ | ネット検索の代わりにAIを使いたい方 |
「迷ったらまずChatGPT」。これが、シニアの方への個別サポートを重ねてきた私たちの率直な結論です。理由は、音声で話しかけられて、日本語が自然で、スマホアプリが使いやすいから。
ただし、お使いのスマホやパソコンによっては、他のツールのほうが便利な場合もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
AIツールの基本的な始め方については、シニアのChatGPT入門ガイドで体系的にまとめています。
ChatGPT(チャットジーピーティー)——迷ったらまずコレ
どんなツール?
ChatGPTは、アメリカのOpenAI(オープンエーアイ)社が作ったAIです。2022年の登場以来、世界で最も多くの人に使われているAIツールで、日本語での会話もとても自然です。
シニアにうれしいポイント
- 音声モードが優秀:スマホアプリでマイクのボタンを押すだけで、話しかけるように質問できます。AIも声で答えてくれるので、まるで電話で相談しているような感覚です
- 無料で十分使える:無料プランでもGPT-5.4(最新のAI)に一定回数アクセスできます(2026年5月時点、OpenAI公式)
- アプリが見やすい:iPhone・Androidどちらにも対応。文字サイズはスマホの設定に連動するので、大きめに設定しておけば見やすくなります
料金(2026年5月時点)
| プラン | 月額料金 | シニアの方への一言 |
|---|---|---|
| Free(無料) | 0円 | まずはここから。広告が出ますが十分使えます |
| Go(ゴー) | 約1,200円 | 広告あり、少し制限が緩くなります |
| Plus(プラス) | 約3,000円 | 毎日たくさん使う方向け。広告なし |
私たちが個別サポートしたシニアの方(68歳・女性)は、「無料のままで3ヶ月使っているけど、困ったことは一度もない」とおっしゃっていました。まずは無料で始めて、物足りなくなったら有料を検討する——という順番で大丈夫です。
ChatGPTで使えるプロンプト(そのままコピーしてお使いください)
以下のプロンプト(指示文)をコピーして、ChatGPTに貼り付けるだけで使えます。
献立を考えてもらう:
冷蔵庫に豚肉、にんじん、たまねぎ、卵があります。
この材料だけで作れる、シニアでも食べやすい柔らかいおかずを3つ教えてください。
それぞれ作り方を、手順ごとに箇条書きでお願いします。
※不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
お孫さんへの誕生日メッセージ:
小学3年生の孫(男の子)への誕生日メッセージを考えてください。
おじいちゃんからの手書きの手紙に書く想定で、100文字くらいでお願いします。
温かくて、でもカッコいい感じにしてほしいです。
※仮定した点は必ず「仮定」と明記してください。
Google Gemini(ジェミニ)——Androidスマホならすぐ使える
どんなツール?
GeminiはGoogleが作ったAIです。Androidスマホには最初から入っていることが多いため、新しくアプリを入れなくても使い始められるのが大きな特長です。Googleの検索やGmail(ジーメール)、Googleマップとも連携できます。
シニアにうれしいポイント
- Androidスマホなら最初から使える:アプリのインストールが不要な場合が多く、ハードルが低いです
- Gemini Live(ライブ)で音声会話:話しかけるとAIが声で返事をしてくれる「Gemini Live」機能が日本語に対応しています。無料で使えます(Google公式ヘルプ)
- Googleの情報と連携:「明日の天気は?」「近くの病院を教えて」など、Google検索と組み合わせた回答が得意です
- iPhoneでも使える:Gemini公式アプリはiPhoneにも対応しています
料金(2026年5月時点)
| プラン | 月額料金 | シニアの方への一言 |
|---|---|---|
| 無料プラン | 0円 | 音声会話(Gemini Live)も無料で使えます |
| Google One AI Premium | 約2,900円 | Googleドライブ2TBなど特典つき |
Geminiで使えるプロンプト
近くのお店を探す:
膝が悪い母(75歳)を連れて行ける、段差が少ないカフェを探しています。
バリアフリー対応のお店を探すときのポイントを教えてください。
お店を選ぶときに電話で聞くべき質問も3つ教えてください。
※AIの情報は最新でない場合があります。実際のお店の情報は公式サイトや電話で確認してください。
70代のお父さまにGeminiを教えたという読者の方からは、「父のスマホ(Android)に最初から入っていたので、『新しいアプリを入れる』というハードルがなくてスムーズだった」という声をいただいています。
Microsoft Copilot(コパイロット)——パソコン派のシニアに
どんなツール?
