結論: ChatGPT(チャットジーピーティー)の音声モードは、孫や友人と話す前の「話す練習相手」としても使えます。設定さえ整えれば、個人情報を守りながら安心して練習できます。
この記事の要点:
- 要点1: ChatGPTの音声モードは声で話しかけるだけで会話でき、無料プランでも試せます(OpenAI公式)
- 要点2: 会話データを「AIの学習に使わない」設定に変えられます。音声・映像のクリップは30日で自動的に整理されます
- 要点3: 本番の電話をかける前に、言いたいことを声に出して整理する「練習台」として使えます
対象読者: 電話や久しぶりの会話に、ちょっと緊張してしまう方。そのご家族。
読了後にできること: スマホでChatGPT音声モードの安全な設定を済ませ、最初の練習会話を試せます。
「もしもし、〇〇です……」
この一言が、なぜかすっと出てこないことがあります。先日、70歳のお母さまが「区役所に電話をかけなきゃいけないんだけど、何て言えばいいか分からなくて」と、お子さん(45歳)に相談したという話をうかがいました。用件は簡単な手続きの確認だけだったのですが、「聞き取れなかったらどうしよう」「話が長くなったら迷惑かな」と、電話の前にすっかり気が重くなってしまったそうです。
お仕事を辞めたり、一人暮らしになったりすると、家族以外の人と声に出して話す機会は、思っている以上に減っていきます。久しぶりの電話や、慣れない窓口でのやりとりに、緊張してしまうのは自然なことです。
そこで役立つのが、ChatGPTの音声モード(声で話しかけると、声で返事をしてくれる機能)です。本番の前に、言いたいことを声に出して一度練習しておく。それだけで、当日の緊張はぐっと軽くなります。相手はAIなので、何度言い直しても、恥ずかしい思いをすることはありません。
この記事では、シニアの方が安心して音声モードを「話す練習」に使うための安全な設定7ステップを、画面の操作手順つきでやさしく解説します。そのまま声に出して使える練習フレーズも5つご用意しました。お子さん・お孫さんと一緒に、ぜひ試してみてください。
ChatGPT音声モードとは?「話す練習」に向く3つの理由
ChatGPTの音声モードとは、スマホやパソコンに声で話しかけると、声で返事をしてくれる会話機能です。電話で人と話すのと同じような感覚で使えます(OpenAI公式)。
似た機能に「音声入力」がありますが、こちらはマイクのアイコンを押して話した内容を文字に変換するためのものです。声で話した内容がそのまま画面の文字になるだけで、AIと会話をするものではありません(OpenAI公式)。音声入力の基本的な使い方は、シニアのChatGPT音声入力|文字を打たずにAIと話す方法で詳しく解説しています。この記事では「声でやりとりする会話機能」にしぼって、練習相手としての使い方をお伝えします。
また、日々の孤独対策として話し相手にする使い方は、シニアの話し相手にChatGPTを使う時の安全ルールで紹介しています。今回は「雑談の相手」ではなく、本番の会話の前にリハーサルする道具として音声モードを使う方法に的をしぼってご紹介します。
理由1: 何度でも言い直せる
人間相手だと、同じ話を何度も言い直すのは気が引けます。でもAI相手なら、うまく言えなくても、聞き取ってもらえなくても、何度でもやり直せます。「今のは違う言い方にしたいから、もう一度」も気軽に言えます。
理由2: 声に出すことで、頭の中が整理される
言いたいことを頭の中だけで考えていると、いざ話す時に言葉が出てこないことがあります。声に出して一度練習しておくと、実際の場面でもスムーズに話せます。私たちが個別サポートしたシニアの方(71歳・男性)は、「病院の予約変更の電話をかける前に、ChatGPTに練習相手になってもらったら、本番では思ったよりすらすら話せた」とおっしゃっていました。
理由3: 話す速さや声の相性を選べる
設定で声の種類を変えられるので、聞き取りやすい・話しやすいと感じる相手を選べます。ゆっくり話してほしい時は、会話の中で「もう少しゆっくり話してください」とお願いすることもできます。
使う前に整える「安全な設定」7ステップ
練習を始める前に、この7つだけ確認しておきましょう。難しい操作はありません。1つずつ、画面を見ながら進めてください。
ステップ1: ChatGPTアプリを開き、音声のマークをタップする
入力欄(文字を打つところ)の右側にある音声のマークをタップします。初めての場合、「マイクへのアクセスを許可しますか?」という画面が出るので、「許可」を選んでください。会話をしている間だけマイクが使われる仕組みで、常に録音されているわけではありません。
ステップ2: 好きな声を選ぶ
初めて使う時に、声の種類を選ぶ画面が出ます。ChatGPTには9種類の声(Arbor・Breeze・Cove・Ember・Juniper・Maple・Sol・Spruce・Vale)が用意されているので、聞き取りやすい・話しやすいと感じるものを選びましょう(OpenAI公式)。あとから「設定」→「音声」でいつでも変更できます。
ステップ3: 言語を「日本語」に設定する
