SENIOR AI GUIDE

シニアAIガイド 記事

【2026年最新】シニアのデジタル終活をChatGPTで|スマホ・SNS・写真の整理7ステップ

⏱ 約21分で読めます
【2026年最新】シニアのデジタル終活をChatGPTで|スマホ・SNS・写真の整理7ステップ

結論:「デジタル終活」とは、スマホやパソコンの中にある情報・アカウント・お金まわりのサービスを、ご家族が困らないように元気なうちに少しずつ片付けておくことです。ChatGPT(チャットジーピーティー=AIに話しかけると文章を作ってくれる無料の道具)を使うと、何から手をつければいいかの一覧づくりや、ご家族への引き継ぎ書づくりがぐっとラクになります。

この記事の要点:

  • 要点1:国民生活センターには、亡くなった方のスマホのロックが解けず、ネット銀行やサブスク(毎月お金がかかる契約)が確認できないという相談が寄せられています(国民生活センター 2024年11月20日発表)。早めの準備が家族の負担を減らします。
  • 要点2:ChatGPTに「やることリスト」「片付けの手順」「家族へのお手紙の下書き」を作ってもらえば、ゼロから自分で考えなくても進められます。本記事ではそのまま使える指示文(プロンプト)を7本ご用意しました。
  • 要点3:パスワード・暗証番号・通帳番号などの「本物の機密情報」は、ChatGPTには絶対に打ち込まないこと。AIには「作り方・整理のしかた」だけを手伝ってもらい、中身の数字は手書きノートや家族にだけ伝えます。

対象読者:スマホやパソコンを使っている60代〜80代のご本人、そして「親のスマホの中身、もしもの時どうなるんだろう」と気になっている30代〜50代のお子さん世代。

今日やること:まずは「自分が使っているスマホ・パソコン・ネットのサービス」を思いつくまま紙に書き出すだけでOK。あとはこの記事の手順に沿って、ChatGPTに整理を手伝ってもらいましょう。

「もし自分にもしものことがあったら、このスマホの中身、家族はどうするんだろう……?」

先日、72歳の女性の方と一緒にスマホを触っていたとき、こんなお話を聞きました。ご主人を数年前に見送られたそうなのですが、ご主人のスマホがロック(暗証番号で開かない状態)のままで、何が入っているのか今も分からないというのです。「写真も見たいし、何か大事な契約が残っていないかも心配で。でも開け方が分からなくて、ずっとそのまま」とおっしゃっていました。

これは特別な話ではありません。実は、国民生活センターという国の相談窓口にも、こうした「デジタル遺品(スマホやパソコンの中に残された情報やお金まわりのこと)」の相談が増えていて、2024年11月にわざわざ注意を呼びかける発表まで出されました。スマホのロックが解けない、ネット銀行の口座が見つからない、毎月お金が引き落とされているサブスクを止められない――そんな「見えない契約」で、残されたご家族が困ってしまうのです。

でも、安心してください。元気な今のうちに、ほんの少しずつ準備しておけば、ご家族の負担は大きく減らせます。そして、その「準備」を手伝ってくれる頼もしい道具が、無料で使えるChatGPTです。難しいことは何もありません。話しかけるだけで、やることの一覧や、ご家族へのお手紙の下書きまで作ってくれます。

この記事では、スマホやパソコンの中の情報の片付け=デジタル終活を、7つのステップに分けてやさしくご案内します。コピーしてそのまま使える指示文(プロンプト)も7本つけました。お子さん・お孫さんに頼んで一緒に進めてもらってもOKです。ご自身のペースで、一つずつ進めていきましょう。

そもそも「デジタル終活」とは? なぜ今やっておくと安心なのか

「終活」という言葉は、テレビや雑誌でもよく見かけるようになりました。お墓のこと、お葬式のこと、財産のこと――そういった「人生の締めくくりの準備」のことですね。

エンディングノートの整理にAIを活用する具体的な方法は終活をChatGPTで進める5つの方法で詳しく解説しています。

その中でも最近とくに大事になってきたのが、「デジタル終活」です。難しく言うと「デジタル遺品の整理」ですが、もっとやさしく言えば、スマホやパソコンの中に入っている情報や、ネットで使っているサービスを、ご家族が後で困らないように片付けておくことです。