CopilotはMicrosoft(マイクロソフト)が作ったAIです。Windows 11のパソコンには最初から入っています。また、ブラウザ(インターネットを見るソフト)のEdge(エッジ)にも組み込まれているので、パソコンでインターネットをよく使う方には便利です。
シニアにうれしいポイント
- Windowsパソコンに標準搭載:キーボードのCopilotキーを押すだけで起動できます(新しいパソコンの場合)
- Edge(エッジ)と連携:ネットで調べものをしているとき、右側にCopilotが出てきて「このページを要約して」とお願いできます
- 音声入力対応:Copilot Voiceで音声のやりとりができます。日本語にも対応しています(Microsoft公式)
- Word・Excelとの連携:有料版ではWord(文書作成ソフト)で「この手紙をもっと丁寧にして」といった使い方ができます
料金(2026年5月時点)
| プラン | 月額料金 | シニアの方への一言 |
|---|---|---|
| 無料プラン | 0円 | 基本的な質問・相談はこれで十分 |
| Copilot Pro | 約3,200円 | Word・Excel連携が必要な方向け |
Copilotで使えるプロンプト
パソコンの困りごとを聞く(Copilotが得意な質問):
パソコンの画面の文字が小さくて読みにくいです。
Windows 11で文字を大きくする方法を、手順ごとに教えてください。
パソコンに詳しくない70代向けに、専門用語を使わずにお願いします。
※不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
息子さん世代から「お父さんのパソコンにCopilotが入っていたので教えてみた」という話をよく聞きます。パソコンの使い方そのものをCopilotに聞けるので、離れて暮らすご家族の「パソコンヘルプデスク」代わりになるんです。
Claude(クロード)——丁寧な日本語が得意
どんなツール?
Claudeは、アメリカのAnthropic(アンソロピック)社が作ったAIです。ChatGPTほど知名度はありませんが、日本語の文章が丁寧で読みやすいと評判です。長い文章を書いてもらうときに、特に力を発揮します。
シニアにうれしいポイント
- 日本語が丁寧:手紙やお礼状など、きちんとした文章を書いてほしいときに向いています
- 回答が誠実:わからないことは「わかりません」と正直に答える傾向があり、でたらめを言いにくい設計になっています
- スマホアプリあり:iPhone・Android両方で使えます。音声入力にも対応しており、日本語を含む10言語で利用できます(Anthropic公式)
シニアの方が注意したいポイント
- 音声会話モードは発展途上:ChatGPTやGeminiのような「AIが声で返事してくれる」機能はまだ限定的です
- 知名度が低い:周りに使っている人が少ないため、困ったときに聞ける人が見つかりにくいかもしれません
料金(2026年5月時点)
| プラン | 月額料金 | シニアの方への一言 |
|---|---|---|
| Free(無料) | 0円 | 1日の利用回数に制限あり |
| Pro(プロ) | 約3,000円 | たくさん使いたい方向け |
Perplexity(パープレキシティ)——「検索の代わり」に使いたい方へ
どんなツール?
Perplexityは「AI検索エンジン」と呼ばれるツールです。普通のAIと違って、インターネット上の最新情報を調べて、出典(情報元)つきで答えてくれるのが最大の特長です。「Googleで検索する代わり」に使えます。
シニアにうれしいポイント
- 出典が明記される:「この情報はどこから来たの?」がわかるので、信頼できるかどうか判断しやすいです
- 最新情報に強い:ニュースや天気、お店の情報など「今の情報」を調べるのが得意です
- シンプルな画面:検索窓に質問を入れるだけ。余計なボタンが少なく、迷いにくいデザインです
シニアの方が注意したいポイント
- 音声会話は不得意:話しかけてAIが声で返事してくれる機能は限定的です
- 文章作成は苦手:手紙やメッセージを「書いてもらう」用途では、ChatGPTやClaudeのほうが上手です
料金(2026年5月時点)
| プラン | 月額料金 | シニアの方への一言 |
|---|---|---|
| 無料プラン | 0円 | 1日の検索回数に制限あり |
| Pro(プロ) | 約3,000円 | 検索回数無制限。ヘビーユーザー向け |
Perplexityで使えるプロンプト
薬の飲み合わせについて調べる(出典つきで安心):
血圧の薬を飲んでいるのですが、グレープフルーツと一緒に食べてはいけないと聞きました。
