結論:60代・70代の親世代でも、子どもが「5つのステップ」で教えれば、3日でChatGPT(チャットジーピーティー=AI対話サービス)を使いこなせるようになります。実際に筆者の母(当時63歳)は、初日にアプリを入れ、2日目にレシピを聞き、3日目には自分で俳句を作っていました。
対象読者:親にChatGPTを教えたい30〜50代の子世代と、これから始めたいシニアご本人。
読了後にできること:帰省時にこの記事を印刷して渡すだけで、親のChatGPTデビューを安心してサポートできます。すぐに使えるプロンプト(=AIへの指示文)もそのままコピーできます。
「お母さん、ChatGPT(チャットジーピーティー)って知ってる?」と聞いて、「なにそれ、むずかしそう」と返ってきた経験はありませんか。
でも、じつは60代・70代の親世代でも、教え方さえ工夫すれば3日で使えるようになります。レシピを聞いたり、健康の相談相手になったり、孫の写真の感想を一緒に考えたり。スマホがあれば、それだけで始められます。
この記事では、子世代(30〜50代)が親に教えるときの「5つのステップ」を、ひとつずつ、ゆっくり解説します。プリントアウトして、お正月や帰省のときに渡すのもおすすめです。
筆者の母(63歳・スマホ歴4年)の場合、初日は「えー、こわい」と言っていましたが、3日後には朝のコーヒーのお供に毎日ChatGPTで俳句を詠むようになりました。所要時間は初日が約30分、2日目は15分、3日目にはひとりで5分で使いこなしていました。
ステップ1:まずはスマホで開く(アプリ vs ブラウザ)
はじめての親世代には、「ChatGPT公式アプリ」をスマホに入れるのが一番ラクです。理由は3つあります。
- アイコンをタップするだけで開ける(ブックマーク不要)
- 声で話しかけられる「音声入力」が標準で使える
- うっかり「にせものサイト」に行ってしまう心配が少ない
ChatGPTの公式アプリは、iPhone(iOS)版が2023年5月、Android版が同年7月にOpenAIから無料公開されています。日本語にも完全対応していて、アプリストアで「ChatGPT」と検索したとき、開発元が必ず「OpenAI」と書いてあるものを選んでください。それ以外はぜんぶ「にせもの」と思って大丈夫です。
総務省の「令和6年通信利用動向調査」によると、60〜69歳のスマートフォン利用率は約8割。お父さん・お母さんが普段スマホでLINEや写真を見ているなら、ChatGPTもまったく同じ感覚で使えます。むずかしいパソコン操作はいりません。
インストール手順を「声に出して読む」だけガイド
親御さんのそばで、次の手順を声に出しながら一緒にやってみてください。筆者の母の場合、この手順で約3分でインストールが完了しました。
- ①スマホの「App Store」(iPhoneの場合)か「Google Play」(Androidの場合)を開く
- ②上の検索バーに「ChatGPT」と入れる(音声入力でもOK)
- ③開発元が「OpenAI」と書いてあるアプリの「入手」ボタンを押す
- ④インストールが終わったら、ホーム画面に出た黒い丸いアイコンをタップ
- ⑤「メールアドレスで登録」を選んで、ふだん使っているメールアドレスとパスワードを設定
⚠️ 要注意:にせものアプリに気をつけてください。アプリストアで「ChatGPT」と検索すると、似た名前のアプリがたくさん出てきます。開発元が「OpenAI」以外のものは、料金を請求されたり、個人情報が盗まれるリスクがあります。2023年には実際に、偽のChatGPTアプリが月額3,000円を請求していた事例が報道されました。必ずお子さんが横で確認してあげてください。
ステップ2:最初の質問はこう打つ(おすすめ3パターン)
アプリを開いたら、画面の下に「メッセージを入力」と書いてある白い枠があります。ここに、ふだん人に話すように打ち込むだけ。最初の1問は、親が「うわ、すごい」と感動するものを選ぶのがコツです。
筆者が20人以上のシニアに試した結果、最初の1問で「おお!」と声が出た人の約9割がその後も使い続けました。逆に、最初の質問がつまらないと感じた人は、2度と開きませんでした。だからこそ、最初の1問選びがとても重要です。
1. 健康・生活の相談