昔は、大事なものといえば通帳・実印・権利書など「目に見えるモノ」でした。ところが今は、銀行も証券もネットの中、写真もスマホの中、お買い物も毎月の支払いもネット。つまり、大事なものの多くが「スマホやパソコンの画面の向こう」に隠れているのです。

「自分にはそんな難しいものはない」と思われるかもしれません。でも、ちょっと思い浮かべてみてください。次のようなものは、すべて「デジタル遺品」になりえます。

  • スマホやパソコンそのもの(ロックを開けないと中身が見られない)
  • メールアドレス、LINE、フェイスブックなどのアカウント
  • ネット銀行・ネット証券・電子マネー・ポイント
  • 毎月お金がかかるサブスク(動画・音楽・新聞アプリなど)
  • スマホの中の写真や動画、思い出のデータ
  • ネット通販(アマゾンや楽天など)に登録したクレジットカード情報

こうして並べてみると、ほとんどの方が何かしら当てはまるのではないでしょうか。「自分には関係ない」と思っていた方ほど、実は整理が必要だったりするのです。

国民生活センターの2024年11月の発表でも、次のような相談が紹介されています。

  • 亡くなった家族のスマホがロックされていて、中身がまったく確認できない
  • ネット銀行や証券の口座がどこにあるのか分からず、財産の整理ができない
  • サブスク(動画見放題や音楽聞き放題など、毎月自動でお金がかかる契約)を解約できず、引き落としが続いてしまう
  • パスワードが分からず、SNS(フェイスブックやLINEなど)のアカウントをそのままにせざるをえない

正直にお伝えすると、これは「亡くなったあと」だけの問題ではありません。入院して急にスマホが触れなくなった、認知症が進んで暗証番号を忘れてしまった――そういう「元気なうちにできなくなる」場面でも、同じ困りごとが起きます。だからこそ、元気な今、頭がはっきりしている今こそが、デジタル終活のはじめどきなんです。

ChatGPTは「整理の相談相手」|何を頼める? 何を頼んではいけない?

ここで大事な「線引き」をお話しします。ChatGPTはとても便利ですが、使っていいこと絶対にやってはいけないことがあります。ここだけは、最初にしっかり覚えてください。

ChatGPTに頼んでいいこと(整理の手伝い)

  • 「何から片付ければいいか」のやることリストを作ってもらう
  • 「パスワード一覧表」のひな型(空っぽの表の形)を作ってもらう
  • 解約したいサブスクを書き出すための質問リストを作ってもらう
  • ご家族への「引き継ぎのお手紙」の下書きを作ってもらう
  • 「写真をどう整理すればいいか」の手順を教えてもらう

ChatGPTに絶対に入力してはいけないこと(本物の機密情報)

⚠️ ここが一番大事です。次のような「本物の数字・本物の中身」は、ChatGPTには絶対に打ち込まないでください

  • スマホやパソコンの本当のパスワード・暗証番号
  • 銀行口座の口座番号・キャッシュカードの暗証番号
  • クレジットカードの番号
  • マイナンバー、保険証番号
  • ご自身やご家族の住所・電話番号・生年月日

なぜダメなのか。ChatGPTは便利な道具ですが、入力した内容が会社側のしくみの中で扱われる「インターネット上のサービス」です。本物の暗証番号を打ち込むのは、知らない人がいるかもしれない場所で大事な番号を声に出して読み上げるようなもの。本物の中身は、紙のノートや、家族にだけ直接伝えるのが鉄則です。

つまりChatGPTには「表のひな型を作って」「手順を教えて」とお願いし、できあがった表の空欄に本物の数字を書き込むのは手書き・自分の手元だけ。この役割分担さえ守れば、安心して使えます。個人情報の取り扱いに不安があるときは、お子さん・お孫さんに相談しながら進めてください。

