2026年9月1日(火曜)から、日本年金機構の緑の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が、順次ご自宅に届いています。 やることは、はがきに3か所書いて、目隠しシールと切手を貼って、ポストに入れるだけ。添付書類は原則いりません。
そして、いちばん大事な日付がこれです。令和9年(2027年)1月4日(月曜)までに日本年金機構へ届けば、令和8年(2026年)10月分にさかのぼって受け取れます。 この日に間に合わなかった場合は、請求した月の翌月分からになります。つまり、出すのが遅れた分だけ、もらえる月が減ります。
給付金は年金に上乗せして支払われるお金で、令和8年度の基準額は月額5,620円(老齢の場合)。前の年度の5,450円から3.2%増えました。
最終確認日:2026年9月3日(日本年金機構・厚生労働省の公開情報で確認)
この記事でわかること
- 届いた緑の封筒が何なのか、詐欺ではないと判断してよい理由
- 対象になる3つの条件(2026年10月分からの新しい所得基準で)
- 「月額5,620円」がそのままもらえる金額ではない理由と、実際の計算
- はがきの出し方7ステップ(記入するのは3か所だけ)
- はがきが届かないとき・なくしたときにどこへ連絡するか
- 給付金をかたる詐欺電話の見分け方
こんな方に向けて書いています:日本年金機構から緑の封筒が届いた60代〜80代の方、まだ届いていないけれど自分は対象かもしれないと思っている方、そして「実家に何か届いたらしいが、放っておいて大丈夫なのか」と気になっているお子さん世代の方。
今日やること:まず、封筒を捨てないでください。中身を全部出して、机の上に並べるところまでで結構です。話はそこからです。
1. 届いた緑の封筒は何?「これは詐欺ではありません」と言える理由
まず落ち着いていただきたいのですが、日本年金機構から届く緑の封筒は本物の郵便物です。毎年9月の第1営業日から順次送られていて、2026年は9月1日(火曜)が発送開始日でした。
中に入っているのは「年金生活者支援給付金請求書」という、はがきの形をした書類です。この給付金は、消費税率の引き上げ分を活用して、年金などの収入が一定の基準より少ない方の暮らしを支えるために、年金に上乗せして支払われるお金です。今年になって新しくできたものではなく、毎年この時期に案内が送られています。
「詐欺かどうか」の見分け方は、実はとても簡単です。
| 本物(日本年金機構) | 給付金をかたる詐欺 |
|---|---|
| 郵便で届く(緑の封筒) | 電話・SMS・メールから始まる |
| はがきに書くのは氏名・電話番号・提出日の3か所だけ | 口座番号・暗証番号・家族構成を聞いてくる |
| お金を求めることはない | 「手数料が必要」と言われる |
| ATMの操作を指示することはない | 「ATMへ行ってください」と言われる |
日本年金機構と厚生労働省は、公式に「電話でお客様の家族構成や金融機関の口座番号・暗証番号をお聞きすることはありませんし、手数料などの金銭を求めることはありません」と案内しています。この一文を覚えておけば、判断できます。
「はがき型」ではなく分厚い書類が届いた方へ
封筒の中身は、全員が同じではありません。
- はがき型が届いた方:日本年金機構が「この方は受け取れる」と判定した方に送られています。書いて出すだけです。
- A4サイズの請求書と「所得状況届」が届いた方:支給要件に当てはまるかどうかを機構側で確認できなかった方に送られています。所得の情報を確認するための書類が一緒に入っています。
どちらも「出さないと受け取れない」点は同じです。分厚いほうが届いた方は、書く欄が少し増えるだけだと思ってください。
なお、日本年金機構からは1年のうちに何度か別の郵便物が届きます。8月に届いた「意向確認書」と混同しやすいので、年金の意向確認書|AIで7ステップ確認もあわせて確認しておくと、書類の見分けがつきやすくなります。
2. 対象になるのはどんな人?3つの条件を確認する
老齢基礎年金を受け取っている方の場合、次の3つを「すべて」満たしている方が対象です。1つでも欠けると受け取れません。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
- 請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税になっている
- 前年の年金収入金額とその他の所得の合計が、基準額以下である
3つ目の「基準額」が、今回いちばん間違えやすいところです。

今回のはがきで使う基準額(令和7年の所得で判定)
9月に届くはがきは、令和8年10月分からの給付金を請求するものです。この判定に使われるのは、令和7年(2025年)の年金収入とその他の所得の合計です。同封されている公式リーフレット(令和8年度版)に、次の数字が書かれています。