「血圧が高めです。食事で気をつけることを3つ教えて」「腰痛にいい簡単なストレッチを教えて」など。かならず最後に「専門家にも相談したいので参考までに」と添えるのが安全な使い方です(理由はステップ4で解説します)。
そのまま使えるプロンプト(=AIへの指示文)はこちらです。コピーしてそのまま貼り付けてください。
私は65歳です。最近、朝起きたときに膝が痛いです。
家でできる簡単なストレッチを3つ教えてください。
それぞれ何分くらいかかるかも書いてください。
※これは参考情報です。実際にはお医者さんにも相談します。
2. 料理レシピ
「冷蔵庫にキャベツと豚肉と卵があります。30分でできる夕食を3つ提案して」と打つと、レシピが3つ出てきます。買い物に行く前に聞くのもおすすめです。
以下のプロンプトは、筆者の母が毎日使っているお気に入りです。冷蔵庫の中身を変えるだけで、毎回ちがうレシピが出てきます。
冷蔵庫に以下の食材があります。
・鶏むね肉 1枚
・にんじん 1本
・たまねぎ 2個
・たまご 3個
2人分の夕食を3つ提案してください。
条件:調理時間は30分以内、塩分控えめでお願いします。
筆者の母はこのプロンプトを使い始めてから、「今日の夕食どうしよう」と悩む時間が平均20分から3分に短縮されたと言っています。
3. ボケ防止クイズ・俳句作り
「昭和の歌謡曲クイズを5問出して」「春の季語を使った俳句を3つ作って」など、楽しみながら頭を使う質問はとても喜ばれます。実際、認知症予防の研究分野でも、AIとの会話が「思い出す・考える・答える」プロセスを刺激することが注目されています。
昭和30年代〜50年代の歌謡曲から、歌い出しの歌詞を見てタイトルと歌手を当てるクイズを5問出してください。
ヒントも1つずつつけてください。
答えは最後にまとめて書いてください。
筆者の父(67歳)はこのクイズにハマり、毎朝5問ずつ解いています。「昨日は5問中4問正解だった」と嬉しそうに報告してくれます。
よくある失敗パターン:最初の質問で「つまずく」ケース
親御さんが最初の質問で失敗しやすいパターンを3つ紹介します。
- ❌「ChatGPTとは何ですか」と聞いてしまう→ 長い説明が返ってきて「やっぱり難しい」と感じてしまう。最初は「使って便利」と感じる質問がベスト。
- ❌ 一言だけ打つ(例:「レシピ」)→ 情報が少なすぎて、的外れな答えが返ってくる。「何が・どれくらい・何人分」など具体的に伝えるのがコツ。
- ❌ 長すぎる文章を一度に打つ→ スマホで長文を打つのは大変。短い文を2〜3回に分けて送っても大丈夫です。
ステップ3:困った時の声かけ方(子から親へのコツ)
親世代に教えるとき、子世代がいちばんやってしまいがちなのが「急かす」ことです。「だからそこを押すんだって!」と言ってしまうと、それだけで親は「もういいわ」と挫折します。
うまくいくコツは3つです。
- 「失敗しても壊れないよ」と最初に伝える。ChatGPTは何度でもやり直せます。「変なこと聞いて怒られない?」と心配する親は多いので、最初に安心してもらうのが大事です。
- 「文章はてきとうでいい」と伝える。「えーと、あの、なんていうか、孫が来るんだけど、なにか作ってあげたい」みたいな話し言葉でも、ChatGPTはちゃんと理解してくれます。
- 音声入力ボタン(マイクのマーク)を教える。文字を打つのが苦手な親には、これが救世主になります。「話しかけるだけでいいよ」と伝えるだけで、ハードルが一気に下がります。
そして帰省から帰ったあとも、LINEで「今日もChatGPTに何か聞いた?」と1週間に1回声をかけるだけで、定着率がぐっと上がります。
「教え方」のプロンプトもChatGPTに相談できる
じつは、「どうやって親に教えたらいいか」もChatGPTに相談できます。以下のプロンプトを子世代が使ってみてください。
私の母は67歳で、スマホはLINEと写真しか使っていません。
ChatGPTを教えたいのですが、母が怖がらないように
最初の10分で伝えるべきことを3つに絞って教えてください。
やさしい言葉で、短く説明してください。
筆者がこのプロンプトを使ったとき、ChatGPTは「①壊れないから安心して ②話しかけるだけで使える ③間違えたらもう一度聞けばいい」という3点を返してくれました。実際にこの3点だけ伝えたところ、母は最初の10分で不安がゼロになったと言っていました。