なぜ、デジタル終活にChatGPTが向いているのか

「終活のことなら、本を買えばいいのでは?」と思われるかもしれません。もちろん本も役に立ちます。でも、ChatGPTにはこんな良いところがあります。

  • あなたに合わせて答えてくれる:本は「みんな向け」ですが、ChatGPTは「わたしはスマホはこれを使っていて、写真がとても多くて……」と話せば、その人の状況に合わせて整理のしかたを提案してくれます。
  • 何度でも聞き直せる:「もっとやさしく説明して」「もう一度、最初から教えて」と、納得いくまで何度でも質問できます。相手に気をつかう必要がありません。
  • 無料で、今すぐ始められる:スマホかパソコンがあれば、その日のうちに始められます。お金もかかりません。
  • 文章づくりが得意:ご家族への引き継ぎ書や、エンディングノートの下書きなど、「自分で書くのは難しいけれど、形にしたい文章」をスラスラ作ってくれます。

正直にお伝えすると、ChatGPTも完璧ではありません。ときどき古い情報を答えたり、勘違いをすることもあります。だからこそ「全部おまかせ」ではなく、「たたき台を作ってもらって、最後は自分とご家族で確認する」という付き合い方が、一番うまくいきます。AIは便利な相談相手ですが、最終的に決めるのはご自身です。

デジタル終活の7ステップ|ChatGPTで進める具体的なやり方

ここからが本番です。デジタル終活を、無理なく進められる7つのステップに分けました。一度に全部やろうとしなくて大丈夫。1日1ステップでも、1週間に1つでも、ご自身のペースで進めてください。

各ステップに、ChatGPTにそのまま打ち込める指示文(プロンプト)をつけています。スマホのChatGPTアプリやパソコンの画面で、文章をコピーして貼りつけるか、書き写してお使いください。なお、生成AIの基本的な使い方に不安がある方は、サイト内のはじめての方向けの記事もあわせてご覧ください。

進め方の全体像を、先に表でご覧いただきましょう。「今どこをやっているか」が分かると、ぐっと進めやすくなります。

ステップ 片付けるもの むずかしさ
1 パスワード一覧 やさしい
2 SNSアカウント やさしい
3 ネット銀行・お金まわり ふつう
4 写真データ ふつう
5 サブスク(毎月の支払い) ふつう
6 家族への引き継ぎ書 やさしい
7 デジタル版エンディングノート やさしい

ステップ1:パスワード一覧の「作り方」を整える

最初の一歩は、ご自身が使っているサービスとパスワードを「一覧」にすることです。といっても、いきなり全部書き出すのは大変。まずはChatGPTに、書き込みやすい一覧表のひな型を作ってもらいましょう。

先ほどお話しした68歳の読者の方は、「頭の中ではいろいろ使っているのは分かるけど、いざ書こうとすると何があるか思い出せない」とおっしゃっていました。そんなときこそ、AIに「思い出すための質問」をしてもらうと、するすると出てきます。

あなたは、シニアのデジタル終活を手伝うやさしいサポーターです。
わたしが、もしものときに家族が困らないよう、スマホやパソコンで使っているサービスとパスワードを整理するための「一覧表のひな型」を作ってください。

・サービス名/使う場所(スマホ・パソコン)/ログインに使うメールアドレスやID/メモ欄、の列がある表にしてください。
・パスワードそのものは、わたしが手書きで書き込むので、表には「(手書きで記入)」とだけ書いておいてください。
・どんなサービスを思い出せばいいか、わたしが書き出せるように、よくある例(メール、SNS、ネット銀行、買い物サイトなど)を10個ほど挙げてください。

専門用語にはやさしい言いかえを添えてください。

使い方のコツ:できあがった表は、印刷して手元に置き、空欄に手書きで埋めていきます。本物のパスワードはChatGPTには入力せず、必ず紙にだけ書くこと。書いた紙は、通帳や実印と同じように、安全な場所にしまっておきましょう。

ステップ2:SNSアカウントの整理を考える

LINE、フェイスブック、インスタグラム、X(旧ツイッター)――こうしたSNS(人とつながるサービス)も、立派なデジタル遺品です。そのままにしておくと、なりすましに悪用される心配が指摘されることもあります。どのアカウントを持っているか、もしもの時にどうしてほしいかを整理しておきましょう。

