「日記をつけたいけれど、毎日なにを書けばいいのか分からない」——そんなときの“きっかけ作り”と“言葉の整え役”を、ChatGPT(チャットジーピーティー=AIの会話アプリ)にやさしく手伝ってもらえます。日記の中身はあくまであなた自身のもの。AIは、今日あったことを思い出す質問を投げかけたり、ひと言メモを読みやすい文章に整えたりする“相棒”です。難しい操作はいりません。話しかけるだけで大丈夫です。
この記事でわかること(要点3つ)
- 書くことが浮かばないときに、ChatGPTに「今日のことを思い出す質問」をしてもらう方法
- ひと言メモを、ひとまとまりの文章にやさしく整えてもらう方法
- 毎日つづけるコツと、家族に残す思い出メモのつくり方
この記事はこんな方へ:日記や記録を続けたいシニアの方(60〜80代)と、そのお子さん・お孫さん世代の方。
今日やること:下の「今日あったことを3つだけ」ChatGPTに話しかけてみる——たったこれだけです。
※ この記事は2026年6月時点の情報です。ChatGPTの画面や名前は、今後すこし変わることがあります。

毎日の日記とChatGPTの「ちょうどいい関係」
わたしはこれまで、たくさんの方とスマホを一緒に触ってきました。その中で多かったのが「日記を始めたけれど、三日でやめてしまった」という声です。理由を聞いてみると、ほとんどが「書くことが思いつかない」「うまく文章にできない」の2つでした。
ここで大事なのは、日記の主役はあなた自身だということです。何を感じたか、誰と会ったか、それは世界でたった一人、あなたにしか書けません。ChatGPTにできるのは、その手前と後ろのお手伝いです。
- 手前:「今日はどんな日でしたか?」と質問して、思い出すきっかけを作る
- 後ろ:あなたが書いたひと言メモを、読みやすい文章にやさしく整える
つまり、ChatGPTは「言葉の整え役」と「きっかけ作り」。日記の中身を勝手に作るものではありません。むしろ、あなたの本当の言葉を引き出してくれる聞き上手な相手だと思ってください。
なお、これは「自分史(じぶんし=人生をまとめた一冊)」とは少しちがいます。自分史が「これまでの一生をふり返るアルバム」だとすれば、日記は「今日という一日の小さな足あと」です。毎日の小さな記録を、肩の力を抜いて残していく——それがこの記事のテーマです。じっくり人生をまとめたい方は、記事の最後にある関連記事もご覧ください。
書くことが浮かばないとき|今日を思い出す質問のもらい方
白い紙やまっさらな画面を前にすると、不思議と何も思い浮かばないものです。そんなときは、ChatGPTに「質問してください」とお願いしてみましょう。手順はとてもかんたんです。
- ChatGPTを開いて、文字を打つか、マイクのボタンで声で話しかけます
- 下の「話しかけ例」をそのまま伝えます
- ChatGPTが3つほど質問を返してくれるので、答えられそうなものを1つ選びます
- その答えを、ひと言だけメモのように打ち込みます
- 「これを日記の文章にしてください」とお願いします
ChatGPTへの話しかけ例(そのまま使えます):
「わたしは70代です。今日の日記を書きたいのですが、何を書けばいいか思いつきません。今日のことを思い出せるような、やさしい質問を3つだけ出してください。むずかしい言葉は使わないでください。」
すると、たとえばこんな質問が返ってきます。「今日、いちばん長くいた場所はどこですか?」「今日、口にした食べ物で印象に残ったものは?」「今日、声を出して話した相手はいましたか?」。どれも、ちょっと考えれば答えられるものばかりです。
答えが「スーパーに行った」だけでも大丈夫。次のように続けてみてください。
「『スーパーに行った』だけでは短いので、もう少し思い出すための質問を、やさしく2つしてください。」
「何を買いましたか?」「お店で誰かに会いましたか?」——こうして少しずつ、その日の景色がよみがえってきます。思い出すのは自分、質問するのはChatGPT。この役割分担が、続けるいちばんのコツです。
ひと言メモを文章に整える|“一行”を“一段落”に
