最終確認日:2026年6月6日
役所の手続きや申請書って、用語がむずかしくて「何から手をつけたらいいの」と止まってしまいますよね。そんなとき、ChatGPT(チャットジーピーティー=文章で答えてくれるAI)に「やさしく言いかえて」とお願いすると、制度の中身や必要な書類、手続きの流れを、ふだんの言葉でかみくだいてくれます。この記事では、住民票や各種証明、給付金などの「よくある手続き」を、ChatGPTに相談しながら進める方法を、話しかけ方の例つきでご紹介します。
まず結論:ChatGPTは「下調べと整理の相棒」
大事なことを先にお伝えします。ChatGPTは、手続きそのものを代わりにやってくれる道具ではありません。役所の窓口に行く前の「下調べ」と「頭の整理」を手伝ってくれる相棒だと思ってください。
- この記事の結論:手続きの言葉をかみくだいて理解し、聞くことを整理する。最終確認は必ず役所で。
- 要点3つ:①制度や書類をやさしく説明してもらう ②申請書の「書き方のコツ」を下書きしてもらう ③窓口で聞くことをリストにする
- 対象の方:役所の手続きが「むずかしい・わからない」と感じる60〜80代の方と、そのご家族
- 今日できること:手元にある手続きの案内(封筒の中身など)を、ChatGPTに「やさしく説明して」とお願いしてみる
ChatGPTは便利ですが、答えが少し古かったり、まちがっていることもあります。手続きの正しい内容・必要書類・締め切り・できるかどうかは、必ず役所の窓口や公式サイトで確認してください。AIはあくまで「とっかかりの理解」を助けるだけ、と覚えておくと安心です。

最初に約束:入れてはいけない情報があります
使い始める前に、ひとつだけ強くお願いがあります。マイナンバー(12けたの番号)、銀行の口座番号、暗証番号(パスワード)、生年月日や住所などの個人情報は、ChatGPTに絶対に入れないでください。
ChatGPTは、入力した文章を学習や改善に使うことがあります。デジタル庁も、生成AIに個人情報や機密情報を入力しないよう注意を呼びかけています。だから手続きの相談をするときは、番号や名前を抜いた「一般的な聞き方」にするのがコツです。
たとえば、こんなふうに話しかけます。
「高齢の親が住民票の写しを取りたいです。必要なものと、当日の流れを、専門用語を使わずにやさしく教えてください。」
このように、自分の番号や住所を書かなくても、手続きの「やり方」はちゃんと教えてもらえます。逆に「私のマイナンバーは…」などと書く必要はまったくありません。ここだけは、ご家族にも伝えておきましょう。
その1:手続きの中身をやさしく説明してもらう
役所からの案内や、市役所のホームページの説明は、どうしても固い言葉が多いですよね。「現況届」「受給資格」「添付書類」…読んでいるうちに疲れてしまいます。そんなときは、ChatGPTに「小学生にもわかるように」とお願いすると、ぐっとやさしくなります。
話しかけ方の例です。
「市役所の手続きで『印鑑登録証明書』というものが必要だと言われました。これは何のことか、何に使うものか、専門用語を使わずに教えてください。」
「『現況届』という言葉が出てきました。どういう意味で、だれが、いつ出すものなのか、やさしく説明してください。」
制度の名前や必要書類の意味を、ふだんの言葉になおしてもらえるので、「そういうことだったのね」と理解の入り口になります。ただし、説明の内容が今のルールと合っているかは、役所の案内や公式サイトでもう一度たしかめてください。市区町村によって、必要なものが少しちがうこともあります。
その2:申請書の「書き方のコツ」を下書きしてもらう
申請書の記入欄を前にすると、「ここは何を書けばいいの」と手が止まりますよね。ChatGPTは、記入例や書き方のコツを教えてくれます。ここでも、自分の番号や住所などの個人情報は入れず、「一般的な書き方」を聞くのがポイントです。
こんなふうに頼んでみましょう。
「住民票の写しの申請書には、ふつうどんな項目を書きますか。書くときに気をつけることも、やさしく教えてください。」
「申請の理由を書く欄があります。『年金の手続きのため』と書きたいとき、どんな言い方にすればていねいですか。短い例文を3つ作ってください。」
ChatGPTが作るのは、あくまで「下書き」や「言い方の見本」です。実際の申請書には、自分の手で、正しい内容を書き写してください。名前・住所・日付などは、AIに作らせるのではなく、ご自身で記入するのが安全です。書き終わったら、ご家族にもう一度見てもらうと、書き間違いを防げます。
その3:オンライン申請(マイナポータル)の流れを予習する
最近は「マイナポータル」というスマホやパソコンのサービスで、家にいながら手続きできるものが増えています。でも、いきなり画面を開くと不安ですよね。そんなときは、ChatGPTで「流れの予習」をしておくと、落ち着いて進められます。
話しかけ方の例です。
「マイナポータルというサービスを使うのが初めてです。どんなことができて、使い始めるには何を準備すればいいか、やさしく教えてください。」