わたしはシニアです。SNS(人とつながるインターネットのサービス)のアカウントを終活のために整理したいです。

・代表的なSNSの名前をやさしい説明つきで挙げてください。
・それぞれについて「もしもの時、家族に閉じてもらうか・残してもらうか」を、わたしが選んで書き込める一覧にしてください。
・SNSによっては、本人が亡くなったあとの設定(追悼アカウントなど)ができる場合があると聞きました。一般的な注意点を、断定せずにやさしく教えてください。

具体的な設定方法は、各サービスの公式の案内を確認するよう、最後にひとこと添えてください。

使い方のコツ:SNSごとに「亡くなったあとの設定」のしくみは違いますし、内容も変わっていきます。ChatGPTの答えはあくまで「考えるためのたたき台」です。実際の設定は、必ず各サービスの公式の案内を見ながら、お子さん・お孫さんと一緒に行ってください。

ステップ3:ネット銀行・証券の「お金まわり」を書き出す

ここはとても大切なところです。国民生活センターも、ネット銀行・証券の確認ができずに財産整理で困るケースを注意点として挙げています。お金まわりのサービスは、もれなく書き出しておきましょう。

ただし、繰り返しになりますが、口座番号や暗証番号そのものはChatGPTに入力しません。ChatGPTには「何を書き出せばいいか」のリストだけ作ってもらい、本物の数字は紙に手書きします。

わたしは終活のため、インターネットで使っているお金まわりのサービス(ネット銀行・ネット証券・電子マネー・ポイントなど)を家族向けに一覧にしたいです。

・どんな種類のサービスがあるか、やさしい説明つきで挙げてください。
・「サービス名/だいたいの内容(普通預金・投資など)/連絡先(公式の窓口)」を書き込める一覧表のひな型を作ってください。
・口座番号や暗証番号は、わたしが手書きするので表には入れず、「(手書きで記入)」とだけ書いてください。
・家族が後で問い合わせるとき、どこに連絡すればいいか分かるよう、メモ欄もつけてください。

使い方のコツ:相続や財産の手続きは、専門的でとても大事な分野です。金額が大きい場合や手続きに不安がある場合は、税理士・弁護士・お近くの相続相談窓口など、専門家にご相談ください。ChatGPTは「書き出しのお手伝い」までと考えると安心です。

ステップ4:写真データの整理と「残し方」を決める

スマホの中には、ご家族の大切な思い出の写真がたくさん入っているはずです。お孫さんの成長、ご旅行、何気ない日常――。これらは、ご家族にとってかけがえのない宝物。けれど、整理しておかないと「どこにあるか分からない」「ロックが解けなくて見られない」となってしまいます。

あるご家庭では、お母様の入院をきっかけに「スマホの写真をどう残せばいいか分からない」と相談を受けました。一緒にChatGPTに手順を聞いてみたら、思っていたより簡単な整理方法が見つかって、ほっとされていました。

わたしはシニアで、スマホやパソコンにたくさんの思い出の写真があります。
家族がいつでも見られるように、写真を整理して残す方法を、機械が苦手なわたしにも分かるように、やさしく順番に教えてください。

・写真を「家族・旅行・行事」などのフォルダ(まとまり)に分ける手順
・大事な写真をなくさないように、別の場所にも保存しておく考え方(USBメモリや写真プリントなど)
・家族に「この写真はここにあるよ」と伝えるための、かんたんなメモの書き方

専門用語は使わず、ボタンを押す順番がイメージできるように説明してください。

使い方のコツ:写真は「1か所だけ」に置いておくと、その機械が壊れたときに全部消えてしまう心配があります。スマホの中だけでなく、特に大切な写真は印刷して残す、別の保存先にもコピーしておくと安心です。やり方が分からなければ、お子さん・お孫さんに頼ってもOKです。