「今日のこと、3つだけメモした。でも文章にするのが面倒」。これも、よくいただく声です。じつはこの“面倒”こそ、ChatGPTがいちばん得意なところです。
たとえば、こんなひと言メモがあるとします。
「孫が来た。たこ焼き食べた。雨。」
これを、次のようにお願いしてみましょう。
「次のメモを、日記らしいやわらかい文章にしてください。3〜4行くらいで、わたしが話しているような口調でお願いします。事実は変えず、ないことは足さないでください。メモ:『孫が来た。たこ焼き食べた。雨。』」
すると、「今日は朝から雨でしたが、孫が遊びに来てくれて、家の中がにぎやかになりました。お昼にはみんなでたこ焼きを焼いて食べました。外は寒くても、心はあたたかい一日でした」——といった、読み返してうれしくなる文章に整えてくれます。
ここで大切なお願いごとが1つあります。「事実は変えず、ないことは足さないでください」と必ず添えることです。AIは、たまに話を“盛って”しまうことがあります。実際にはなかった出来事まで書かれては、日記の意味がありません。整えてもらったあとは、必ずご自身で読み返して、「これは本当にあったことかな?」と確かめてください。最後の確認は、いつもあなたの役目です。
文章が長すぎたり、かたく感じたりしたら、こう言えば直してくれます。「もっと短くしてください」「もっとやさしい言葉にしてください」。何度でもやり直してくれるのが、ChatGPTのいいところです。
毎日つづけるコツ|“今日のテーマ”と“ふり返り”
日記がいちばんやめやすいのは、「書くことがない日」です。そんな日のために、ChatGPTに“今日のテーマ”を出してもらう方法があります。これがあると、ぐっと続けやすくなります。
- 朝か昼に、ChatGPTへ「今日の日記のテーマを1つください」と話しかけます
- 「窓から見えたもの」「今日いちばん笑ったこと」など、小さなテーマが返ってきます
- そのテーマについて、夜にひと言メモを書きます
- 週に一度、「今週の日記をまとめて、よかったことを3つ教えて」とお願いします
ChatGPTへの話しかけ例:
「毎日続けやすいように、日記の小さなテーマを1つだけ出してください。重い話題ではなく、その日のうちに気づける身近なものでお願いします。」
「今日食べたもので、いちばんおいしかったもの」「今日聞こえてきた音」——こんな軽いテーマなら、構えずに書けます。テーマがあると「何を書こう」と悩む時間がなくなり、これが続けるうえでとても効いてきます。
そして週末には、その週のメモをまとめて読み返してみましょう。「あら、こんなこともあったのね」と、自分でもおどろくはずです。ふり返りは、日記をつける小さなごほうびです。毎日きっちり書こうとせず、「3日に1回でもいい」「ひと言だけでもいい」と気楽にかまえるのが、長く続ける秘けつです。
季節や行事を記録する|一年が思い出のアルバムになる
毎日の日記に少し慣れてきたら、季節や行事の記録を加えてみましょう。お正月、桜、夏まつり、紅葉、年の暮れ——日本には、心が動く日がたくさんあります。こうした節目を残しておくと、一年があとで読み返せる“思い出のアルバム”になります。
ChatGPTへの話しかけ例:
「今日は近所の桜を見に行きました。短い日記にしたいです。『桜が満開だった。お弁当を持っていった。風が気持ちよかった。』この3つを、やさしい文章にまとめてください。事実は変えないでください。」
行事のときは、写真もいっしょに残すと、あとで見返すのがいっそう楽しくなります。スマホの写真整理に不安がある方は、ChatGPTに整理のコツを聞くこともできます。文章と写真、両方そろうと、その日の空気まで残るような気がするものです。
また、来年のために「去年の今ごろは何をしていたかな」と思い出すのにも、この記録が役立ちます。「去年の桜の日記を読みたい」とChatGPTに頼めるよう、日付を入れておくと、なお便利です。
家族に残す思い出メモ|やさしい配慮の3つのルール
日記の中には、お子さんやお孫さんに残したい出来事もあるでしょう。「初めて孫がしゃべった日」「家族で旅行した日」——そんな大切な記憶を、読みやすい思い出メモにまとめてもらえます。