| 生まれた時期 | 老齢年金生活者支援給付金 | 補足的老齢年金生活者支援給付金 |
|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ | 826,500円以下 | 826,500円を超え926,500円以下 |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 824,100円以下 | 824,100円を超え924,100円以下 |
「補足的」というのは、基準額を少し超えてしまった方のために用意されている、金額を調整した給付金のことです。少し超えたからといって、いきなりゼロになるわけではありません。
「809,000円」という数字を見た方へ
インターネットで調べると、809,000円(昭和31年4月1日以前生まれの方は806,700円)という数字も出てきます。日本年金機構ホームページの解説ページにも、この数字が載っています。どちらが正しいのでしょうか。
どちらも正しく、使う場面が違います。
| 基準額 | 判定に使う所得 | 対象になる月 |
|---|---|---|
| 809,000円 / 806,700円 | 令和6年(2024年)の所得 | 令和8年9月分まで |
| 826,500円 / 824,100円 | 令和7年(2025年)の所得 | 令和8年10月分から |
この給付金は10月分から翌年9月分までを1つの区切りとして、毎年その前の年の所得で判定し直す仕組みになっています。日本年金機構のQ&Aでも「令和6年分の所得額等が809,000円以下」と、年をはっきり書いて説明されています。厚生労働省の特設サイトでも、対象かどうかの簡易チェックの上限がすでに「924,100円〜926,500円」に切り替わっています。
いま手元に届いたはがきに関係するのは、826,500円のほうです。古い数字で「自分は超えているからダメだ」と判断しないでください。
障害基礎年金・遺族基礎年金を受けている方
老齢のほかに2種類あります。こちらは所得の見方が変わります。
| 種類 | 支給要件(所得) | 給付額(月額) |
|---|---|---|
| 障害年金生活者支援給付金 | 令和7年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下 | 1級 7,025円/2級 5,620円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 令和7年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下 | 5,620円(子が2人以上で受け取る場合は人数で割った額) |
自分で計算して「対象外」と決めつけない
ここが実務でいちばん大事です。最終的な判定は、日本年金機構が市町村から所得の情報を受け取って行います。 ご自身で電卓を叩いて「たぶん超えている」と判断し、届いたはがきを出さずに捨ててしまうのが、いちばんもったいないやり方です。
そもそもはがき型が届いた時点で、機構側は「受け取れる」と判定しています。届いたら出す。これが正解です。
3. いくら受け取れる?「月額5,620円」は基準額であって満額ではない
ニュースなどで「月5,620円」という数字を見た方が多いと思います。これは基準額であって、全員がこの金額を受け取るわけではありません。
令和8年度の給付基準額は、令和7年度の5,450円から3.2%の増額改定で5,620円になりました。年金本体(老齢基礎年金)の改定率が1.9%だったのに対し、給付金のほうが大きく上がっています。
実際の金額の決まり方
老齢年金生活者支援給付金は、国民年金の保険料をどれだけ納めたかによって1人ずつ計算されます。次の(1)と(2)を足した金額です。
| 計算するもの | 計算式(月額) |
|---|---|
| (1) 保険料納付済期間に基づく額 | 5,620円 × 保険料納付済期間 ÷ 480月 |
| (2) 保険料免除期間に基づく額 | 11,768円 × 保険料免除期間 ÷ 480月 |
- 480月というのは、40年間ぶんの月数です。
- (2)の11,768円は、保険料の全額免除・4分の3免除・半額免除の期間に使う金額です(保険料4分の1免除の期間は5,884円)。昭和31年4月1日以前生まれの方は、それぞれ11,734円・5,867円になります。
日本年金機構が示している計算例を見ると、イメージがつかめます。納付済みが240か月、全額免除が60か月の方の場合です。
- 5,620円 × 240 ÷ 480月 = 2,810円
- 11,768円 × 60 ÷ 480月 = 1,471円