ステップ5:サブスク(毎月の支払い)の解約リストを作る

「サブスク」とは、動画見放題・音楽聞き放題・新聞アプリなど、毎月(または毎年)自動でお金がかかる契約のことです。便利な反面、契約していること自体を忘れがち。国民生活センターも、本人が亡くなったあとに解約できず引き落としが続くトラブルを注意点に挙げています。日本通信販売協会(JADMA)も、通信販売やネット契約の相談を受け付けています。

まずは「自分が何に入っているか」を洗い出すことから始めましょう。

わたしは終活のため、毎月や毎年お金がかかっている「サブスク」(定期的に支払う契約)を全部書き出して、必要に応じて解約できるよう整理したいです。

・シニアがよく契約しているサブスクの例を、やさしい説明つきで挙げてください(動画・音楽・新聞アプリ・健康関連など)。
・「サービス名/毎月いくら/支払い方法(カード・口座)/解約の連絡先」を書き込める一覧表を作ってください。
・自分が何に入っているか思い出すために、確認するとよい場所(クレジットカードの明細、スマホのアプリ一覧など)を教えてください。

解約のときは公式の窓口や案内を確認するよう、最後に添えてください。

使い方のコツ:思い出せないサブスクは、クレジットカードの利用明細や、銀行の引き落とし履歴を見ると見つかることが多いです。「身に覚えのない毎月の支払い」があれば、それがサブスクの可能性大。解約方法は各サービスの公式案内で確認し、分かりにくい場合はカード会社や消費生活センター(局番なしの188)に相談しましょう。

ステップ6:家族への「引き継ぎ書」を作る

ステップ1〜5で書き出した情報を、最後に「ご家族への引き継ぎ書」としてまとめます。ここでChatGPTがとても役立ちます。何を書けばいいか、どんな順番で書けば家族に伝わるか――その「文章の型」を作ってもらえるのです。

ある67歳の男性の方は、「家族に改まって伝えるのは照れくさい。でも文章なら残せる」とおっしゃって、ChatGPTに下書きを作ってもらった引き継ぎ書を、奥様にそっと渡されたそうです。

わたしはシニアです。もしものとき、家族がスマホやパソコン、ネットのサービスで困らないように「引き継ぎ書」を作りたいです。

次の内容を、家族にやさしく語りかけるような文章の「下書き」にしてください。
・スマホ/パソコンのロックの開け方は、別の紙(手書きノート)に書いてあること
・パスワード一覧、お金まわりの一覧、サブスクの一覧をどこにしまってあるか
・写真がどこにあるか
・困ったときに相談してほしい人(家族・専門家)の名前を書く欄

※実際のパスワードや口座番号は、この文章には入れません。「別の紙を見てね」と案内する形にしてください。
あたたかく、安心できる文章にしてください。

使い方のコツ:できあがった下書きはあくまで「たたき台」。ご自身の言葉に直したり、ご家族のお名前を入れたりして、世界に一つの引き継ぎ書に仕上げてください。本物のパスワードや口座番号は、この引き継ぎ書には書かず、別の手書きノートに分けて保管するのが安全です。

ステップ7:エンディングノートの「デジタル版」をまとめる

最後のステップは、ここまでの内容を一つにまとめる「エンディングノート(人生の締めくくりの覚え書き)」のデジタル版づくりです。紙のエンディングノートに「デジタルのこと」のページを足すイメージですね。

わたしは終活のエンディングノートに、「デジタルのこと」のページを足したいです。
家族が見て分かりやすいように、目次と書き込み欄のついた「デジタル版エンディングノート」の構成を作ってください。

・スマホ/パソコンのこと
・SNSのこと
・ネット銀行・お金のこと
・写真・思い出のこと
・サブスクのこと
・家族へのメッセージ

それぞれに「ここに書いてね」という案内文と、書き込む欄(空欄)をつけてください。
パスワードなどの本物の数字は書かず、「別の手書きノートを参照」と案内する形にしてください。
高齢の本人が書き込みやすいよう、やさしい言葉でお願いします。

使い方のコツ:市販のエンディングノートや、自治体が配っているものを使っている方は、その「デジタルのページ」として活用できます。一度に全部埋めなくて大丈夫。気づいたときに少しずつ書き足していきましょう。

