自治会・町内会の役をChatGPTでラクに|案内文・回覧板・議事録【2026】
結論:自治会・町内会の班長や役員が順番で回ってきても、心配いりません。行事の案内文、回覧板の文面、議事録のまとめ、就任のあいさつ文といった「文章をつくる仕事」は、ChatGPT(チャットジーピーティー=文章で答えてくれるAI=人工知能)が下書きを手伝ってくれます。文章づくりが苦手な方でも大丈夫です。
- 要点1:ChatGPTは「文章の下書きと整理を手伝う相談相手」です。決定や会計、住民への正式な連絡は、必ずご本人と役員会で確認します。
- 要点2:住民の名前・住所・電話番号などの個人情報は、AIに入力しません。これは一番大切な約束ごとです。
- 要点3:「だれに・いつ・何を・どんな調子で」を伝えるだけで、案内文や議事録の下書きが数分でできます。あとは中身を確認して直すだけです。
対象読者:順番で自治会・町内会の役(班長・組長・役員)が回ってきた60〜80代のご本人と、手伝うお子さん・お孫さん世代(30〜50代)。
今日やること:まず「今いちばん困っている文章」を1つだけ思い浮かべてみましょう。清掃のお知らせでも、会費のお願いでも構いません。それをChatGPTに頼む練習から始めます。
「今年は、うちが班長の番でね…。お知らせの文章を書くのが、どうにも気が重くて」
先日、70代のお父様にスマホの使い方をお教えしていたとき、こんなお話をうかがいました。長年お住まいの地域で、順番で町内会の班長が回ってきたとのこと。回覧板に挟むお知らせや、清掃当番の案内、班の集金のお願いなど、こまごまとした文章づくりが急に増えて、「文章は苦手だから」と、ずっとため息をついていらっしゃいました。
正直にお伝えすると、こうした地域の役の「文章を考える部分」は、ChatGPTがとても得意なところです。実際に一緒に試したところ、そのお父様は清掃のお知らせの下書きを5分ほどで作ることができ、「これなら自分にもできそうだ」と表情が明るくなりました。完成した文章を見て、奥様も「いつもよりずっと丁寧ね」と驚いていらっしゃいました。
この記事では、自治会・町内会の役で出てくる文章づくりを、ChatGPTへの具体的な指示文(プロンプト=AIへのお願いの文章)つきで、やさしく解説します。①お知らせ・案内文、②議事録・報告のまとめ、③あいさつ文・お願い文、④行事の段取り・チェックリスト、⑤住民からの問い合わせへの返事、の順にご紹介します。スマホやパソコンの基本操作ができれば大丈夫です。最初だけ、お子さん・お孫さんに隣にいてもらうと、より安心して進められます。
※ 本記事は2026年6月時点の情報です。自治会・町内会の運営のしかたは地域ごとに大きく異なります。実際の決定・会計・名簿の取り扱いは、必ずご本人と役員会・規約にもとづいて行ってください。
はじめに|ChatGPTがしてくれること・してはいけないこと
道具を使う前に、「何をしてくれて、何を任せてはいけないのか」をはっきりさせておきましょう。ここがあいまいだと、不安になったり、思わぬトラブルのもとになったりします。
ChatGPTがしてくれることは、文章の「下書き」と「整理」です。たとえば「清掃のお知らせを、やわらかい言葉で200字くらいで」とお願いすると、案を出してくれます。長い話し合いのメモを、読みやすい議事録の形に整えるのも得意です。言いまわしに迷ったとき、「もっと丁寧に」「もっと短く」と頼めば、何度でも書き直してくれます。
一方で、ChatGPTに任せてはいけないこともあります。会費の金額や行事をやるかどうかといった決定、お金の計算・会計、そして住民の個人情報の取り扱いです。これらは、ご本人と役員会で話し合い、規約にもとづいて決めるものです。AIは間違えることもあるので、出てきた文章はそのまま使わず、必ず中身を読んで確認してください。
イメージとしては、ChatGPTは「文章の下書きを手伝ってくれる秘書」、最後に内容を決めて名前を出すのはあなたと役員会、という関係です。この線引きさえ守れば、とても心強い味方になります。