- 合計 4,281円(月額)
つまり、5,620円という数字は「40年間まるまる納めた方の目安」だと考えてください。
自分の金額を調べる、いちばん早い方法
計算式を追う必要はありません。届いたはがきに、請求した場合に支給される見込額(月額)が印字されています。 そこを見るのが最も早く、最も正確です。
「どこに書いてあるかわからない」という場合は、はがきを手元に置いたまま、この記事の後半で紹介する電話窓口に聞くのがおすすめです。年金額そのものの確認方法は年金支給日はいつ?ねんきんネットで振込額確認7ステップにまとめてあります。
4. はがきの出し方7ステップ(書くのは3か所だけ)
ここからが本題です。書く欄は3か所しかありません。

ステップ1:封筒の中身を全部出して並べる
緑の封筒には、はがき(請求書)のほかに、案内のリーフレット、電子申請の案内、目隠しシールが入っています。机の上に全部出して並べるところから始めてください。まだ書かなくて結構です。
ステップ2:はがきを切り取り線に沿って切り離す
はがきは、案内の用紙とつながった状態で入っています。切り取り線に沿って、まっすぐ切り離します。 はさみでもかまいません。
ステップ3:3か所だけ書く(氏名・電話番号・提出日)
書くのは次の3つだけです。
| 書く欄 | 何を書くか |
|---|---|
| 氏名 | はがきのあて名に記載された氏名をそのまま書く |
| 電話番号 | 日中に連絡がとれる電話番号 |
| 提出日 | 記入する日の日付 |
公式の指示は「日中連絡のとれる電話番号」です。日中に電話に出られないことが多い方は、確実につながる番号を書いてください。連絡がつかないことのほうが困ります。
ステップ4:同封の目隠しシールを貼る
はがきに書いた内容が他人に見えないように、同封されている目隠しシールを貼ります。ここで2つ注意があります。
- 同封のシール以外のもの(セロテープ、市販のシールなど)を貼らない
- はがきを折り曲げない
機械で読み取るため、余計なものが貼ってあると処理できなくなります。
ステップ5:差出人欄を書いて、切手を貼る
うっかりしやすいのがここです。このはがきは、切手を貼る必要があります。 料金受取人払いではありません。あわせて、あて名面の差出人欄にご自身の住所・氏名を書きます。
切手の額は、投函する時点のはがきの郵便料金です。郵便局の窓口で「このはがきを出したい」と見せれば、必要な切手を教えてもらえます。
ステップ6:郵便ポストに投函する
はがきに書かれた提出期限までに届くように投函します。年金事務所の窓口へ持参・郵送しても受け付けてもらえます。
スマートフォンとマイナンバーカードをお持ちの方は、電子申請でも提出できます(令和7年1月以降にはがき型が届いた方が対象)。電子申請で出した場合、郵送は不要です。手順は同封のリーフレットに載っています。
ステップ7:通知書と振込を確認する
提出から1〜2か月後に「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が届きます。さらに、初回の振込月の上旬に振込通知書が届きます。ここに実際の金額が書かれています。
5. いつ振り込まれる?「1月4日」を過ぎるともらえる月が減る
給付金は、年金と同じ受取口座に、年金とは別に振り込まれます。原則として偶数月の15日に、その前月までの2か月分がまとまって支払われます。
たとえば、令和8年10月分と11月分は、12月中旬に振り込まれます。

期限を過ぎても手続きはできる。ただし取り返せない
はがきには提出期限が印字されています。日本年金機構のQ&Aでは、この期限について次のように説明されています。
- 令和9年1月4日(月曜)までに日本年金機構へ届いた場合 → さかのぼって令和8年10月分から受け取れる
- 令和9年1月4日(月曜)までに届かなかった場合 → 請求した月の翌月分からになる
はがきに書かれた提出期限を過ぎても、手続き自体はできます。ただし1月4日を過ぎると、10月分・11月分・12月分といった過去の分は戻ってきません。
引き出しにしまい込んで年末に思い出す、というのがいちばんありがちな失敗です。届いた週のうちに出してしまうのが確実です。
6. そのまま使えるAIへの相談文(プロンプト)6つ
ここからは、スマートフォンのAI(人工知能)に手伝ってもらうやり方です。ChatGPTなどのアプリに、下の文章をそのまま打ち込む(または声で読み上げる)だけで使えます。AIを使うのが初めての方は、高齢者のためのChatGPT入門|家族と始める安心5ステップから先に読んでください。
AIに絶対に打ち込まないもの
基礎年金番号、金融機関の口座番号、暗証番号、マイナンバー、はがきそのものの写真。
これらは入力しなくても、下の相談文はすべて機能します。役所の書類を読み解くときの安全な使い方は役所の書類をChatGPTで読み解く方法にまとめています。