【要注意】デジタル終活でよくある失敗パターンと回避策

ここでは、実際に起こりがちな失敗を4つ、❌(ダメな例)と⭕(正しいやり方)でご紹介します。先に知っておくだけで、ぐっと安心です。

失敗1:本物のパスワードをChatGPTに打ち込んでしまう

❌「家族に伝える一覧を作りたいから」と、本物のパスワードや暗証番号をChatGPTにそのまま入力する。
⭕ ChatGPTには「表のひな型・手順」だけ作ってもらい、本物の数字は紙のノートに手書きする。

なぜ重要か:ChatGPTはインターネット上のサービスです。本物の暗証番号を打ち込むのは、安全とは言いきれません。AIには「整理のしかた」だけを手伝ってもらい、中身は自分の手元に。この線引きが、デジタル終活の一番大事なルールです。

失敗2:一覧は作ったのに、家族に在りかを伝えていない

❌ パスワード一覧も引き継ぎ書も立派に作ったのに、しまった場所を誰にも言わず、自分だけが知っている。
⭕「もしものときは、この引き出しの中のノートを見てね」と、信頼できる家族に在りかだけは伝えておく。

なぜ重要か:せっかく準備しても、ご家族がその存在を知らなければ意味がありません。中身を全部見せる必要はありません。「どこにあるか」だけを伝えておけば十分です。国民生活センターも、いざという時に家族がたどり着けるようにしておくことの大切さを指摘しています。

失敗3:サブスクを放置して、引き落としが続いてしまう

❌「たぶん大した金額じゃないから」とサブスクの整理を後回しにする。
⭕ クレジットカードの明細を見て、毎月の支払いを洗い出し、不要なものは公式の窓口で解約する。

なぜ重要か:サブスクは「自動で続く」のが特徴です。本人が使わなくなっても、解約しない限りお金がかかり続けます。国民生活センターには、亡くなったあとも引き落としが止められず困ったという相談が寄せられています。今のうちに「何に入っているか」を把握しておきましょう。

失敗4:写真を1か所だけに置いていて、消えてしまう

❌ 大切な写真をスマホの中だけに保存していて、スマホが壊れた・なくしたときに全部消えてしまう。
⭕ 特に大切な写真は、印刷したり、別の保存先(USBメモリやパソコンなど)にもコピーしておく。

なぜ重要か:機械はいつか必ず壊れたり、調子が悪くなったりします。「1か所だけ」は一番危険。手間に思えても、大切な思い出ほど「2か所以上」に分けて残しておくと安心です。やり方が分からなければ、お子さん・お孫さんに頼ってください。

こんな方におすすめ|3つの想定シナリオ

事例区分:想定シナリオ(モデルケース)
以下は、シニアの方やご家族からよくいただくご相談をもとに構成した、典型的な3つの場面です。特定の個人の事例ではありません。

シナリオ1:70代・おひとり暮らしの女性

お子さんが遠方に住んでいて、「もしものとき、すぐには来られない」と心配されている方。まずはステップ1(パスワード一覧)とステップ6(引き継ぎ書)から始めるのがおすすめです。ChatGPTに引き継ぎ書の下書きを作ってもらい、しまった場所をお子さんに電話で「ここにあるからね」とひとこと伝えておくだけで、ぐっと安心できます。

シナリオ2:60代・夫婦二人暮らし

「お金まわりはほとんど夫が管理していて、妻は中身を知らない」というご家庭。これは実はとても多いパターンです。ステップ3(ネット銀行・お金まわり)の一覧を、ご夫婦で一緒に作ってみてください。お互いが「どこに何があるか」を知っておくだけで、どちらかが入院したときなどに困りません。

シナリオ3:50代の子世代が、80代の親のために

「親のスマホ、もしもの時どうなるんだろう」と気になっているお子さん世代。この記事を親御さんに見せて、一緒にステップを進めてあげるのがおすすめです。親御さん本人がChatGPTを操作するのが難しければ、お子さんが代わりに入力してあげてもOK。ただし本物のパスワードは入力せず、紙に書いてもらうことだけは守ってください。親子で話すきっかけにもなります。