【最重要】住民の個人情報はAIに入れない
地域の役を担うときに、もっとも気をつけたいのが個人情報の扱いです。これは安全のために、最初にしっかり覚えておきましょう。
住民の名前・住所・電話番号・世帯ごとの事情・班の名簿などは、ChatGPTに入力しません。こうした情報は、地域のなかだけで大切に管理すべきものです。ChatGPTに案内文を作ってもらうときも、宛名は「○○班の皆さま」「ご町内の皆さま」のように、個人が特定されない呼び方にします。具体的なお名前は、最後にご自分でパソコンや手書きで書き足せば十分です。
個人情報保護委員会(国の機関)も、個人情報は利用する目的の範囲で、安全に管理することが大切だと案内しています。自治会・町内会の名簿づくりや配布のルールに迷ったときは、AIに相談するのではなく、役員会や規約、お住まいの市区町村の窓口に確認してください。
下のように、「個人情報を入れずに頼む」のがコツです。これなら安心して使えます。
あなたは自治会の文章づくりを手伝う秘書です。
町内会の夏祭りの案内文を作ってください。
・宛名は「ご町内の皆さま」とし、個人名は使いません
・日時や場所は、私があとで自分で書き足すので「(日時)」「(場所)」と空欄にしてください
・やわらかく、親しみやすい調子で、250字くらい
不足している情報があれば、書き始める前に質問してください。
このように、日時・場所・お名前といった具体的な情報を「( )」の空欄にしてもらえば、個人情報を入れずに、きれいな下書きだけを受け取れます。

①お知らせ・案内文をChatGPTで作る(清掃・会費・回覧板)
役のお仕事でいちばん数が多いのが、お知らせや案内の文章です。清掃の当番、会費の集金、行事の案内、回覧板に挟む連絡など、毎月のように出てきます。一つひとつ手で考えると大変ですが、ChatGPTなら型を覚えてくれるので、2回目からはぐっと楽になります。
清掃のお知らせの例です。次のように頼んでみましょう。
町内の一斉清掃のお知らせ文を作ってください。
・宛名は「ご町内の皆さま」
・内容は、側溝(みぞ)の掃除と草取り
・持ち物は、軍手・ほうき・ゴミ袋
・日時と集合場所は「(日時)」「(集合場所)」と空欄にしてください
・雨のときは中止、という一文を入れてください
・かたくなりすぎず、ていねいな調子で200字くらい
会費・集金のお願いの例では、お金の話なので、ことさら丁寧な言いまわしにしたいものです。「角が立たないやわらかい言い方で」と添えると、安心できる文章になります。ただし、金額そのものは規約や役員会で決まったものを、ご自分で空欄に書き足してください。
町内会費の集金のお願い文を作ってください。
・宛名は「○○班の皆さま」
・金額は「(金額)円」と空欄にしておいてください
・集金にうかがう期間は「(期間)」と空欄に
・ご不在のときの連絡方法を一文添えてください
・お願いする立場として、丁寧でやわらかい調子で
できあがった文章は、声に出して一度読んでみるのがおすすめです。読みにくいところがあれば、「もっと短く」「むずかしい言葉をやさしく」とお願いすれば、すぐ直してくれます。手紙の言いまわし全般に自信がないときは、孫への手紙をChatGPTで作るテンプレートも、やわらかい文章づくりの練習になります。
②議事録・報告のまとめをChatGPTで整える
役員会や班の集まりのあと、話し合った内容を議事録にまとめるのも、役の大切なお仕事です。「何を話したか思い出せない」「文章にするのが難しい」という声をよく聞きますが、ここもChatGPTが助けになります。
コツは、会議中にメモした内容を、箇条書きのまま渡すことです。きれいな文章にする必要はありません。「夏祭り 8月 / 予算のこと相談 / 清掃 月1回に / 次回は来月」といった走り書きで構いません。それをChatGPTに渡して、読みやすい議事録の形に整えてもらいます。
次のメモを、町内会の議事録としてきれいにまとめてください。
・「決まったこと」と「次回までの宿題」を分けて書いてください