本当ですか? どの種類の薬が該当するか、信頼できる医療機関の情報をもとに教えてください。
※これはAIによる一般的な情報提供です。具体的な薬の飲み合わせについては、必ず主治医または薬剤師にご相談ください。
5つのAIツールを「シニアの使いやすさ」で徹底比較
ここからは、シニアの方にとって特に大事な5つのポイントで比較します。
比較1:音声入力の使いやすさ
文字を打つのが苦手な方にとって、音声入力は最も重要な機能です。
| ツール | 音声入力 | AIが声で返答 | 日本語の精度 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ◎ | ◎(音声モード) | ◎ とても自然 |
| Gemini | ◎ | ◎(Gemini Live) | ○ 自然 |
| Copilot | ○ | ○(Copilot Voice) | ○ 自然 |
| Claude | ○(入力のみ) | △(限定的) | ◎ 丁寧 |
| Perplexity | △ | △ | ○ |
結論:音声で使いたいなら、ChatGPTかGeminiの2択です。どちらも「話しかけると声で返事してくれる」モードがあり、まるで人と会話しているように使えます。
実際に試してくれた68歳の読者の方からは、「電話みたいに話せるのがいい。キーボードを打つのは目が疲れるから」というお声をいただいています。
比較2:画面の見やすさ・操作のかんたんさ
| ツール | アプリの見やすさ | 文字サイズ変更 | 操作のシンプルさ |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ◎ | ◎(スマホ設定に連動) | ◎ ボタン少なめ |
| Gemini | ○ | ◎(スマホ設定に連動) | ◎ 検索窓だけ |
| Copilot | ○ | ○ | ○ やや情報が多い |
| Claude | ○ | ◎(スマホ設定に連動) | ◎ シンプル |
| Perplexity | ◎ | ○ | ◎ 検索窓だけ |
ここで大事なお知らせです。どのアプリも、スマホ本体の「文字サイズ」設定を大きくしておくと、AIアプリの文字も大きくなります。お使いのスマホの「設定」→「表示」→「文字サイズ」から変更できます。これだけで、だいぶ見やすくなりますよ。
比較3:日本語の自然さ
| ツール | 日本語の自然さ | 敬語の使い方 | 長文の読みやすさ |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ◎ | ◎ | ◎ |
| Gemini | ○ | ○ | ○ |
| Copilot | ○ | ○ | ○ |
| Claude | ◎ | ◎(最も丁寧) | ◎ |
| Perplexity | ○ | ○ | ○ |
日本語の丁寧さでは、ClaudeとChatGPTが頭一つ抜けています。特にClaudeは、お礼状や改まった文章を書くときの敬語が自然です。
比較4:無料で使える範囲
| ツール | 無料の使用制限 | 広告の有無 | 有料にしなくても十分? |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 1日の回数制限あり | あり(2026年〜) | ◎ 日常使いなら十分 |
| Gemini | ゆるめの制限 | なし | ◎ 十分 |
| Copilot | 基本機能は制限なし | なし | ◎ 十分 |
| Claude | 1日の回数制限あり | なし | ○ やや少なめ |
| Perplexity | 検索回数に制限 | なし | ○ 調べもの中心なら |
どのツールも、1日に数回の質問をする程度であれば無料で使えます。「毎日10回以上使いたい」という方だけ、有料プランを検討すればOKです。
比較5:ご家族が教えやすいか
これは意外と大事なポイントです。離れて暮らすご家族が電話で使い方を教えるとき、相手のスマホに入っているかどうかで難易度がまったく違います。
| ツール | インストール不要? | 設定のかんたんさ | 電話で教えやすい? |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ×(アプリ必要) | ◎(Googleアカウントで登録可) | ◎ |
| Gemini | ◎(Android)/ ×(iPhone) | ◎(Googleアカウントのみ) | ◎ |
| Copilot | ◎(Windows PC)/ ×(スマホ) | ○(Microsoftアカウント) | ○ |
| Claude | ×(アプリ必要) | ○(メールで登録) | ○ |
