この記事の結論:俳句・短歌・川柳の「作品づくりの主役はあなた自身」です。ChatGPT(チャットジーピーティー=AIとおしゃべりできる無料の道具)は、季語を教えてくれたり、言葉の言いかえを一緒に考えてくれたりする「やさしい相談相手」。最後は自分の言葉で仕上げれば、楽しさはそのまま、ぐっと作りやすくなります。
- 要点1:AIは季語さがし・言いかえ・推敲(すいこう=直して整えること)の手伝いが得意。代わりに作ってもらうのではなく、ヒントをもらう使い方が一番楽しいです。
- 要点2:スマホでもパソコンでも始められます。むずかしい設定はいりません。話しかけるように打つだけで大丈夫。
- 要点3:できた作品は、お子さん・お孫さん・お仲間と気軽に分かち合えます。会話のきっかけにもなります。
この記事はこんな方へ:俳句や短歌、川柳をもっと気軽に楽しみたいシニアの方、そのご家族の方。今日やること:まずは下の会話例を1つ、ご自分のスマホでまねして打ってみましょう。
こんにちは。シニアの皆さんと一緒にスマホを触ってきた、Uravation(ウラベーション)のサポーターです。先日、地域の俳句サークルにお邪魔したとき、80代の女性がこんなことをおっしゃいました。「季語が思い出せなくて、もう一句作るのがおっくうでねえ」。そこでスマホのChatGPTに「秋の季語をやさしく教えて」と話しかけてみたところ、その方は目を丸くして「あら、こんなに出てくるの。これなら続けられそう」と笑顔になりました。
今日は、俳句・短歌・川柳をAI(人工知能=コンピューターが人のように考えを手伝ってくれるしくみ)と一緒に楽しむ方法を、やさしくご紹介します。むずかしい言葉は使いません。ゆっくり読み進めてくださいね。

AIで俳句・短歌・川柳の「何ができる」のか
まず、ChatGPTにできることを整理しましょう。大切なのは、作品を作る主役はあくまであなただということ。AIは、横でそっと手伝ってくれる相談相手です。
趣味や学びの充実にAIを活用する方法はシニアの生涯学習をChatGPTで広げる方法で詳しく解説しています。
- 季語を教えてもらう:「春の季語を10個、やさしく教えて」と聞けば、桜・つばめ・菜の花…とすぐに出てきます。歳時記(さいじき=季語を集めた本)を引く手間がはぶけます。
- 言葉の言いかえを相談する:「『きれい』をもっと別の言い方にしたい」と頼むと、いくつか候補を出してくれます。気に入った言葉を選ぶのはあなたです。
- 五・七・五(ごしちご)の字数を数えてもらう:「この句、五七五になっている?」と聞けば、字あまり・字たらずを教えてくれます。
- 意味やマナーを確かめる:「この言葉、お祝いの席で使って大丈夫?」と確認できます。
- 推敲(直して整えること)を手伝ってもらう:自分で作った一句を見せて、「もっと良くする案を3つ」と頼めば、ヒントをくれます。
反対に、AIに丸ごと作らせて「自分の句」として出すのは、おすすめしません。それでは作る楽しさも、自分らしさも消えてしまいます。あくまで「相談相手」として付き合うのが、いちばん長く楽しめるコツです。
スマホ・パソコンでの始め方(やさしく丁寧に)
「機械は苦手で…」という方もご安心ください。ChatGPTは無料で始められ、操作はとてもかんたんです。お子さん・お孫さんに最初だけ手伝ってもらうのもよい方法です。
- スマホの場合は、アプリ屋さん(App StoreやGoogle Play)で「ChatGPT」と検索し、ロボットのようなマークのアプリを入れます。パソコンの場合は、検索の窓に「ChatGPT」と打って、公式のページを開きます。
- はじめてのときは、メールアドレスを使って「登録(とうろく)」をします。むずかしければ、ご家族に手伝ってもらいましょう。
- 画面の下のほうに、文字を打つ細長い枠があります。ここに、人に話しかけるように打ちます。
- 打ち終わったら、紙ヒコーキや上向き矢印のボタンを押すと、お返事が返ってきます。
- 文字を打つのが大変なときは、マイク(小さなマイクのマーク)を押して、声で話しかけることもできます。
声で入力する方法をもっと知りたい方は、シニアのChatGPT音声入力|文字を打たずにAIと話す方法もあわせてご覧ください。はじめての方は高齢者のためのChatGPT入門|家族と始める安心5ステップから読むと安心です。
会話例:俳句を作るときのやりとり
ここからは、実際の「こう打つ→こう返る」を見てみましょう。文章はそのまままねしても大丈夫です。
【会話例1:季語をさがす】
あなた:
「秋の季語を、やさしいものを10個教えてください。」
ChatGPT:
「秋の季語をご紹介しますね。月、紅葉(こうよう)、すすき、栗、柿、とんぼ、虫の声、コスモス、新米、夜長(よなが)。気になる言葉はありますか。」
【会話例2:字数を数えてもらう】
あなた:
「『夕焼けに とんぼがすいと とんでいく』これは五七五になっていますか。」
ChatGPT:
「数えてみますね。『ゆうやけに』は5音、『とんぼがすいと』は7音、『とんでいく』は5音です。きれいに五・七・五になっていますよ。とんぼの動きが目に浮かぶ、すてきな句ですね。」
【会話例3:自分の句を良くする相談】
あなた:
「『庭の花 きれいに咲いた うれしいな』この句を、もっと良くする案を3つ、やさしく教えてください。」
ChatGPT:
「いいですね。『きれい』『うれしい』を、もう少し情景で表すと深みが出ます。案を3つ出します。①『庭の花 今朝もひと輪 咲きにけり』②『庭の花 露をまといて 咲きにけり』③『朝の庭 花がひとつ ふえました』。気に入ったものがあれば、ご自分の言葉でさらに直してみてください。」
会話例:短歌と川柳を楽しむやりとり
短歌(たんか=五・七・五・七・七の三十一文字)や、川柳(せんりゅう=五・七・五で日常やユーモアをよむ)も、同じように相談できます。
【会話例4:短歌の言葉を相談する】
あなた:
「孫が小学校に入りました。そのうれしさを短歌にしたいです。使えそうな言葉を5つ教えてください。」
ChatGPT:
「おめでとうございます。入学のうれしさに合う言葉ですね。『ランドセル』『さくら』『はじめの一歩』『まぶしい背中』『春の朝』。これらを組み合わせて、五・七・五・七・七にしてみましょうか。たとえば下の句だけ一緒に考えることもできますよ。」
【会話例5:川柳のお題で遊ぶ】
あなた:
「『スマホ』をお題に、川柳のヒントを3つください。自分で完成させたいので、句そのものではなくヒントでお願いします。」
ChatGPT:
「楽しいお題ですね。ヒントを3つ。①『小さな画面に苦戦する日常』の切り口、②『孫に教わる立場の逆転』の切り口、③『便利だけど目が疲れる』というぼやきの切り口。どれかピンときたら、五・七・五にあなたの言葉で当てはめてみてください。」
このように、「答えそのものではなくヒントが欲しい」と伝えると、作る楽しみを残したまま手伝ってもらえます。読書や新聞を題材にした言葉さがしには、シニアの読書・新聞をChatGPTで楽しむ|要約と感想のコツも役立ちます。
作った作品を家族・お孫さんと分かち合う楽しみ
作品ができたら、ぜひ誰かに見てもらいましょう。一句が、会話のきっかけになります。
- 家族のLINE(ライン)に送る:「今日の一句」として送れば、離れて暮らすお子さん・お孫さんとのやりとりが生まれます。
- お孫さんと一緒に作る:「夏休みの思い出を川柳にしよう」と声をかければ、世代をこえた遊びになります。お孫さんがスマホ操作、あなたが言葉選び、という分担もすてきです。
- サークルや句会で発表する:AIに字数を確かめてから持っていけば、自信を持って出せます。
- 手書きで清書する:できた句を、はがきや色紙にていねいに書き写すと、ぐっと味わいが出ます。デジタルと手書き、両方を楽しめます。
大切なのは、作品の上手・下手ではありません。「自分の言葉で、今の気持ちを残せた」こと、それ自体が宝物です。
失敗しないための注意点(ここだけは必ず)
便利なAIですが、使うときの「お約束」があります。次の3つは必ず覚えておいてください。
- AIの答えは「参考」として受け取る:ChatGPTはときどき、季語や言葉の意味をまちがえることがあります(これを「もっともらしいウソ」と呼びます)。大事な言葉や、句会に出す前は、歳時記や辞書、ご家族にも確かめましょう。AIは「最初の相談相手」、最後の判断はあなたです。
- 個人情報は書かない:ご自分やご家族の住所・電話番号・口座の番号・お孫さんの学校名や顔写真などは、入力しないでください。作品づくりに、これらの情報は必要ありません。
- 最後は自分の言葉で仕上げる:AIが出した句をそのまま「自分の作品」として発表するのは避けましょう。ヒントをもらったら、必ず自分の言葉に直す——これが、楽しく長く続けるいちばんの秘訣(ひけつ)です。
インターネットを安心して使うための基本は、総務省「上手にネットと付き合おう」や、消費者庁のインターネットの注意ページもあわせて参考になります。
よくあるご質問
Q:機械が苦手でも、本当にできますか。
A:はい、大丈夫です。話しかけるように打つだけなので、ふだんLINEでメッセージを送れる方なら問題ありません。最初だけご家族に手伝ってもらえば、あとはお一人で楽しめます。
Q:お金はかかりますか。
A:基本の使い方は無料です。たくさん使いたい場合の有料の仕組みもありますが、俳句や短歌を楽しむだけなら、無料のままで十分です。
Q:AIに作ってもらった句は、自分の作品といえますか。
A:丸ごと作らせた句は、あなたの作品とは言いにくいです。ヒントや言いかえの候補をもらい、最後は自分の言葉で仕上げれば、立派にあなたの作品です。作る楽しみも残ります。
Q:方言や昔の言葉も相談できますか。
A:相談できます。ただし地域ごとの細かい言い回しはまちがえることもあるので、ご自分の記憶やご近所の方の声も大切にしてください。
著者プロフィール
佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を行うかたわら、シニアの皆さんがやさしくAIと付き合えるよう情報を発信しています。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
今日からできる3つのこと
- この記事の会話例を1つ、ご自分のスマホでまねして打ってみる。
- 季節の言葉をひとつ、ChatGPTに教えてもらって、一句作ってみる。
- できた作品を、ご家族のLINEに「今日の一句」として送ってみる。
無理のないペースで大丈夫です。お子さん・お孫さんに頼ってもOK。次回は「絵手紙・はがきづくりをAIで楽しむ」やさしいコツをご紹介する予定です。
出典・参考
- 文化庁「国語施策・日本語教育」(2026年6月時点)
- 総務省「上手にネットと付き合おう(国民のための情報セキュリティサイト)」(2026年6月時点)
- 消費者庁「インターネットに関する注意喚起」(2026年6月時点)