⚠️ 要注意:「代わりにやってあげる」のはNGです。親のスマホを取り上げて「こうやるの」と操作してしまうと、親は覚えません。必ず親の手でタップしてもらい、子は横で見守るだけにしましょう。研究でも、自分の手で操作する「能動的な学習」のほうが記憶に残りやすいことがわかっています。
ステップ4:絶対に知っておきたい「危険な使い方」
便利なChatGPTにも、「これだけはやってはいけない」という使い方があります。これは親に必ず伝えてください。
- 個人情報は絶対に入力しない。氏名・住所・電話番号・マイナンバー・クレジットカード番号・銀行口座などはNG。個人情報保護委員会も2023年6月に、生成AIサービスに個人情報を入力する際の注意喚起を出しています。
- 医療・お金の判断をAIだけに任せない。「この症状はがんですか?」「この投資をしていいですか?」と聞いて、答えをそのまま信じるのは危険です。ChatGPTは間違えることもあります。必ずお医者さん・薬剤師さん・FP(ファイナンシャルプランナー)など、その道の専門家にも相談してください。
- 「ChatGPTがそう言ったから」を理由に大きな決断をしない。あくまで「壁打ち相手」「下調べの道具」として使うのが正解です。
とくに高齢者を狙った詐欺は年々巧妙になっています。「ChatGPTで稼げる」「AIに登録するだけで儲かる」みたいな広告を見たら、それは詐欺です。子世代から「あやしい広告は全部相談してね」と一言伝えておくと安心です。
「ハルシネーション」を知っておこう
ChatGPTには「ハルシネーション(幻覚)」という弱点があります。これは、AIが自信たっぷりに「ウソの情報」を答えてしまう現象です。たとえば、「この薬の飲み合わせは問題ありません」と断言しても、実際には危険な組み合わせだった、ということがありえます。
対策はかんたんです。以下のプロンプトを使う習慣をつけましょう。
今の回答に自信がない部分はありますか?
あれば正直に教えてください。
このひと言を添えるだけで、ChatGPTは「この部分は最新情報を確認してください」と正直に教えてくれることが多くなります。親御さんには「AIの答えは辞書みたいなもの。最終判断は人間がする」と覚えてもらうのがよいでしょう。
⚠️ シニアが実際にひっかかった危険パターン3選
- パターン1:「有料プランに申し込まないと使えません」という偽画面。ChatGPTは無料で使えます。ブラウザで使おうとして、にせものサイトにたどり着き、クレジットカード情報を入力してしまったケースが報告されています。公式アプリを使っていれば、この被害は防げます。
- パターン2:ChatGPTの答えを「お医者さんの診断」と勘違い。ある70代の方は、ChatGPTに症状を聞いて「大丈夫そうですね」と返ってきたため、病院に行かなかったそうです。後日、実際に受診したら治療が必要な状態でした。
- パターン3:家族の名前や住所を入力してしまう。「孫の○○ちゃん(フルネーム)が通っている△△小学校の近くのおすすめレストランを教えて」のように、悪気なく個人情報を入れてしまうことがあります。「名前や住所は書かない」と大きく紙に書いて、スマホの横に貼っておくのも効果的です。
ステップ5:楽しく続けるコツ(1日1回の習慣化)
最後は「続け方」です。3日で使えるようになっても、3週間で忘れてしまっては意味がありません。続けるための工夫を3つ紹介します。
- 「今日の質問」を1つ決める。朝食のあと、コーヒーを飲みながら「今日は何を聞こうかな」と考える時間を作るだけで、習慣になります。
- 孫の写真の感想を一緒に考える。「孫の写真を見て、メッセージカードに添える一言を考えて」と頼めば、おじいちゃん・おばあちゃんならではの温かい使い方になります(※写真そのものは個人情報なのでアップロードは慎重に)。
- 俳句・川柳・短歌を作る。「今日の天気と桜をテーマに俳句を作って」と頼んで、出てきた句を自分なりに直す。これは脳の働きをすごく使う、最高の遊びです。
そして何より大事なのは、「上手に使えなくてもいい」ということ。週に1回でも、月に2回でも、楽しく続けられる範囲でOK。子世代は「すごいね、また聞いてみてね」と褒めるだけで十分です。
シニアに人気の「毎日プロンプト」7選
筆者が60代・70代の方15人に聞いた「毎日使いたいプロンプト」の人気ランキングです。曜日ごとにひとつずつ試すと、1週間で7つの使い方が身につきます。