| Perplexity | ×(アプリ必要) | ◎(登録なしでも使える) | ◎ |
Androidスマホのご両親ならGemini(最初から入っている)、Windowsパソコンをよく使うご両親ならCopilot(最初から入っている)。アプリを新しく入れる必要がないので、「ダウンロードって何?」というやりとりを省けます。
用途別おすすめ:「こんなとき、どれを使う?」
「5つもあると、結局どれがいいのかわからない……」という方のために、よくある使い方ごとにおすすめをまとめました。
お料理のレシピを聞きたい
→ ChatGPTがおすすめ。「冷蔵庫にあるもので作れる献立」を聞くと、分量つきのレシピを教えてくれます。冷蔵庫の残り物でシニアの簡単献立|ChatGPTで5分で完成する50レシピで、具体的な活用法を紹介しています。
手紙やお礼状を書きたい
→ ClaudeかChatGPTがおすすめ。特にClaudeは敬語が自然で、フォーマルな文章が得意です。ChatGPTで書くシニアのメール文例10選も参考になります。
今日のニュースや天気を知りたい
→ PerplexityかGeminiがおすすめ。どちらもインターネットの最新情報を調べて答えてくれます。出典もついてくるので安心です。
パソコンの使い方を聞きたい
→ Copilotがおすすめ。Windowsの操作方法を画面つきで教えてくれることもあります。
孫とLINEのやりとりを手伝ってほしい
→ ChatGPTがおすすめ。シニアのLINEで困ったとき|ChatGPTで返信文を3秒で作る方法で詳しく解説しています。
病気や薬について調べたい
→ Perplexityがおすすめ(出典つきで信頼しやすい)。ただし、AIの回答はあくまで参考情報です。病気の診断や薬の判断は、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。
実際にシニアの方と試してわかった「最初の1週間」の過ごし方
事例区分: 想定シナリオ:以下は、私たちのシニア向けサポート経験をもとに構成した典型的な進め方です。
1日目〜2日目:まず1つだけインストール
いきなり5つ全部を試す必要はまったくありません。1つだけ選んで、1つだけ質問してみる。これが大切です。
私たちが個別サポートしたシニアの方の多くは、最初の質問に「今日の晩ごはん何にしよう」を選んでいました。身近な話題で試すのがコツです。
3日目〜4日目:音声入力を試してみる
文字を打つのが面倒に感じたら、マイクのボタンを押して話しかけてみましょう。ChatGPTやGeminiなら、AIが声で返事もしてくれます。
「最初は恥ずかしかったけど、慣れたら便利。電話で人に聞くより気を遣わなくていい」。これは73歳の男性読者の方の感想です。
5日目〜7日目:2つ目の用途を試す
献立に慣れたら、次は「LINEの返信を考えてもらう」「旅行先を調べてもらう」など、もう1つだけ用途を増やしてみましょう。
来月、箱根に夫婦二人で1泊旅行に行きたいです。
足腰に不安があるので、部屋に露天風呂がついている宿がいいです。
予算は1人2万円くらいで、おすすめの宿を3つ教えてください。
それぞれの宿の特長と、バリアフリー対応かどうかも教えてください。
※AIの情報は最新でない場合があります。宿の料金や空き状況は、宿の公式サイトや電話で直接ご確認ください。
【要注意】シニアがAIツールを使うときの失敗パターンと回避策
AIは便利ですが、使い方を間違えるとトラブルになることもあります。ここでは、実際によくある失敗と、その避け方をご紹介します。
失敗1:個人情報をそのまま入力してしまう
❌ 「保険証の番号は○○○○で、通帳の暗証番号は△△△△です。この保険の内容を教えて」
⭕ 「健康保険の高額療養費制度について、70歳以上の場合の自己負担限度額を教えてください」(具体的な番号は入れない)
なぜ大事?:AIに入力した内容は、ツールの改善(学習)に使われる可能性があります。保険証番号・暗証番号・マイナンバーなどは絶対に入力しないでください。名前や住所も、できるだけ伏せた状態で質問しましょう。
失敗2:AIの答えを「お医者さんの診断」と思ってしまう
❌ 「AIが『その症状は○○の可能性があります』と言ったから、病院に行かなくてもいいかな」
⭕ 「AIに症状を聞いて参考情報を得る → でも、必ずお医者さんに相談する」
なぜ大事?:AIは医師ではありません。症状の判断や薬の選択は、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。AIは「何を聞けばいいか整理する」ための道具として使うのが安全です。
失敗3:たくさんのツールを同時に使おうとする
❌ 「ChatGPTとGeminiとCopilotを全部インストールして、使い分けなきゃ!」