・読みやすい箇条書きで
・個人名は出さず、「担当の方」などに置きかえてください
メモ:
(ここに、ご自分で取った走り書きのメモを貼り付けます。
住民の名前など個人情報は入れず、役割の言葉に直してください)
このとき注意したいのは、やはり個人情報です。「○○さんが反対した」のような書き方ではなく、「ご意見が出た」と置きかえるよう、AIにも頼んでおきましょう。できあがった議事録は、必ず役員会で内容を確認してから配布・保管してください。AIのまとめは、あくまで下書きです。
③就任あいさつ・協力のお願い文をChatGPTで
新しく役に就いたときの「就任のあいさつ」や、行事への「協力のお願い」も、ChatGPTがあれば気おくれせずに書けます。あいさつ文は、最初の印象を左右する大切なものですが、型を知らないと書きにくいものです。
就任のあいさつなら、次のように頼んでみてください。
町内会の班長に就任したごあいさつの文章を作ってください。
・宛名は「○○班の皆さま」
・「至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします」という気持ちを丁寧に
・むずかしい言葉は使わず、やさしい調子で150字くらい
・自分の名前は「(氏名)」と空欄にしておいてください
協力のお願い(行事の手伝い、当番の交代など)では、「お願いごとなので、相手に負担を感じさせない言い方で」と添えるのがコツです。お祝いやお悔やみなど、地域でのあらたまった場面の言いまわしに迷ったときは、冠婚葬祭のマナーをChatGPTで確認する方法もあわせて読むと、失礼のない文章づくりの参考になります。
④行事の段取り・チェックリストをChatGPTで作る
夏祭り、防災訓練、新年会、清掃活動など、地域の行事には「準備のもれ」がつきものです。何を・いつまでに・だれが用意するのか。こうした段取りの整理も、ChatGPTに相談すると、抜けが見つかりやすくなります。
ここでは、ChatGPTと一緒にチェックリストを作る手順を、5つのステップでご紹介します。手順どおりに進めれば、初めての方でも準備の全体像が見えてきます。
- ChatGPTを開く:スマホやパソコンでChatGPTを開きます。不安なら、最初だけお子さん・お孫さんに隣で見てもらいましょう。
- 行事の内容を伝える:「町内の防災訓練の準備チェックリストを作ってください。参加はご町内の皆さま、当日は安否確認と消火器の使い方の練習をします」のように、やりたいことを伝えます。個人名は入れません。
- 「いつまでに」を入れてもらう:「『1か月前』『1週間前』『前日』『当日』に分けて書いてください」と頼むと、時期ごとに整理してくれます。
- 足りない準備がないか聞く:「ほかに準備しておくとよいことはありますか」と質問すると、雨天時の対応や、近隣への声かけなど、見落としがちな点を教えてくれます。
- 紙に印刷して役員会で確認する:できたリストを印刷し、役員会で「これでよいか」を相談します。役割分担や日時は、皆さんで決めて書き足してください。
このチェックリストは、来年の担当の方への「引き継ぎメモ」にもなります。一度作っておけば、役が次の方に回ったときにも喜ばれます。地域の集まりそのものの企画に役立つ考え方は、同窓会・集まりの幹事をChatGPTで進める方法でもくわしく紹介しています。
⑤住民からの問い合わせへの返事の下書きをChatGPTで
役を担っていると、住民の方から「今度の清掃は何時から?」「ゴミ出しのことで困っている」といった問い合わせを受けることがあります。こうした返事の文章も、ChatGPTに下書きを手伝ってもらえます。
ポイントは、相手の質問と、伝えたい答えだけを、個人情報を抜いて渡すことです。たとえば、こう頼みます。
町内の方から「次の一斉清掃は何時からですか」と聞かれました。
ていねいな返事の文章を作ってください。
・答えは「朝(時刻)から、(集合場所)に集合」です。時刻と場所は空欄にしておいてください
・「ご参加ありがとうございます」という気持ちを一文添えて