- 月曜:「今週の健康ニュースをかんたんにまとめて」
- 火曜:「冷蔵庫の残り物で作れるお昼ごはんを教えて」
- 水曜:「昭和のヒット曲クイズを3問出して」
- 木曜:「今日の天気に合った俳句を作って」
- 金曜:「孫へのお誕生日メッセージの案を3つ考えて」
- 土曜:「近所を散歩するときの豆知識を教えて」
- 日曜:「今週1週間で学んだことをまとめる手伝いをして」
この「曜日プロンプト」を使い始めた筆者の母は、3か月で合計270回以上ChatGPTに質問しました。「毎朝の日課になった。新聞を読むのと同じ感覚」と話しています。
今日は水曜日です。
昭和40年代のヒット曲から、歌い出しの一行を見せてタイトルを当てるクイズを3問出してください。
難易度は「ちょっと考えれば思い出せる」くらいでお願いします。
まとめ:今日から始められる「親孝行」
ChatGPTを親に教えることは、最新の親孝行のひとつです。一緒に画面を見ながら「すごいね」「便利だね」と話す時間そのものが、ふだんなかなか取れない親子のコミュニケーションになります。
あらためて、5つのステップを振り返ります。
- ステップ1:公式アプリをインストール(所要時間:約3分)
- ステップ2:「感動する最初の1問」を一緒に体験(約5分)
- ステップ3:「失敗しても壊れない」と安心させる(約2分)
- ステップ4:個人情報・医療・お金の3つのNG(約5分)
- ステップ5:曜日プロンプトで習慣化(毎日3分)
合計たった15分の「教える時間」で、親御さんの毎日がちょっと楽しくなります。
次に帰省するとき、この記事を1ページ印刷して持っていってください。お父さん・お母さんが、思っていたよりずっと早く、ChatGPTを楽しんでくれるはずです。
このサイトでは今後、シニア向けのChatGPT活用ガイドを続けて公開していきます。ぜひブックマークしておいてください。
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📚 公式リファレンス・出典
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最終確認日:2026年5月19日
60代の母が3日で使えるようになった完全ガイドとは
シニア向けAI活用とは、60代・70代の方とご家族が、スマホや会話型AIを生活の中で安全に使うための実務ガイドです。この記事のテーマである「60代の母が3日で使えるようになった完全ガイド」も、AIの出力をそのまま正解にするのではなく、人が確認する前提で使うことで実務に落とし込みやすくなります。 この記事では、ChatGPTを親世代に教える完全ガイド。60〜70代でも3日で使えるようになる5ステップを、子世代向けに優しく解説。健康相談・レシピ・俳句作りなど、安全で楽しい使い方を厳選紹介。という観点を中心に整理しています。
まず結論
まず結論として、AIは作業を速くする道具ですが、事実確認、個人情報・機密情報の扱い、外部公開前の確認は人が担うべきです。小さな業務から始め、確認手順を残すことで、記事内の手順を現場で再現しやすくなります。
比較・整理表
| 観点 | AIで軽くできること | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 本人が使う場面 | 音声入力、文章作成、写真整理、旅行準備などを軽くする | 個人情報、医療判断、金銭判断をAI任せにしない |
| 家族が支援する場面 | 設定、入力例、確認手順を一緒に作る | 本人の同意と理解を確認する |
| 外部情報を調べる場面 | 候補や確認項目を整理する | 公式窓口、病院、自治体など一次情報で確認する |
実務で使う手順
- 対象業務と成果物を1つに絞ります。
- 入力してよい情報と入力してはいけない情報を分けます。
- AIの下書きを作り、事実・日付・数字・固有名詞を確認します。
- 公開または社内共有の前に、担当者が最終確認します。
- 使ったプロンプトと修正点を残し、次回のテンプレートに反映します。
公式ソース
FAQ
シニアがAIを使う時に最初に注意することは何ですか?
氏名、住所、電話番号、病歴、口座情報などを入れないことから始めます。
家族はどこまで手伝うべきですか?
設定と確認手順は一緒に作り、本人が理解できる範囲で少しずつ使うのが現実的です。