⭕ 「まずはChatGPT1つだけ。慣れてきたら、必要に応じて2つ目を追加」
なぜ大事?:ツールごとに操作方法が少しずつ違うため、最初から複数使うと混乱します。私たちがサポートしたシニアの方で、3つ同時に始めようとして「もうわからない!」と投げ出してしまったケースがありました。1つに絞って1ヶ月使いこなしてから、次のツールを検討しましょう。
失敗4:「有料にしないとちゃんと使えない」と思い込む
❌ 「どうせ無料だとたいしたことないんでしょ? 最初から有料にしなきゃ」
⭕ 「無料のまま1ヶ月使ってみて、物足りなくなったら有料を考える」
なぜ大事?:2026年5月時点では、どのツールも無料プランで日常的な使い方には十分です。「有料にしたけど使いこなせなかった」というのが一番もったいないパターン。まずは無料で試して、自分に合っているか確かめてからでも遅くありません。
失敗5:「AIに詐欺にあった」と焦ってしまう
❌ 「『AIの料金が未払いです』というメールが来た! すぐに払わなきゃ」
⭕ 「身に覚えのない請求メールは無視。不安ならお子さん・お孫さんに相談」
なぜ大事?:AI関連の詐欺メールやSMS(ショートメール)が増えています。ChatGPTやGeminiの公式から「料金が未払い」という連絡が来ることは通常ありません。不審なメールのリンクは絶対にクリックしないでください。
子世代・孫世代が親に教えるときの3つのコツ
「親にAIを教えたいけど、うまく伝えられない……」という方のために、実際にうまくいったコツをお伝えします。
コツ1:「AIって何?」の説明は後回しにする
「AIとは人工知能のことで……」という説明から始めると、ほとんどの場合つまずきます。代わりに、「こういうことができるんだよ」と結果を先に見せるのが効果的です。
たとえば、お母さまの目の前でChatGPTに「今晩のおかず、豚肉とキャベツで何が作れる?」と音声で聞いて、すぐにレシピが出てくるところを見せる。「すごい!」と思ってもらえれば、もう半分成功です。
コツ2:最初は「1ツール × 1用途」に絞る
「ChatGPTで献立を聞く」——これだけを教えてください。メールの書き方も、旅行の計画も、全部後回し。1つの使い方に慣れてから、「実はこんなこともできるんだよ」と少しずつ広げていくのがコツです。
コツ3:画面のスクリーンショットを送っておく
離れて暮らしている場合、電話だけで操作を教えるのは大変です。事前に「ここを押してね」と赤丸をつけたスクリーンショットをLINEで送っておくと、スムーズにいきます。
私の母(70代)にChatGPTの使い方を電話で教えたいのですが、
スマホ(iPhone)でのChatGPTアプリの始め方を、手順ごとに教えてください。
各手順に「画面のどこを押すか」がわかるように説明してください。
母はスマホの操作に慣れていないので、できるだけかんたんな言葉でお願いします。
※不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
AIツールを安全に使うためのルール5つ
どのツールを使う場合でも、以下の5つのルールを守ってください。ご家族でぜひ共有してください。
ルール1:個人情報を入力しない
保険証番号・通帳の暗証番号・マイナンバー・クレジットカード番号は絶対に入力しないでください。
ルール2:医療・お金の判断はAIに任せない
AIの回答は参考情報です。病気の判断は主治医に、お金の判断は税理士やファイナンシャルプランナーに相談してください。
ルール3:AIの答えを鵜呑みにしない
AIは時々間違えます。特に電話番号、住所、お店の営業時間などは、公式サイトや電話で必ず確認してください。
ルール4:知らない人からの「AI関連」の電話やメールに注意
「AIツールの料金が未払いです」「AIアカウントがハッキングされました」——こうした連絡は詐欺の可能性が高いです。不安な場合は、お子さんやお孫さんに相談してから対応してください。
ルール5:困ったら閉じて大丈夫
変な画面が出たり、わからなくなったりしたら、アプリを閉じてしまって大丈夫です。AIとの会話は、途中でやめても問題ありません。データが消えたり、お金がかかったりすることはありません。
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よくある質問(FAQ)
Q. AIツールを使うのにお金はかかりますか?
A. ChatGPT、Gemini、Copilot、Claude、Perplexityのいずれも無料で始められます。日常的な質問であれば、無料の範囲で十分です。有料プランは月額1,200円〜3,200円ほどですが、まずは無料で試してみることをおすすめします。