「設定」→「音声」→「言語」から、ふだん話す言語を選べます。日本語を選んでおくと、聞き取りの精度が上がります(OpenAI公式)。
ステップ4: 「モデルの学習に会話を使わない」に設定する
「設定」→「データコントロール」を開きます。「みんなのためにモデルを改善する」をオフにしておくと、会話の記録がAIの学習に使われなくなります(OpenAI公式)。この設定はオフが基本、と覚えておくと安心です。
ステップ5: 音声データの保存期間を知っておく
音声モードで話した内容は、文字の記録(会話履歴)と一緒に30日間保存されます。会話を削除すると、音声の記録もあわせて消えていきます(OpenAI公式)。「練習の内容を残したくない」という場合は、練習が終わったらその会話を削除しておきましょう。
ステップ6: 個人情報は話さないと決めておく
練習の内容に、氏名・住所・電話番号・保険証番号・暗証番号などを具体的に含めないようにしましょう。「区役所への確認の電話を練習したい」なら、「マイナンバーカードの再発行について聞きたい」くらいの一般的な内容にとどめ、実際の番号や住所は声に出さないようにします。
ステップ7: 家族と一緒に、最初の1回を確認する
ここまでの設定は、お子さん・お孫さんと一緒に確認するのがおすすめです。特にステップ4のデータコントロールは、画面の場所が分かりにくいことがあるので、一度一緒に操作しておくと、その後は一人でも安心して練習できます。
「話す練習」に使える場面5つとプロンプト(AIへの指示文)
設定が整ったら、実際に声に出して練習してみましょう。そのまま話しかけられる例文を5つ用意しました。
場面1: 病院の予約を電話で変更する練習
今度、病院の診察予約を電話で変更したいです。
来週の火曜日の予約を、再来週の同じ曜日に変更したいという内容で、
受付の人に何と伝えればいいか、短い会話の例をやってみましょう。
まずあなたが受付の人になって、私が電話をかける役をやります。
※ 不足している情報があれば、最初に質問してから始めてください。
ポイント: 「あなたが受付役、私が電話をかける役」と役割を伝えると、実際の会話に近い練習ができます。うまく言えなかったところは、その場で「今のところ、もう一度言ってみて」と練習し直せます。
場面2: 久しぶりに孫へ電話する時の第一声を練習する
半年ぶりに、中学生の孫に電話をかけます。
最初の一言と、近況を聞く時の話しかけ方を3つ考えてください。
かたくなりすぎず、自然な感じがいいです。
※ 仮定した点は必ず「仮定」と明記してください。
ポイント: 「久しぶりだから何を話せばいいか分からない」という時こそ、練習の効果を感じやすい場面です。実際に試してくれた69歳の読者の方は、「最初の一言さえ決まっていれば、あとは自然に話が続いた」とおっしゃっていました。
場面3: 町内会・自治会での自己紹介を練習する
来月から町内会の班長になりました。
初めての会合で、自己紹介を30秒くらいでする練習をしたいです。
簡単な自己紹介の例文を作って、そのあと私が声に出して練習するので
聞いてフィードバックをください。
※ 不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
ポイント: 「フィードバックをください」と伝えると、話した後に「ゆっくりで聞き取りやすかったです」のような感想も返してくれます。人前で話す前の肩慣らしになります。
場面4: デイサービスや近所の方との世間話を練習する
デイサービスで会う方と、最近始めた話題(趣味の話でも天気の話でも)で
世間話をする練習をしたいです。
私が話しかける役をやるので、自然な相づちを返してください。
※ 仮定した点は必ず「仮定」と明記してください。
ポイント: 雑談の練習は正解がないので、気軽に何度でも試せます。「相づちのバリエーションを増やしたい」と伝えると、いろいろな返し方を教えてくれます。
場面5: 窓口で聞かれそうな質問に備える
来週、市役所の窓口で介護保険の手続きについて相談する予定です。
窓口の人からよく聞かれそうな質問を3つ想定して、
私が答える練習に付き合ってください。
※ 不足している情報があれば、最初に質問してから始めてください。
※ 制度の正確な内容は、必ず窓口や公式サイトで確認します。
⚠️ 重要な注意: 介護保険や年金など、行政手続きの具体的な条件・金額はChatGPTの回答だけを信じず、必ず市区町村の窓口や公式サイトで確認してください。ここでの練習は、あくまで「話し方」の練習であり、制度の最終判断はAIの役目ではありません。
【要注意】よくある失敗パターンと回避策
失敗1: マイクを許可しないまま話しかけて、反応しない
❌ 最初の「マイクへのアクセスを許可しますか?」で「許可しない」を選んでしまう
⭕ 「許可」を選ぶ。会話中だけマイクが使われる仕組みで、常時録音ではありません
なぜこれが起きるか: 心配になって、つい「許可しない」を選んでしまう方が多いです。設定を不安に思う気持ちは当然ですが、ステップ4・5で紹介した「学習に使わない設定」と「30日での整理」を確認しておけば、必要以上に心配せずに使えます。