「オンラインで手続きをするとき、つまずきやすいところはどこですか。シニアが気をつける点を、わかりやすく挙げてください。」
こうして「だいたいの流れ」を頭に入れておくと、本番であわてにくくなります。ただし、マイナポータルの実際の画面操作や、ログインのときの暗証番号は、ChatGPTに伝えてはいけません。操作でわからないところが出たら、AIではなく、家族やお住まいの市区町村の窓口(マイナンバー総合フリーダイヤルなど)に聞きましょう。実際のサービス内容は、必ずデジタル庁などの公式サイトで確認してください。
その4:窓口で聞くことを整理しておく
役所に行ったとき、「あれも聞けばよかった」と帰り道で気づくこと、ありますよね。せっかく出かけるなら、聞くことをメモにまとめてから行きましょう。ChatGPTは、この「質問リスト作り」がとても得意です。
こんなふうに頼みます。
「これから市役所で、高齢者向けの給付金について相談します。窓口で聞いておくとよいことを、質問リストにして、やさしい言葉で5つ作ってください。」
「手続きに持っていくと安心なものを、忘れもの防止のチェックリストにしてください。」
質問リストと持ち物リストが手元にあると、窓口で落ち着いて話せます。リストを紙に書き写して持っていけば、その場で確認しながら進められて安心です。聞いた答えは、その場でメモしておきましょう。
その5:よくある手続きの「調べ方」を教えてもらう
住民票、印鑑証明、各種の証明書、給付金、引っ越しのときの届け出…。手続きの種類はたくさんあって、どこに何を聞けばいいのか迷いますよね。ChatGPTに「調べ方の道しるべ」を聞くと、最初の一歩がわかります。
話しかけ方の例です。
「引っ越しをします。役所でしなければいけない手続きには、どんなものがありますか。やさしい言葉で一覧にしてください。」
「高齢者が使える給付金や助成があると聞きました。どんな種類があって、どこに相談すればよいか、ざっくり教えてください。」
ここで返ってくるのは「だいたいの見取り図」です。とても便利ですが、金額・締め切り・自分が対象になるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の窓口や公式サイトで確認してください。給付金などは年度によって内容が変わり、AIの情報が古いこともあります。「調べる方向を教えてもらう」までにとどめ、最終判断は人と役所に任せるのが、いちばん安全な使い方です。
つまずきやすいポイントと、その直し方
はじめは、ちょっとしたところでつまずきがちです。よくある失敗と、やさしい直し方をまとめました。
- ❌ 自分のマイナンバーや住所を入力してしまう
⭕ 番号や住所は書かず、「高齢の親が〜」のように一般的な聞き方にする。これがいちばん大事な約束です。 - ❌ AIの答えをそのまま信じて窓口に行かない
⭕ ChatGPTの説明は「下調べ」。必ず役所の窓口か公式サイトで最終確認する。 - ❌ むずかしい言葉で質問して、むずかしい答えが返ってくる
⭕ 「専門用語を使わず、やさしく」「小学生にもわかるように」と一言そえる。 - ❌ 一度の質問で全部わかろうとして混乱する
⭕ 「もう少しかんたんに」「例を1つ出して」と、何度も聞きなおしてOK。AIは怒りません。
うまくいかなくても、まったく心配いりません。お子さんやお孫さんに一緒に見てもらうのも、とてもよい方法です。「ここがわからない」と画面を見せるだけで、ぐっと進みやすくなります。
安全に使うための、3つの合言葉
最後に、ずっと安心して使うための合言葉を3つ、覚えておきましょう。
- 番号は入れない:マイナンバー・口座番号・暗証番号は、ChatGPTに絶対に書かない。
- 最後は役所で:手続きの内容・書類・締め切りは、必ず窓口か公式サイトでたしかめる。
- 困ったら人に:操作や判断で迷ったら、AIより先に家族や役所の窓口に相談する。
この3つさえ守れば、ChatGPTは手続きの心強い味方になってくれます。「むずかしくてわからない」が「なるほど、こういうことね」に変わる。その入り口として、ぜひ気軽に使ってみてください。
関連記事
あわせて読むと、手続きまわりがもっとラクになります。
- 役所の書類をChatGPTで読み解く方法|シニア向け確認メモ作成術 — 役所から届いた書類を整理したいとき
- マイナ保険証をChatGPTで整理|受診準備7ステップ — マイナンバーカードまわりの準備に
- 高齢者のためのChatGPT入門|家族と始める安心5ステップ — ChatGPTを初めて使う方へ
著者プロフィール
佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援に携わり、シニアの方が安心してAIを使えるサポートにも力を入れています。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
出典・参考
※本記事は2026年6月時点の情報です。手続きの内容・必要書類・締め切り・対象になるかどうかは年度や市区町村によって変わります。最新の正確な情報は、必ずお住まいの役所の窓口または公式サイトでご確認ください。