プロンプト1:封筒の中身を確認するチェックリストを作ってもらう
日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」の
緑の封筒が届きました。
中身を確認して出すまでにやることを、
70代の私が机の上で1つずつ確認できるチェックリストにしてください。
・専門用語は使わないでください
・1行を短くしてください
・「切手を貼る」など、忘れやすいことは目立つように書いてください
プロンプト2:自分が対象かどうかを整理してもらう
年金生活者支援給付金の対象になる条件を、
次の3つの観点で私が自分で確認できる質問の形にしてください。
(1) 年齢と受けている年金の種類
(2) 世帯全員の市町村民税が非課税かどうか
(3) 前年の年金収入とその他の所得の合計
※金額は私が自分で調べて当てはめます。
あなたが金額を推測して書かないでください。
プロンプト3:はがきに何を書くかを声に出して教えてもらう
はがきに書く欄が3つあります。
「氏名」「電話番号」「提出日」です。
それぞれに何を書けばよいか、
私が声で確認しながら書けるように、
1つずつ短い文で読み上げる原稿にしてください。
プロンプト4:離れて暮らす家族に説明する文章を作ってもらう
実家の親に日本年金機構から年金生活者支援給付金の
はがきが届きました。
これは詐欺ではなく本物の書類であること、
やることは3か所書いて切手を貼って出すだけであることを、
親にLINEで送る短い文章にしてください。
不安をあおらない、やさしい言い方にしてください。
プロンプト5:電話で聞くことを先にまとめてもらう
年金の窓口に電話をかけて、
年金生活者支援給付金について質問します。
聞き忘れがないように、質問リストを5つ作ってください。
私が知りたいのは、
・自分の見込額はいくらか
・いつ振り込まれるか
・提出期限はいつか
です。
※私の個人情報は書かないでください。
プロンプト6:不審な電話かどうかを判断する材料をもらう
「年金生活者支援給付金の手続きで」と名乗る電話がありました。
本物の日本年金機構なら「言わないこと・しないこと」を
箇条書きで教えてください。
そのうえで、私がその場で電話を切るべき合図を3つ挙げてください。
7. よくある失敗3パターン
失敗①:切手を貼らずにポストに入れてしまう
- ❌ 「役所からの書類だから、返信は無料だろう」と思ってそのまま投函する
- ⭕ 切手を貼る。差出人欄も書く。郵便局で見せれば必要な額を教えてもらえる
料金受取人払いではありません。公式の案内にも「切手を貼り、差出人欄を記入したうえで、郵便ポストに投函してください」とはっきり書かれています。
失敗②:詐欺だと思って捨ててしまう
- ❌ 「給付金」という言葉が入っているから怪しい、と封も開けずに処分する
- ⭕ 郵便で届いたものは開けて中身を見る。判断するのは、電話がかかってきたときで十分
詐欺は電話・SMS・メールから始まります。郵便で届いて、書くのが氏名・電話番号・提出日の3か所だけ、お金を求められない。この3点が揃っていれば、本物と考えて差し支えありません。
失敗③:あとでやろうと引き出しにしまう
- ❌ 「期限まで時間があるから」と封筒ごとしまい、年末に思い出す
- ⭕ 届いた週のうちに出す。書く時間は5分かかりません
令和9年1月4日を過ぎると、10月分にさかのぼる権利がなくなります。1か月遅れれば、その1か月分は戻ってきません。
8. はがきが届かない・なくした・書き損じたとき
届かないとき
対象になるはずなのに届かない場合は、自己判断で待たずに電話で確認してください。日本年金機構の案内も「給付金専用ダイヤル、またはお近くの年金事務所までご相談ください」となっています。
| 連絡先 | 番号 |
|---|---|
| 給付金専用ダイヤル(ナビダイヤル) | 0570-05-4092 |
| 050から始まる電話からかける場合 | 03-5539-2216(東京・一般電話) |
受付時間:月曜 8時30分〜19時/火〜金曜 8時30分〜17時15分/第2土曜 9時30分〜16時。第2土曜以外の土日祝、12月29日〜1月3日はお休みです。月曜が祝日の場合は、翌日以降の平日の初日に19時まで受け付けています。
かけ間違いが多い番号なので、公式の案内でも次の2点が注意されています。
- 「0570」の最初の「0」を省略しない
- 「0570」の前に市外局番をつけない
つながりやすい時間帯がある
公式リーフレットに、電話のつながりやすさの目安が書かれています。これは意外と知られていません。
| つながりやすい時期 | つながりにくい時期 |
|---|---|
| 週の後半 | 月曜日など休日明け |
| 第2土曜日 | 通知書などが届いた直後から5日間程度 |
