結論:オンライン診療(ビデオ通話で診てもらう診察)で「いつから、どこが、どのくらい?」と聞かれて慌てなくて大丈夫。ChatGPTに今のお身体の状態を箇条書きで打ち込むだけで、医師にそのまま見せられる「症状メモ」が3分で完成します。
※本記事はオンライン診療の準備をAIで補助する方法を紹介するものです。AI(人工知能)はあくまで参考であり、最終的な診断や治療方針は必ず医師にご相談ください。胸の強い痛み・呼吸困難・急なまひ・意識がもうろうとする等の場合は、ChatGPTを開く前に迷わず119番、または救急安心センター事業「#7119」にお電話ください。
「目が痛いのは、いつからでしたか?どんな感じの痛みですか?」——画面の向こうのお医者さまから聞かれて、ご自宅の診察室(リビング)で慌てて思い出そうとした経験、ありませんか?
オンライン診療(ビデオ通話で診てもらう診察)は、通院の負担を減らせる便利な仕組みです。けれども、いざ画面の前に座ると、緊張で言いたいことが飛んでしまったり、お薬の名前が出てこなかったりするものです。
そんなとき、ChatGPT(チャットジーピーティー:AIに相談できる無料アプリ)に今のお身体の状態を箇条書きで打ち込むだけで、医師にそのまま見せられる「症状メモ」が3分で完成します。失敗しても何度でもやり直せます。お子さん・お孫さんに見せながら一緒にやっていただいても大歓迎です。
結論ファースト:今日からできる「3分症状メモ」の全体像
この記事の要点
- ChatGPTに「いつから・どこが・どのくらい」の3点を箇条書きで入れるだけで、医師に伝わる症状メモが3分で作れます
- お薬手帳の写真を見せて整理することも、過去の病気を1行にまとめることも、すべて無料でできます
- AIは「準備のお手伝い役」。最終的な診断と処方は必ずお医者さんが行います
対象読者:はじめてオンライン診療を受ける60〜80代のかた、そして「親のオンライン診療を手伝ってあげたい」と考えている30〜50代のお子さま世代。
読んだあとにできること:診察開始の3分前にChatGPTを開いて、症状を打ち込み、画面に出てきた症状メモをそのままお医者さまに音読すれば、緊張していても伝え漏れがゼロになります。
シニアがオンライン診療で困りがちな3つの場面
シニア向けのAI講座で、オンライン診療の話題になるとよく出てくるご相談が、だいたい3つにまとまります。
1. ビデオ通話の接続でとまどう
「カメラが映らない」「マイクから声が出ない」「予約画面のURLを押しても真っ白」——機械トラブルで予約時間がすぎてしまうと、お医者さまにもご迷惑がかかります。多くのクリニックは予約の10分前から接続テストをすすめていますので、早めの準備が安心です。
2. 症状をうまく伝えられない
診察は短くて5分、長くても15分くらいです。その短い時間に「いつから」「どこが」「どのくらい」「他にも気になる症状」「いま飲んでいる薬」「過去の病気」を全部伝えるのは、ふだん健康なかたでも大変です。年齢を重ねるほど、思い出すのに時間がかかります。これは当たり前のことです。
3. お薬や処方箋の質問が出てこない
「この薬って何の薬でしたっけ?」「いつまで飲み続けるんだったかしら?」——お薬の名前は片仮名が多く、覚えにくいものです。診察が終わってから「あれ、聞きたかったことを忘れた…」と気づいても、もう一度予約を取り直すのは大変。これも、AIで事前に質問リストを作っておけば防げます。
厚生労働省も「オンライン診療の適切な実施に関する指針」のなかで、患者さんが事前に症状や服薬情報を整理して臨むことの大切さに触れています(出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」mhlw.go.jp)。事前準備は、お医者さまにとっても、ご本人にとっても、診察の質を上げる近道です。
ChatGPTで作る「症状サマリー」テンプレート
ここからが本題です。ChatGPTに渡す情報の「型」さえ覚えてしまえば、症状メモは3分で完成します。型は次の3点だけ。
- いつから:症状が始まった日・時間帯
- どこが:体のどの部分(できれば左右・前後・上下まで)
- どのくらい:痛みの強さ(10段階)・頻度・続く時間
たったこの3点を箇条書きにするだけで、お医者さまにとって「あ、この患者さんは整理されているな」という、ありがたい伝え方になります。
そのままコピーして使えるChatGPTへのお願い文