ChatGPTへの話しかけ例:
「孫の運動会の思い出を、孫が大きくなったときに読めるような、あたたかいメッセージふうのメモにしてください。メモ:『運動会。かけっこ2位。お弁当を一緒に食べた。よく頑張った。』事実は変えず、短くお願いします。」
ただし、人のことを書くときには、3つのやさしい配慮を忘れないでください。
- ① 人の名前や個人情報は控えめに。家族以外の方の本名や住所、電話番号などは、ChatGPTに入力しないようにしましょう。AIに伝えた文章は、サービスの改善などに使われる場合があります。マイナンバーや口座番号、パスワードといった大切な情報も、絶対に入れないでください(くわしくは、後述の公式情報をご覧ください)。
- ② 他の人のことは「事実」だけにとどめる。うわさや、本人が知られたくないかもしれないことは書かないのが、おたがいのためです。
- ③ 残す前に、ひと呼吸。家族に見せるメモは、書いたあと一日おいてから読み返すと、よりよい言葉が見つかることがあります。
ChatGPTは便利ですが、“何を残し、何を残さないか”を決めるのは、いつもあなた自身です。AIはお手伝い役。最後の判断は、あなたの心にまかせてください。
よくある失敗とやさしい直し方
最後に、わたしが実際によく見てきた“つまずき”と、その直し方を3つご紹介します。どれも、ちょっとした言い方で解決できます。
失敗1:文章が長くて、かたい
❌ そのまま受け取って「むずかしいな」とやめてしまう
⭕ 「もっと短く、やさしい言葉にしてください」と頼み直す
ChatGPTは、何度でも書き直してくれます。気に入る文章になるまで、遠慮なくお願いしてかまいません。
失敗2:ないことまで書かれてしまう
❌ 整えてもらった文章を、読まずにそのまま日記にする
⭕ 「事実は変えないで」と先に伝え、できた文章を必ず自分で読み返す
日記は、本当にあったことの記録です。最後の確認だけは、ご自身でしてください。
失敗3:毎日きっちり書こうとして、息切れする
❌ 「毎日ちゃんと書かなきゃ」と気負って、つらくなる
⭕ 「3日に1回」「ひと言だけ」でよし、と気楽にかまえる
続けることがいちばんの目的です。完ぺきをめざさず、ゆるやかに残していきましょう。
まとめ|今日からできる3つのこと
むずかしいことは何もありません。今日から、この3つだけ試してみてください。
- 今日:ChatGPTに「今日のことを思い出す質問を3つください」と話しかけ、答えをひと言メモする
- 今週中:そのメモを「やさしい文章に整えてください。事実は変えないで」とお願いしてみる
- 今月中:「今日のテーマを1つください」を毎日の習慣にして、週末にふり返る
日記は、上手に書くものではありません。今日という一日を、そっと残しておくものです。ChatGPTという聞き上手な相棒がいれば、その一歩がぐっと軽くなります。ご自身のペースで、無理なく始めてみてください。文字を打つのが大変な方は、声で話しかける方法もあります。お子さん・お孫さんに、最初だけ手伝ってもらうのもよい方法です。
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安心して使うための公式情報
AIに個人情報を入れすぎない、ネットを安全に使う——その基本は、公的機関の情報を確かめておくと安心です。
- 総務省「上手にネットと付き合おう!」(インターネットを安全に使うための情報)
- 個人情報保護委員会(個人情報の取り扱いに関する公式情報)
- 国民生活センター「高齢者・障がい者の消費者トラブル見守り情報」
- デジタル庁(デジタル活用の公式情報)
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著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業・地域でAI活用の研修と導入支援を行ってきました。シニアの方とスマホを一緒に触りながら、「むずかしくないAIの使い方」を伝える活動も続けています。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。