| 月の後半 | — |
いま(発送直後)はいちばん混む時期です。急ぎでなければ、週の後半に、はがきを手元に置いてかけるのがおすすめです。
なくした・書き損じた
封筒やはがきをなくした場合は、日本年金機構ホームページから「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」をダウンロードし、必要事項を書いてお近くの年金事務所に提出します。ダウンロードや印刷が難しい場合は、給付金専用ダイヤルに相談してください。
すでに受け取っている方は、毎年の手続きは原則不要
一度手続きをすれば、翌年以降は自動で判定されます。日本年金機構が毎年、市町村から所得の情報の提供を受けて、引き続き支給要件に当てはまるかを確認する仕組み(継続認定)になっているためです。
- 金額が変わった場合 → 「支給金額変更通知書」が届く
- 当てはまらなくなった場合 → 「不該当通知書」が届く
- 金額が変わらない場合 → 通知書は届きません(届かないのが正常です)
すでに亡くなった家族あてに届いた場合
日本年金機構が請求書を作成したあとに死亡届が提出された場合、データの反映が間に合わず、請求書が送られてしまうことがあります。この場合は破棄してかまいません(公式Q&Aにそう案内されています)。
9. 「給付金」をかたる詐欺への備え
給付金の話題が出る時期は、それをかたる詐欺も増えます。日本年金機構と厚生労働省が公式に注意を呼びかけているのは、次の点です。
- 日本年金機構や厚生労働省が、電話で家族構成や金融機関の口座番号・暗証番号を聞くことはない
- 手数料などの金銭を求めることはない
これに1つ足すなら、「ATMへ行ってください」と言われたら100%詐欺です。ATMで給付金を受け取る手続きは存在しません。この手口の断り方は還付金詐欺からシニアを守る|ATM誘導を断る7チェックに詳しくまとめています。
不審に感じたときの相談先も決めておきましょう。
| 相談先 | 番号 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 不審な電話・訪問があったとき |
| 給付金専用ダイヤル | 0570-05-4092 | 本物かどうか、機構に直接確かめたいとき |
窓口の使い分けはシニアの詐欺相談窓口7選|188と#9110の使い分けガイドにまとめてあります。冷蔵庫や電話台に番号を貼っておくと、慌てずに済みます。
10. 離れて暮らす家族ができること
お子さん世代が手伝う場合、知っておくと段取りが早くなることが3つあります。
1. 電話は「二親等以内」なら代理でかけられる
二親等以内のご家族は代理人として、通知の内容についての問い合わせができます。ただし電話の際は、ご本人の基礎年金番号に加えて、代理人ご自身の基礎年金番号も必要です。かける前に両方を手元に用意してください。
2. 帰省したときに「封筒の場所」を決めておく
年金機構からの郵便物は年に何度か届きます。「年金の郵便はこの箱に入れる」と場所を1つ決めておくだけで、紛失も、あとで探す手間もなくなります。
3. はがきの写真は撮っても、送り先に気をつける
内容の確認のために写真を撮るのは有効ですが、AIアプリやSNSにそのまま送らないでください。氏名・住所・基礎年金番号が写り込みます。家族間のやり取りにとどめてください。
家計全体の見直しまで話が広がったときは、シニアのお金管理をChatGPTで楽にする7ポイントが入口になります。
FAQ
Q1. 緑の封筒が届きました。これは詐欺ではないですか。
A. 日本年金機構から郵便で届く本物の書類です。2026年は9月1日(火曜)から順次発送されています。詐欺は電話・SMS・メールから始まり、口座番号や暗証番号、手数料を求めてきます。郵便で届き、書く欄が氏名・電話番号・提出日の3か所だけで、お金を求められないのであれば本物です。
Q2. いつまでに出せばいいですか。
A. はがきに提出期限が印字されています。令和9年(2027年)1月4日(月曜)までに日本年金機構へ届けば、令和8年(2026年)10月分にさかのぼって受け取れます。過ぎても手続きはできますが、その場合は請求した月の翌月分からになります。
Q3. 対象になるのはどんな人ですか。
A. 老齢の場合、①65歳以上で老齢基礎年金を受けている、②世帯全員の市町村民税が非課税、③前年(令和7年)の年金収入とその他の所得の合計が826,500円以下(昭和31年4月1日以前生まれの方は824,100円以下)——の3つをすべて満たす方です。少し超えた方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」があります。
Q4. いくらもらえますか。月5,620円ですか。