下の文章を、ChatGPTにそのまま貼り付けてください。[ ]の部分だけ、ご自身の状況に合わせて書き換えれば大丈夫です。
「私は[年齢]歳の[男性/女性]です。これからオンライン診療を受けます。下の情報を、医師に3分以内で伝えられる『症状サマリー』にまとめてください。
・いつから:[症状]
・どこが:[症状]
・どのくらい:[症状]
・他に気になる症状:[症状]
・現在飲んでいる薬:[薬名]
・過去の大きな病気:[病名]
出力は、医師にそのまま音読できる『です・ます調』の短い文章にしてください。」
これを送るだけで、ChatGPTが下のような原稿を返してくれます(仮の例です)。
「[年齢]歳の[男性/女性]です。3日前の夜から、右目の奥がズキズキと痛みます。痛みの強さは10段階で6くらいで、朝起きたときがもっとも強いです。光がまぶしく感じる症状もあります。現在は血圧の薬を1種類飲んでおり、5年前に白内障の手術を受けています。よろしくお願いいたします。」
これをそのまま画面の前で音読すれば、緊張していても伝え漏れがありません。音読する場所は、紙に印刷するか、ChatGPTの画面を診察画面の横に並べておくのがおすすめです。
「コピペで使えるお願い文」3つ
症状メモ以外にも、診察前に作っておくと便利な「お願い文」が3つあります。すべてChatGPTに無料で頼めます。
お願い文1:症状を整理してもらう
頭の中で散らばっている症状を、ChatGPTが箇条書きに整理してくれます。
「最近気になっている症状を、思いつくままに書き出します。これを『主な症状』『2番目に気になる症状』『気になっているけれど関係なさそうな症状』の3つに分類してください。
・[症状1]
・[症状2]
・[症状3]
・[症状4]」
「思いつくまま」で大丈夫です。整理はChatGPTにお任せできます。
お願い文2:過去の病気とお薬を整理してもらう
過去の病気・手術・現在のお薬を、医師にスッキリ伝えられる形にまとめてもらいます。
「私は[年齢]歳の[男性/女性]です。下の情報を、医師に伝えるための『これまでの病歴と服薬』の短いまとめにしてください。
・過去の病気・手術:[病名や手術名と、おおよその時期]
・現在飲んでいる薬:[薬名と、1日何回飲むか]
・アレルギー:[薬・食べ物のアレルギーがあれば]
出力は箇条書きで、お医者さまにそのまま見せられる形にしてください。」
正確な薬の名前や時期が思い出せないときは「[薬名] 不明」「10年くらい前」のように書いてOKです。診察当日に医師に確認していただけます。
お願い文3:医師に質問したいことのリストを作ってもらう
診察の最後に「他に何か質問はありますか?」と聞かれて、何も思い出せないことってありませんか?事前にリストを作っておけば、あわてません。
「これからオンライン診療で[症状]について相談します。診察の最後に医師にお伺いしたい質問を、シニアにも分かりやすい言葉で5つ挙げてください。たとえば『薬はいつまで飲み続けるか』『次の受診はいつか』など、聞き忘れがないようなリストにしてください。」
ChatGPTが5問挙げてくれますので、そのうち本当に聞きたいものに丸を付けて、診察画面の横に置いておけばOKです。
お薬手帳の写真をChatGPTに見せて整理する方法
お薬手帳に貼ってあるシールには、薬の名前・1日の回数・処方日が書かれていますが、文字が小さくて読みにくいですよね。ChatGPTのスマホアプリは、写真をそのまま送って中身を読み取ってもらえます。
写真を撮るときのコツ
- 明るい場所で撮る(窓際や、電気スタンドの下が良いです)
- シール全体が枠に入るようにする
- ピントが合うまで2秒ほど待つ
- 影が薬の名前にかからないように、自分の手の位置に注意
ChatGPTへの頼み方
写真を送ったあとに、こう書いてください。
「この写真は、私のお薬手帳のシールです。書かれている薬の『名前』『1日の回数』『処方日』を表にまとめてください。読み取れなかった部分は『要確認』と書いてください。」
ChatGPTが下のような表を作ってくれます(仮の例です)。
| 薬の名前 | 1日の回数 | 処方日 |
|---|---|---|
| [薬名] | 1日2回(朝・夕) | 2026年[月]月[日]日 |
| [薬名] | 1日1回(朝) | 2026年[月]月[日]日 |
| [薬名] | 要確認 | 要確認 |