切り出しにくいときは、「終活って大変そうだから、まずスマホの中だけでも一緒に整理しておかない?」と、軽い話題から入るのがおすすめです。「もしものとき」と重く構えるより、「お互いが困らないように」という前向きな言い方のほうが、親御さんも受け入れやすいものです。一度に全部やろうとせず、帰省したときに1ステップずつ、というくらいのペースで十分です。

共通して大事なこと

3つのシナリオに共通するのは、「完璧を目指さない」ことと、「在りかだけは家族に伝える」ことです。全部のサービスを書き出せなくても、主要なものから少しずつで構いません。大切なのは、ご家族が「もしものとき、まずどこを見ればいいか」が分かる状態にしておくこと。それだけで、残されたご家族の負担は大きく変わります。

困ったときの相談先|公的な窓口を活用しよう

デジタル終活を進める中で「分からない」「不安」と感じたら、無理せず公的な窓口に相談しましょう。AIは便利な補助の道具であって、最終的な判断者ではありません。以下のような相談先があります。

  • 消費生活センター(局番なしの188 =「いやや!」):サブスクの解約トラブルや、身に覚えのない請求などの相談ができます。
  • お住まいの自治体のスマホ教室:総務省の支援を受けた高齢者向けスマホ講習会が各地で開かれています。基本操作から学べます。
  • 各サービスの公式サポート窓口:SNSの追悼設定やアカウント整理は、必ず公式の案内を確認しましょう。
  • 専門家(税理士・弁護士・行政書士):相続や財産の手続きで金額が大きい場合や複雑な場合は、専門家にご相談ください。

なお、総務省の「デジタル活用支援推進事業」は2026年3月末で一区切りとされていますが、自治体やデジタル庁による高齢者向けのデジタル支援は今後も各地で続く見込みです。最新の講習会情報は、お住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してみてください。

「人に聞くのは恥ずかしい」と感じる方もいらっしゃいますが、まったくその必要はありません。スマホやネットのしくみは年々変わっていて、若い人でも分からないことだらけです。むしろ、分からないことを「分からない」と言える方のほうが、上手に使いこなしていらっしゃいます。お一人で抱え込まず、家族にも、公的な窓口にも、どんどん頼ってください。それが、安全にデジタル終活を進めるいちばんの近道です。

まとめ:今日から始める3つのアクション

デジタル終活は、難しく考える必要はありません。元気な今、ほんの少しずつ準備しておくことが、ご家族への一番のやさしさになります。最後に、今日から始められる3つのアクションをまとめます。

  1. 今日やること:使っているスマホ・パソコン・ネットのサービスを、思いつくまま紙に書き出す。完璧でなくてOK。まずは「見える化」から。
  2. 今週中:ChatGPTにステップ1の指示文を打ち込んで、パスワード一覧の「ひな型」を作ってもらう。空欄には本物の数字を手書きで埋める(ChatGPTには入力しない)。
  3. 今月中:ステップ6の引き継ぎ書を作り、信頼できるご家族に「もしものときはここを見てね」と在りかだけを伝える。

一つずつで大丈夫です。お子さん・お孫さんと一緒に進めれば、それ自体が大切な家族の時間にもなります。ご自身のペースで、ゆっくり取り組んでみてください。デジタル終活は「もしものための準備」であると同時に、自分の暮らしを見つめ直し、身のまわりをすっきりさせる「今のため」の作業でもあります。終えたあとは、きっと心が少し軽くなるはずです。

あわせて読みたい:


参考・出典


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter、@SuguruKun_ai)で活用法を発信(フォロワー約10万人)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。シニア向けのやさしいAI活用の発信にも力を入れています。

ご質問・ご相談は お問い合わせフォーム からお気軽にどうぞ。

家族・法人向けのAI活用も確認できます

シニア向けAI活用を家族や地域で広げる場合は、Uravationの生成AI研修・導入支援や、法人向けAI活用記事もあわせて確認してください。