失敗2: 練習のつもりが、つい個人情報を話してしまう
❌ 練習中に「私の口座番号は〇〇で……」と、つい本物の情報を話してしまう
⭕ 練習前に「今日はどの場面を練習するか」を決め、番号や住所は「(仮の番号)」と言い換える
なぜこれが重要か: 練習だからと油断すると、つい本物の個人情報を口にしてしまうことがあります。ステップ6で決めた「話さないルール」を、練習を始める前に一言確認する習慣をつけましょう。
失敗3: 「話す練習」のつもりが、本当の相談になってしまう
❌ 介護保険や医療費の話を、ChatGPTの回答だけで判断してしまう
⭕ 話し方の練習と、制度の正確な内容の確認を分ける。制度面は窓口や専門家に確認する
なぜこれが重要か: ChatGPTは「もっともらしい受け答え」を作るのが得意ですが、行政手続きや医療・お金に関する具体的な条件は間違えることがあります。練習相手としては優秀でも、専門家の代わりにはなりません。
失敗4: 声の相性が悪くて、話しにくいまま我慢してしまう
❌ 最初に選んだ声が聞き取りにくいのに、そのまま使い続ける
⭕ 「設定」→「音声」からいつでも声の種類を変更する
なぜこれが重要か: 声の聞き取りやすさは、人によって感じ方が違います。1つ目の声が合わなかったからといって諦めず、9種類の中から相性のいい声を探してみてください。
家族が気をつけたいこと(子世代・孫世代の方へ)
ここからは、親御さんに音声モードを教えたいお子さん・お孫さん世代に向けてお伝えします。
最初に手伝ってあげたいのは、ステップ4のデータコントロール設定です。「設定」の中でも見つけにくい場所にあるので、一度一緒に操作しておくと安心です。あわせて、練習の題材を選ぶ時も「まずは軽い話題から」と一緒に決めてあげると、無理なく続けられます。
正直にお伝えすると、音声モードでの練習は完璧ではありません。聞き取りにくい時もありますし、話がかみ合わないこともあります。それでも、「本番の前に一度声に出しておく」というだけで、当日の緊張が和らぐ方は多いです。うまくいかなくても、「もう一度」と言い直せばいいだけ、と伝えてあげてください。
よくある質問(FAQ)
無料プランでも練習に使えますか?
はい。ChatGPTの音声モードは無料プランでも利用できます。利用できる時間や機能はプランや状況によって変わり、上限に近づくとアプリ内に通知が表示されます(OpenAI公式)。まずは無料で試してみましょう。
練習した会話の内容は、誰かに見られますか?
「設定」→「データコントロール」で「みんなのためにモデルを改善する」をオフにしておけば、会話がAIの学習に使われることはありません。音声・映像のクリップは会話履歴と一緒に30日間保存され、会話を削除すると一緒に整理されます(OpenAI公式)。個人情報(氏名・住所・口座番号など)は、念のため話さないようにしましょう。
パソコンでも練習できますか?
できます。ブラウザで chatgpt.com にアクセスし、入力欄にある音声のマークを選ぶと、パソコンでも音声での会話ができます(OpenAI公式)。マイクとスピーカーの設定が必要な場合があるので、初めての方はスマホアプリから始めるのがおすすめです。
本当の電話や対面の会話の代わりになりますか?
いいえ、代わりにはなりません。あくまで「本番の前に声に出して整理する練習台」です。行政手続きや医療・お金に関わる具体的な内容は、必ず窓口や主治医・専門家に確認してください。
音声入力(マイクで文字を打つ機能)と何が違いますか?
音声入力は、話した内容を文字に変換して入力するための機能です。今回紹介した音声モードは、AIと声でやりとりする会話機能で、別の機能です(OpenAI公式)。音声入力の使い方はこちらの記事で解説しています。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: ChatGPTアプリで音声のマークをタップし、「設定」→「データコントロール」で学習利用をオフにする(所要時間: 3分)
- 今週中: 近いうちにかける予定の電話を1つ選んで、音声モードで話す練習をしてみる
- 今月中: お子さん・お孫さんと一緒に設定を見直し、「困った時の連絡先」を決めておく
次回予告: 次の記事では「ChatGPTで作る、久しぶりの人へのお手紙・年賀状の文面」をテーマに、声に出さずに文章で気持ちを伝える方法をお届けします。
参考・出典
- ChatGPT Voice(Voice Mode FAQ) — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-11)
- Voice Dictation FAQ — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-11)
- What are the Data Controls settings? — OpenAI Help Center(参照: 2026-07-11)
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