「要確認」と書かれている部分は、診察のときにお医者さまに確認すれば大丈夫です。無理に読み取ろうとしてAIに推測させないことが大切です。薬の量を間違えると体に影響がありますので、わからない部分は「わからない」と正直に残してください。
オンライン診療の予約・接続準備チェックリスト
症状メモができたら、あとは接続準備です。診察開始の30分前から順番にチェックすると、慌てません。
診察30分前にやること
- スマホ・タブレットを充電する(できれば充電器につないだまま診察を受ける)
- Wi-Fiにつながっているか確認する(モバイル通信だと途中で切れることがあります)
- 静かな部屋に移動する(リビングのテレビは消す)
- 明るい場所に座る(顔が暗いと医師から表情が見えにくくなります)
診察10分前にやること
- 予約時に届いたメールから、ビデオ通話のURLを開いておく
- カメラとマイクが動くかテストする(多くのクリニックには接続テストボタンがあります)
- ChatGPTで作った症状メモを、画面の横や紙で手元に置く
- お薬手帳・健康保険証・診察券を手元に並べる
診察直前にやること
- 水を1杯飲んでおく(説明している途中で喉が乾くことがあります)
- メガネ・補聴器を装着する
- 家族に「これから診察だから、しばらく話しかけないでね」と伝える
もしも接続トラブルが起きたら、すぐにクリニックの電話番号にかけて状況をお伝えください。多くの場合、電話で診察に切り替えてくださいます。「電話に切り替える」も立派な選択肢です。失敗しても大丈夫。
AIに頼ってはいけないこと3点
ここがいちばん大切なところです。ChatGPTは便利な準備の道具ですが、「絶対にAIに頼ってはいけないこと」が3つあります。
頼ってはいけないこと1:自己診断
❌「ChatGPTが『風邪です』って言ったから、病院に行かなくていいや」
⭕「ChatGPTは『風邪のような症状ですね』と整理してくれた。最終的な診断はお医者さまにお願いしよう」
AIは、入力された情報をもとに「こういう病気の可能性がありますね」と一般論を返すことはできます。けれども、実際の診断は、お医者さまが顔色・声・呼吸の様子・触診などを総合的に見て決めるものです。AIには見えない情報がたくさんあります。AIの返事を「お医者さまの代わり」にしないでください。
頼ってはいけないこと2:薬の量を勝手に変えること
❌「ChatGPTが『この薬は副作用が出る人もいる』と書いていたから、自分で量を減らした」
⭕「気になることがあったので、診察のときにお医者さまに『この薬で副作用が出ることはありますか?』と聞いた」
お薬の量や飲むタイミングを変えると、体に大きな影響が出ることがあります。とくに血圧・糖尿病・心臓・血液をサラサラにするお薬は、勝手な減量・中止が危険です。気になることは、必ずお医者さまか薬剤師さんに相談してください。
頼ってはいけないこと3:緊急時の判断
❌ 胸が急に痛くなり、息苦しいので、ChatGPTに「これは何の病気ですか?」と聞いてみる
⭕ すぐに119番、または救急安心センター事業「#7119」に電話する
急な強い痛み・呼吸困難・意識がもうろうとする・体の片側が動かなくなる、といった症状は一刻を争います。ChatGPTを開いて入力している時間が命取りになることがあります。緊急時は迷わず119番。判断に迷うときは、救急相談ダイヤル「#7119」(対応していない地域もあります)か、お住まいの地域の救急相談窓口に電話してください。これはAIにも、ご家族にも、まずは譲ってはいけない一線です。
まとめ:医師との「3分メモ」が診察の質を上げる
オンライン診療は、シニアにとって通院の負担を軽くしてくれる、本当にありがたい仕組みです。けれども、画面ごしの短い時間にすべてを伝えるのは、健康なかたでも大変なことです。
ChatGPTで作る「3分の症状メモ」は、診察を楽にしてくれるだけでなく、お医者さまにとっても診断の精度を上げる助けになります。実際に、事前に症状を整理して臨んだ患者さんの方が、診察時間が短く済み、伝え漏れも少ないというお声は、医療現場でもよく聞かれます。
大切なのは、「AIに任せる」のではなく「AIと一緒に準備する」という姿勢です。最終的な診断・治療・処方は、必ずお医者さまの判断にお任せしてください。AIは、緊張で言いたいことを忘れてしまわないための、やさしいメモ係です。
今日から始める3つのアクション
- 今日やること:ChatGPTのアプリをスマホに入れる(すでに入っているかたは、本記事のお願い文1をコピーして、今気になっている症状を一度だけ整理してみる)