Q. スマホがないとAIは使えませんか?
A. パソコンでも使えます。特にMicrosoft Copilotは、Windowsパソコンに最初から入っているので、スマホがなくてもすぐに始められます。
Q. 音声で話しかけても、ちゃんと日本語を聞き取ってくれますか?
A. ChatGPTとGeminiは日本語の音声認識の精度が高く、ゆっくりした話し方にも比較的対応できます。静かな場所で、スマホに向かってはっきり話すのがコツです。
Q. 1つのツールに決められません。2つ使ってもいいですか?
A. もちろん大丈夫です。ただし、最初は1つに絞って慣れることをおすすめします。慣れてから「検索はPerplexity、文章はChatGPT」のように使い分けると、混乱しにくいです。
Q. AIに話しかけた内容が、他の人に見られることはありませんか?
A. 通常の利用では、他の人にあなたの会話が見られることはありません。ただし、ツールの改善のために入力内容が使われる場合があります。個人情報は入力しないようにしましょう。各ツールの設定画面から「会話を学習に使わない」オプションをオンにすることもできます。
Q. 家族に「AI依存」になるのが心配と言われました。
A. AIは「道具」です。電話やテレビと同じで、上手に使えば生活が便利になります。最終的な判断は自分でする、人との会話の代わりにしない——この2つを意識していれば、心配しすぎる必要はありません。
参考・出典
- ChatGPT のプラン|無料版、Plus、Pro — OpenAI公式(参照日: 2026-05-14)
- Gemini Live で自然に会話する — Google公式ヘルプ(参照日: 2026-05-14)
- Copilot による AI アシスタンス — Microsoft公式(参照日: 2026-05-14)
- Claude Mobileでの音声入力の使用 — Anthropic公式ヘルプ(参照日: 2026-05-14)
- Voice Mode FAQ — OpenAI公式ヘルプセンター(参照日: 2026-05-14)
- 4 Best AI Voice Assistants For Seniors In 2026 — TechFixAI(参照日: 2026-05-14)
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること:上の早見表を見て、自分(またはご家族)に合いそうなツールを1つだけ選んでください。迷ったらChatGPTでOKです
- 今週中:選んだツールをスマホに入れて、「今晩のおかず何がいい?」と聞いてみてください。音声入力で試すと、もっとかんたんです
- 今月中:1つの使い方に慣れたら、「手紙を書いてもらう」「旅行先を調べる」など、2つ目の用途を試してみてください
次回予告:次の記事では「ChatGPTの音声モードをシニアが120%活用する方法」をテーマに、声だけでAIを使いこなすテクニックをお届けします。
著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
ご質問・ご相談は お問い合わせフォーム からお気軽にどうぞ。
最終確認日:2026年5月19日
シニア向けAIツール比較5選|使いやすいのはどれ?とは
シニア向けAI活用とは、60代・70代の方とご家族が、スマホや会話型AIを生活の中で安全に使うための実務ガイドです。この記事のテーマである「シニア向けAIツール比較5選|使いやすいのはどれ?」も、AIの出力をそのまま正解にするのではなく、人が確認する前提で使うことで実務に落とし込みやすくなります。 この記事では、ChatGPT・Gemini・Copilotなど人気AI5つを「60代でも使いやすいか」で徹底比較。音声入力・文字サイズ・料金・日本語対応を実際に試して、シニアとご家族におすすめのツールを紹介します。という観点を中心に整理しています。
まず結論
まず結論として、AIは作業を速くする道具ですが、事実確認、個人情報・機密情報の扱い、外部公開前の確認は人が担うべきです。小さな業務から始め、確認手順を残すことで、記事内の手順を現場で再現しやすくなります。
比較・整理表
| 観点 | AIで軽くできること | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 本人が使う場面 | 音声入力、文章作成、写真整理、旅行準備などを軽くする | 個人情報、医療判断、金銭判断をAI任せにしない |
| 家族が支援する場面 | 設定、入力例、確認手順を一緒に作る | 本人の同意と理解を確認する |
| 外部情報を調べる場面 | 候補や確認項目を整理する | 公式窓口、病院、自治体など一次情報で確認する |
実務で使う手順
- 対象業務と成果物を1つに絞ります。
- 入力してよい情報と入力してはいけない情報を分けます。
- AIの下書きを作り、事実・日付・数字・固有名詞を確認します。
- 公開または社内共有の前に、担当者が最終確認します。
- 使ったプロンプトと修正点を残し、次回のテンプレートに反映します。
公式ソース
FAQ
シニアがAIを使う時に最初に注意することは何ですか?
氏名、住所、電話番号、病歴、口座情報などを入れないことから始めます。
家族はどこまで手伝うべきですか?
設定と確認手順は一緒に作り、本人が理解できる範囲で少しずつ使うのが現実的です。