・短く、やわらかい調子で
ただし、返事の内容に確信が持てないとき(規約のこまかい話、お金やトラブルにかかわる相談など)は、AIの文章をそのまま送らないでください。「役員会で確認のうえ、あらためてご連絡します」と、いったん持ち帰るのが安全です。AIは言いまわしの下書きを助けてくれますが、最終的な内容の正しさを保証するものではありません。
【要注意】よくある失敗パターンと回避策
ChatGPTを地域の役で使うとき、つまずきやすいところがあります。先に知っておけば、安心して使えます。
失敗1:住民の個人情報を入れてしまう
❌「○○さん(住所つき)への連絡文を作って」
⭕「○○班の皆さまへのお知らせ文を作って。お名前は空欄に」
なぜ大切か:住民の名前・住所・電話番号は、地域のなかで管理すべき大切な情報です。AIには入力せず、宛名は「皆さま」、具体的な情報はご自分で書き足します。
失敗2:AIの文章をそのまま配ってしまう
❌ 出てきた文章を読まずに、回覧板へ
⭕ 声に出して読み、日時・場所・金額が正しいか確認してから配る
なぜ大切か:AIは、もっともらしいけれど事実と違うことを書く場合があります。とくに数字や日付は、必ずご自分で確かめてください。
失敗3:決定や会計まで任せてしまう
❌「会費はいくらにすればいい?」と相談して、その答えで決める
⭕ 金額や実施の可否は、規約と役員会で決める。AIには文章づくりだけ頼む
なぜ大切か:お金や運営の決定は、地域のルールと話し合いで決めるものです。AIは決定の責任を負えません。
失敗4:あいまいすぎる頼み方をする
❌「いい感じのお知らせを書いて」
⭕「清掃のお知らせを、やわらかい調子で200字くらいで。持ち物は軍手とゴミ袋」
なぜ大切か:AIは「いい感じ」の中身を知りません。だれに・何を・どんな調子で・どのくらいの長さで、を伝えるほど、ぴったりの文章が出てきます。
まとめ:今日から始める3つのアクション
自治会・町内会の役は、順番とはいえ、急に文章づくりが増えて戸惑うものです。でも、ChatGPTを「下書きの秘書」として使えば、その負担はぐっと軽くなります。最後に、今日からできることを3つにまとめます。
- 今日:いちばん困っている文章を1つ選び、個人情報を抜いて、ChatGPTに「やわらかい調子で○字くらい」と頼んでみましょう。
- 今週中:うまくいった頼み方を、紙やスマホのメモに「自分の型」として残しておきます。次から、もっと早く作れます。
- 今月中:行事のチェックリストを1つ作り、役員会で共有してみましょう。来年の担当の方への引き継ぎにもなります。
文章づくりが苦手でも、本当に大丈夫です。大事なのは、上手な言葉よりも、ご町内の皆さまを思う気持ちです。その気持ちを文章にする作業を、ChatGPTがそっと手伝ってくれます。役の一年が、少しでも軽やかなものになりますように。次回は、地域の防災や見守りにAIをどう生かすかを、やさしくご紹介する予定です。
なお、お知らせを早く正確に伝えるには、ご家族や近所の方との連絡も大切です。年末のごあいさつにそなえて、年賀状の文面をChatGPTで作る方法も、あわせて読んでおくと、季節ごとの文章づくりがぐっと楽になります。
参考・出典
- 地方自治制度|地域コミュニティ(自治会・町内会等の説明) — 総務省(参照日: 2026-06-04)
- 「コミュニティ団体運営の手引き」〜自治会、町内会、その他地域活動を行うグループの皆さまに〜 — 総務省(参照日: 2026-06-04)
- 個人情報保護法と各種ガイドライン — 個人情報保護委員会(参照日: 2026-06-04)
- 高齢社会白書 — 内閣府(参照日: 2026-06-04)
著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を行い、シニアの方やそのご家族向けにも、やさしいAIの使い方をお伝えしています。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。