- 今週中:お薬手帳の写真をChatGPTに見せて、薬の名前・回数・処方日の表を作ってもらう。次の診察のとき、医師に見せて確認しておくと安心です
- 今月中:ご家族と「もしオンライン診療を受けるなら、誰がそばで見ていてくれるか」を5分だけ相談しておく。いざというとき迷わずに済みます
失敗しても大丈夫です。ChatGPTは何度でもやり直せますし、お薬手帳の写真も撮り直せます。お子さん・お孫さんに頼ってもまったくOKです。むしろ、一緒に画面を見ながらやることが、ご家族とのいい時間にもなりますよ。
そして繰り返しますが——急な強い痛み・呼吸困難・意識のもうろう、これらの症状のときはChatGPTを開く前に迷わず119番、または「#7119」です。AIは大切な準備の道具ですが、お命を預けてよい相手ではありません。最後の判断は、必ずお医者さま、または救急隊のかたに。この順番だけは、どうかお守りください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. オンライン診療のとき、保険証はどう見せればいいですか?
多くのクリニックでは、予約の段階で保険証の写真を事前にアップロードする仕組みになっています。診察当日に画面に映してくださいと言われる場合もあります。スマホで保険証の表面の写真を撮っておき、すぐに出せるようにしておくと安心です。撮った写真は、家族以外には見せないよう、スマホのパスコードロックをかけておくのがおすすめです。
Q2. オンライン診療で処方された薬は、どうやって受け取れますか?
多くの場合、診察が終わったあとに処方箋がご自宅へ郵送されるか、お近くの薬局に直接FAXや電子データで送られます。クリニックによっては、薬そのものを宅配便で送ってくれるところもあります。診察予約のときに「処方薬はどう受け取りますか?」と確認しておくとスムーズです。
Q3. ChatGPTに病気のことを話して、情報が漏れたりしませんか?
ChatGPTは入力された内容を学習に使うことがあると公式に説明されています。心配なかたは、設定画面から「チャット履歴とトレーニング」をオフにしておくと、入力内容が学習に使われにくくなります。また、ご自身の氏名・住所・電話番号・保険証番号は入力しないようにすれば、より安心です。「[年齢]歳の[男性/女性]」のように、特定されない形で入力するのがおすすめです。
Q4. オンライン診療にかかる料金はどのくらいですか?
診察料は対面診療とほぼ同じ程度ですが、別途「通信費」や「システム利用料」がかかるクリニックもあります。料金体系はクリニックごとに違いますので、予約前に必ず公式サイトでご確認ください。健康保険は、対面と同じように使えるケースがほとんどです。
Q5. 画面の前で緊張して、用意した症状メモを読み上げる声が震えてしまいます。どうしたらいいですか?
大丈夫です。お医者さまは、緊張する患者さんを毎日たくさん診ています。声が震えてもまったく問題ありません。一度深呼吸をして、ChatGPTで作ったメモを「ゆっくり、一行ずつ」読み上げてみてください。それでも難しい場合は、メモをカメラに見せて「これを見ていただけますか?」と伝えるのも立派な方法です。「うまく話せない」ことを、責める必要はまったくありません。
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出典
- 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」mhlw.go.jp
- 厚生労働省「救急医療体制等のあり方に関する検討会」救急安心センター事業(#7119)mhlw.go.jp
- 厚生労働省「医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン」mhlw.go.jp
著者プロフィール
佐藤傑(さとう・すぐる)。株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を経験。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆。シニア向けAI個別レッスンも提供中。
最終確認日:2026年5月19日
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