A. 5,620円は基準額で、実際の金額は国民年金の保険料をどれだけ納めたかによって1人ずつ変わります。日本年金機構の計算例では、納付済み240か月・全額免除60か月の方で月額4,281円です。ご自身の見込額は、届いたはがきに印字されています。
Q5. ハガキが届きません。対象外ということですか。
A. そう決めつけないでください。届かない場合は、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)またはお近くの年金事務所に相談するよう、日本年金機構が案内しています。なお、すでに給付金を受け取っている方には届きません(毎年の手続きは原則不要のため)。
Q6. 切手は自分で貼るのですか。
A. はい。切手を貼り、差出人欄を記入したうえで、郵便ポストに投函します。料金受取人払いではありません。ここを忘れて出してしまう方が毎年います。
Q7. いつ振り込まれますか。
A. 原則として偶数月の15日に、その前月までの2か月分が、年金と同じ口座に年金とは別に振り込まれます。たとえば令和8年10月分と11月分は12月中旬です。提出から1〜2か月後に支給決定通知書が、初回振込月の上旬に振込通知書が届きます。
Q8. 来年もまた手続きが必要ですか。
A. 原則として不要です。日本年金機構が毎年、市町村から所得の情報の提供を受けて継続して確認します(継続認定)。金額が変わったときは「支給金額変更通知書」、当てはまらなくなったときは「不該当通知書」が届きます。金額に変更がない場合は通知書自体が届きません。
参照・確認ソース
すべて2026年9月3日にアクセスして確認した一次情報です。
- 日本年金機構「令和8年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」(更新日 2026年9月1日)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202609/0901.html - 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」(更新日 2026年9月1日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/ta.html - 日本年金機構「年金生活者支援給付金手続きのご案内リーフレット(令和8年度版)」PDF
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/ta.files/leaflet.pdf - 日本年金機構「年金生活者支援給付金」(更新日 2026年9月1日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/20190805.html - 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」(更新日 2026年4月1日)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/rourei.html - 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」(更新日 2026年4月1日)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html - 日本年金機構 年金Q&A「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。」(更新日 2026年9月1日)
https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/hagaki/kigen.html - 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/
今日できる3つのこと
- 緑の封筒を探して、中身を全部机に出す。 捨てていないか、まずそこだけ確認してください。
- はがきに印字された「見込額(月額)」を見る。 ご自身の金額は、計算しなくてもそこに書いてあります。
- 氏名・電話番号・提出日の3か所を書いて、切手を貼って出す。 かかる時間は5分もありません。
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次回予告:年末に向けて、年金の振込通知書や源泉徴収票など「年金機構から届く紙」を種類ごとに見分ける方法を、AIへの相談文つきで紹介します。
この記事を書いた人
佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・シリーズ累計51,400部)。SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆。